犬が突然立てなくなる原因は?チェックするポイント・考えられる病気などをご紹介! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

犬が突然立てなくなる原因は?チェックするポイント・考えられる病気などをご紹介!

犬が突然立てなくなったら心配や不安の気持ちが生まれるでしょう。突然立てなくなる原因はいくつかあり、中には病気の可能性も。この記事では、犬が突然立てなくなる原因やチェックしておくことなどについて詳しくご紹介します。

犬が突然立てなくなる原因は?

犬が急に立てなくなると、とても心配になりますよね。犬が立てなくなる原因にはさまざまなものがありますが、大きく分けると骨や関節の問題、神経や血管のトラブルなどが考えられます。日頃から元気だった犬が突然立てなくなる場合、緊急の対応が必要なケースもあるため、早めに獣医師に診てもらうようにしましょう。ここでは、突然犬が立てなくなる代表的な原因についてご紹介します。

骨折

犬が突然立てなくなる原因の一つに骨折があります。足をぶつけたり、高いところから飛び降りたりした際に骨折することが一般的な理由です。骨折した場合、犬は痛みで足を地面につけようとしません。また、腫れや熱感が見られることも。歩こうとすると、足を引きずったり、かばったりする仕草をするでしょう。

骨折は小型犬によく見られる傾向があります。骨が細いため、ちょっとした衝撃でも折れてしまうことがあるのです。ソファやベッドからのジャンプは注意が必要です。また、シニア犬では骨がもろくなっているため、軽い負荷でも骨折しやすくなります。

犬が急に足を引きずり始めたり、立とうとしても痛がる様子が見られたら、無理に動かさず、すぐに動物病院で診てもらいましょう。早期に治療を行うことで、犬の回復も早くなります。

股関節や膝蓋骨の脱臼

股関節や膝蓋骨(膝のお皿)の脱臼も、犬が突然立てなくなる原因の一つです。脱臼とは、関節が正常な位置から外れてしまう状態を指します。特に小型犬では膝蓋骨がずれやすく、膝蓋骨脱臼(パテラ)という病気がよく見られます。

股関節が脱臼すると、犬は後ろ足を上げたまま立とうとしたり、歩きたがらなくなったりします。膝蓋骨の脱臼では、足を伸ばした状態で固まることがあり、しばらく経つと元に戻ることもありますが、何度も繰り返すと関節が変形してしまうことがあるのです。

脱臼は、生まれつき関節が弱い犬や、成長段階で関節がうまく発達しなかった犬に多いとされています。予防としては、日頃から犬の足腰に負担をかけない生活を心がけることが大切です。滑りやすい床を避けたり、段差を減らすなどの工夫をして、犬の関節を守ってあげましょう。

血管の閉塞

血管の閉塞も、犬が突然立てなくなる原因として考えられます。血栓(けっせん)と呼ばれる血の塊が血管に詰まることで、後ろ足に血液が流れなくなり、立ち上がれなくなるのです。特に大動脈が左右の後ろ足に枝分かれする部分は、血管が細くなるため血栓が詰まりやすい場所です。この状態は「大動脈血栓塞栓症」と呼ばれます。

血液の流れが止まると、足に必要な酸素や栄養が届かなくなり、犬は足を引きずったり、冷たく感じたりすることがあります。また、心臓の病気を持っている犬や高齢の犬では、この血管の閉塞が起こりやすくなります。

さらに、お腹の中に腫瘍ができた場合、その腫瘍が血管を圧迫して血流を妨げることもあります。

椎間板ヘルニア

犬の椎間板ヘルニアは、背骨のクッションの役割をする椎間板が傷んで神経を圧迫する病気です。胴が長い犬種に多く見られます。ヘルニアが進行すると、後ろ足がうまく動かせなくなり、急に立てなくなることもあります。

初期の症状としては、歩き方がぎこちなくなったり、背中を丸めて痛そうにしたりすることがあります。症状が軽ければ安静と薬で回復することもありますが、重症の場合は手術が必要になることも。

椎間板ヘルニアは当院で手術可能ですので、お悩みの方はお気軽にご相談くださいね。

犬が突然立てなくなった時にチェックしておくことは?

