犬の呼吸が荒くなる原因は?正常な呼吸の回数・よくある症状を解説!
犬の呼吸がいつもと違うと不安になりますよね。運動した後や体温調整で一時的に呼吸が荒くなったり速くなったりすることはありますが、中には異常と言えるケースも。この記事では、犬の呼吸が荒くなる原因や対処法について詳しくご紹介します。
目次
犬の正常な呼吸はどれくらい?
犬の呼吸が速いと心配になりますよね。犬の呼吸は、運動や興奮、気温などによって変化しますが、安静時の呼吸数を知っておくことで異常に気づきやすくなります。犬の呼吸の計測方法と正常な呼吸数を知っておきましょう。
犬の呼吸の計測方法
犬の呼吸の回数を知るには、胸やお腹が上下する回数を数えるのが基本です。中には長毛種の犬など、毛で動きが見えにくいことがあります。その場合は、犬の鼻の前に手鏡を置いて、息で鏡が曇る回数を数える方法もおすすめです。
計測する時は、15秒間の呼吸数を数え、その数を4倍するか、20秒間の呼吸数を3倍すると、1分間の呼吸数がわかります。また、寝ている時や落ち着いている時の呼吸数を普段からチェックしておくと、異常があった際に気づきやすくなります。いつもより呼吸が速かったり、荒かったりする場合は、体調の変化のサインと捉えて良いでしょう。
犬の呼吸が荒いのは何回以上?
一般的に、犬の正常な呼吸数は1分間に10~35回ほどと言われています。安静時は口を閉じて鼻で呼吸しますが、運動した後や興奮している時は口を開けて「ハアハア」と呼吸することもあります。
また、小型犬は大型犬に比べて肺が小さく、呼吸数がやや多めになる傾向があります。フレンチ・ブルドッグやパグ、チワワなどの短頭種は、鼻や気管が狭いため、普段から呼吸が多めで、口呼吸が目立つことも。さらに、加齢によって体力が落ちると、軽い動きでも呼吸が荒くなることがあります。
もし安静時でも呼吸が明らかに速い場合や苦しそうに見える時は、病気の可能性も考えられるため、早めに動物病院で相談しましょう。
犬の呼吸が荒くなる原因は?
犬は体温調節や運動後の回復のために、自然と呼吸が速くなることがあります。しかし、中には暑さや病気、誤飲などが原因で呼吸が荒くなることもあるため、様子をしっかり観察してあげましょう。ここでは、犬の呼吸が荒くなる原因をご紹介します。
運動
犬が運動をした後に呼吸が速くなるのは、人間と同じように、体に必要な酸素を素早く取り込もうとするからです。走ったり遊んだりした後に「ハアハア」と口を開けて息をしているのは、その証拠です。
中でも、運動量の多い犬種や興奮しやすい犬は、運動後の呼吸が荒くなることがよくあります。基本的には少し休めば自然に落ち着くので、慌てる必要はありません。もし、長時間経っても呼吸が整わなかったり息苦しそうに見えたりした時は、体調不良の可能性もあるため、注意してあげましょう。
体温調節
犬は人間のように汗をかいて体温を下げることができません。その代わりに、呼吸を使って熱を発散させています。暑い日や、運動後に荒い息をしているのは、体を冷やそうとしているからです。
これをパンティング(口を開けて速い呼吸をすること)といい、自然に行う体温調節の方法なので、しばらくすると落ち着くことがほとんどです。
熱中症
暑い環境で長時間過ごすと、犬も熱中症になることがあります。体温が異常に上昇すると、心臓や脳に負担がかかり、息苦しそうに荒い呼吸をするようになります。
特に夏場の散歩や車内放置は危険です。舌を大きく出しながらハアハアしている、ヨダレが多い、ふらついている、ぐったりしているといった症状が見られたら、すぐに涼しい場所に移し、体を冷やしてあげましょう。改善しない場合は、すぐに動物病院へ連れて行くことが大切です。熱中症は放置すると命に関わることがあるため、早めに対処してください。
異物の誤飲
犬は好奇心旺盛なので、何でも口に入れてしまうことがあります。しかし、万が一、喉や気管に異物が詰まってしまうと息が苦しくなり、呼吸が荒くなることがあります。
普段とは違う呼吸の仕方をしている、よだれが多い、むせるようなしぐさをしている場合は、何かを飲み込んでしまった可能性があります。小さなおもちゃや、骨のかけら、食べ物の包装などは特に注意が必要です。詰まってしまうと窒息の危険があるため、無理に取り出そうとせず、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
肺の病気
犬も人間と同じように肺の病気になることがあります。肺炎や肺水腫、胸水、腫瘍などが原因で、うまく酸素を取り込めなくなると、息が荒くなったり、浅い呼吸を繰り返したりすることも。
高齢の犬や持病がある犬は特に注意が必要です。いつもと違う息づかいや、咳が続く、動きたがらないといった様子が見られた場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。肺の病気は放置すると悪化することがあるため、早めの対処が重要です。
貧血
貧血とは、血液の中のヘモグロビンが少なくなることで、酸素をうまく体に運べなくなる状態です。そのため、酸素が不足すると体がそれを補おうとして、呼吸が速くなったり息が荒くなったりすることがあるのです。
犬がぐったりしている、歩くのを嫌がる、舌や歯茎の色が白っぽいといった症状がある場合は、貧血の可能性があります。原因としては、栄養不足、病気、寄生虫などさまざまなものが考えられますが、いずれにせよ放置すると体に負担がかかるため、早めに動物病院を受診しましょう。
このような症状が出たら動物病院を受診しましょう
運動や体温調節による呼吸の乱れであれば、少し時間が経てば元の呼吸に戻ります。しかし、時間をおいても呼吸が正常に戻らない場合は動物病院に行く必要があります。ここからは、動物病院を受診すべき症状についてご紹介します。
荒い呼吸が続く
運動後や暑い日には、犬がハアハアと息をすることはよくあります。しかし、しばらく休んでも呼吸が落ち着かなかったり何もしていないのにずっと荒い呼吸を続けていたりする場合は、注意が必要です。
呼吸が速く、浅い呼吸をしている、胸やお腹が大きく上下している、呼吸に力が入っているように見える場合は、心臓や肺の病気や熱中症などの可能性が考えられます。
おかしな鳴き声をしている
普段とは違う鳴き声をしている時は、喉や気管に異常があるかもしれません。特に、「ガーガー」とアヒルの鳴き声のような音を出している場合は、喉や気管が狭くなっている可能性があります。
いつもと違う声で苦しそうにしていたり、息がしづらそうだったりする場合は、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
舌が変色している
健康な犬の舌はピンク色をしています。もしも、舌が紫色や青っぽくなっている場合は、チアノーゼと呼ばれる状態で、酸素が足りていない可能性があります。また、舌が白っぽくなっている場合は、貧血の可能性も。
これらの症状は、心臓や肺の病気、重度の貧血、熱中症などが原因で起こることがあります。舌の色の変化は、犬の体調が深刻であるサインです。犬の舌が変色しているのを見つけたら、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
苦しそうにしている
犬がじっとして動きたがらない、体を丸めて息をする、首を伸ばして息をしているといった様子が見られる場合は、呼吸が苦しい可能性があります。また、落ち着きがなく、ソワソワした様子を見せる場合も、息苦しさを感じていることがあります。
苦しそうな状態が続くと、体に大きな負担がかかってしまいます。さまざまな原因が考えられるため、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
犬の呼吸でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、犬の呼吸数の計測方法や呼吸が荒くなる原因などについてご紹介しました。
呼吸が速くなる原因はさまざまですが、少し時間をおけば元通りになるものと、すぐに病院を受診すべきものがあります。もし現在、犬の呼吸に関してお困りの方は、ぜひ大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!