犬が突然立てなくなった時、飼い主さんはどうすれば良いのか分からず、不安になることも多いでしょう。そんな時は、落ち着いて犬の状態をよく観察し、いくつかのポイントをチェックしてみてください。チェックした上で、動物病院で伝えると、その後の対処がスムーズにできます。ここでは、チェックしておくべきポイントを3つご紹介します。

意識や呼吸の状態

まず最初に確認してほしいのは、犬の意識や呼吸の状態です。犬がぐったりしていたり、呼びかけに反応しなかったりする場合は、すぐに動物病院に連れて行く必要があります。意識がしっかりしていても、息が荒かったり、浅かったりする場合は、呼吸に問題がある可能性が考えられます。舌や歯茎が青白くなっている場合は、酸素が足りていないサインです。できるだけ早く獣医師に相談してください。

犬が落ち着いているように見えても、しばらくは注意深く観察を続けることが大切です。意識がもうろうとしてきたら、毛布などで体を温めながら急いで病院へ向かいましょう。

誤食していないか

犬が突然立てなくなる原因として、誤食も考えられます。食べてはいけないものを口にしてしまい、中毒を起こしたり、消化器官に詰まったりすると、立ち上がれなくなることも。周囲に倒れている物や、口に入れた形跡がないかを確認しましょう。特にチョコレートや玉ねぎ、ブドウなどは犬にとって危険な食べ物です。

もし犬が何かを食べてしまった可能性がある場合は、すぐに動物病院に連絡してください。犬の様子が普段と違う場合は、口元や吐いたものをよく観察し、獣医師に伝えると診察がスムーズになります。

足に感覚があるか

犬が突然立てなくなった際には、足に感覚があるかどうかもチェックしましょう。足を軽く触ってみて、犬が嫌がったり動かしたりするか確認しましょう。足に触れても反応がない場合、神経や血管に問題がある可能性があります。特に後ろ足が冷たくなっていたり、足先の色が変わっていたりする場合は、血流が滞っていることが考えられます。

また、犬が足を引きずっている場合や、体の片側だけがうまく動かない場合は、脊椎や神経に障害がある可能性もあります。無理に歩かせようとせず、体を支えてあげながら、動物病院へ向かいましょう。

犬が突然立てなくなった時に考えられる病気は?

犬が突然立てなくなった時には、病気が原因であることも考えられます。関節や脊椎に関わる病気は、歩行や立ち上がりに大きく影響します。ここでは、代表的な病気を4つ解説します。

股関節脱臼

股関節脱臼は、関節を構成する骨が正常な位置から外れてしまう状態を指します。太ももの骨が骨盤の受け皿からずれることで強い痛みが生じ、歩くことが難しくなります。骨折とは異なり、骨自体が折れていないものの、関節が外れてしまうため早急な対応が必要です。

特にゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバー、ジャーマン・シェパードといった大型犬は、先天的に股関節の発達がうまくいかない場合があり、発症しやすいとされています。犬が後ろ足が着けなくなる仕草を見せた場合、股関節脱臼の可能性を疑い、無理に動かさないようにしましょう。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板というクッションの役割をする組織が、何らかの理由で飛び出して神経を圧迫する病気です。この圧迫によって痛みが生じたり、麻痺が起こったりします。犬が急に立てなくなったり、背中を丸めて痛がる様子を見せる場合、椎間板ヘルニアが疑われます。

特にダックスフンドやコーギー、フレンチブルドッグといった胴長短足の犬種は、遺伝的に椎間板ヘルニアのリスクが高いとされています。椎間板ヘルニアは、早期に治療を行うことで進行を防ぐことができるため、歩行に異常が見られたらすぐに獣医師に相談しましょう。

ウォブラー症候群

ウォブラー症候群は「犬の頸椎すべり症」とも呼ばれ、首の骨の異常が原因で脊髄が圧迫される病気です。初期には後ろ足がふらつくなどの症状が現れ、進行すると首の動きが悪くなり、最終的には前足にも影響が及びます。

この病気は、大型犬であるドーベルマンやジャーマン・シェパード、グレート・デーンなどでよく見られます。大型犬の成長期には特に注意が必要で、首を触ると嫌がったり、動きがぎこちなくなる場合はウォブラー症候群の可能性があります。

老犬が立てなくなったら寿命が近い?

老犬が立てなくなると、「もしかして寿命が近いのかな」と心配になることがあります。確かに、加齢に伴う筋力の低下や関節の病気が原因で立てなくなることはよくあります。ただし、立てなくなることがすぐに寿命につながるわけではありません。

老犬の体調が悪化してくると、食欲が減ったり、動きが少なくなったりすることがあります。また、睡眠時間が長くなり、呼吸のリズムが変わることも。こうした変化が見られた時には、犬が安心できるように環境を整えてあげることが大切です。

老犬が立てなくなっても、焦らずに様子を見ながら動物病院で診てもらいましょう。

犬が突然立てなくなってお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、犬が突然立てなくなった時の原因やチェックしておくことなどについて詳しくご紹介しました。はじめは慌てたり心配になったりするかもしれませんが、落ち着いて行動してくださいね。

もし現在、ワンちゃんの様子についてお悩みの方は、ぜひ大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。快適に過ごせるようにサポートさせていただきます。