犬の眼科の選び方は?よくある目の病気・健康を守るための方法を解説!
犬の目に関する病気はいくつか存在します。目の病気によって視力が低下すると、日常生活でストレスに感じる部分が増えるので、飼い主さんがすぐに異変に気付いてあげる必要があります。この記事では、犬によくある目の病気や対処法、眼科の選び方などについて詳しくご紹介します。
目次
犬によくある目の病気は?
犬の目はとてもデリケートで、少しの刺激や体調の変化でも病気になることがあります。目に炎症が起こる病気は多く、症状が進むと視力に影響を及ぼすことも。ここでは、犬によく見られる目の病気についてご紹介します。
角膜炎
角膜炎は、角膜(黒目の表面)に炎症が起こる病気です。原因はさまざまで、ウイルスや細菌の感染、アレルギー、まつ毛の刺激やゴミの侵入などが考えられます。症状としては、目をショボショボさせたり、涙が増えたり、充血することがよくあります。幸い、炎症が浅い場合は点眼薬で治療できることがほとんど。抗生剤や炎症を抑える目薬を使えば、数日から1週間ほどでよくなるケースが多いでしょう。ただし、放置すると症状が悪化することもあるため、早めに対処しましょう。
角膜潰瘍
角膜潰瘍は、角膜炎が悪化して角膜の内部まで傷ついてしまう状態です。犬の目の病気の中でも比較的多く見られます。目を痛がってしょっちゅうまばたきしたり、目をこすろうとしたりすることがあり、結膜が充血したり、涙が止まらなくなることも特徴です。重症になると角膜に白く濁りが出たり、腫れたりすることも。治療は、主に点眼薬を使用しますが、潰瘍が深くなって角膜に穴が開くほど悪化してしまうと、手術が必要になることもあります。初期のうちに治療を始めれば回復しやすいため、目の異変に気づいたらすぐに病院で診てもらいましょう。
乾性角結膜炎
涙の量が減ったり、涙の質が低下したりすることで、目の表面が乾燥してしまう病気です。目が乾燥すると角膜や結膜にダメージが加わり、充血したり、ネバネバした目やにが増えたりします。パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は、涙腺がうまく発達しないことがあり、生まれつき乾性角結膜炎になりやすいといわれています。治療としては、人工涙液の点眼や、免疫抑制剤の眼軟膏を使用するのが一般的です。こまめに目の周りを拭いてあげるのもおすすめです。
ぶどう膜炎
ぶどう膜炎は、目の中のぶどう膜と呼ばれる部分に炎症が起こる病気です。ぶどう膜は、目の中の虹彩(茶色い部分)、毛様体(ピントを調節する部分)、脈絡膜(目の奥の組織)から成り立っています。この部分に炎症が起こると、目の充血、涙が増える、眩しそうにするなどの症状が現れます。原因は、細菌やウイルス感染、寄生虫感染、異物の刺激、さらには角膜潰瘍の悪化や糖尿病など全身の病気が関係していることも。ぶどう膜炎は放置すると視力に大きな影響を与える可能性があるため、早期治療が大切です。炎症を抑える点眼薬や内服薬を使用し、場合によってはステロイド剤なども使います。
進行性網膜萎縮
進行性網膜萎縮(PRA)は、網膜が徐々に変性し、視力が失われていく病気です。遺伝的な要因が関係していると考えられており、初期の段階では夜や暗い場所で物が見えにくくなる夜盲症と呼ばれる症状が出ます。その後、進行すると昼間の視力も低下し、最終的には失明してしまうことも。残念ながら、今のところ進行を止める治療法は確立されていません。ただし、視力が落ちても嗅覚や聴覚を頼りに生活できるため、環境を整えてあげることで犬の負担を軽減できます。
犬の目の健康を守るための方法は?
目の病気は知らないうちに進行してしまうこともあるので、毎日のケアによって健康を守りましょう。ここからは、犬の目の健康を守るための方法を3つご紹介します。
水分を意識的に取る
犬の目の健康には、水分をしっかり取ることがとても大切です。シニア犬は水を飲む量が減ることがあるので、新鮮な水を用意して積極的に飲ませるようにしましょう。また、ウェットフードやスープタイプのフードを取り入れるのもおすすめです。普段からしっかり水分を取ることで、目の健康だけでなく、全身の健康維持にもつながります。
栄養を十分に摂る
目を健康に保つためには、バランスの良い食事が欠かせません。特に、抗酸化作用のある栄養素をしっかり取ることが大切です。
例えば、ブルーベリーなどのベリー系に含まれるアントシアニンは、目の疲れを和らげる効果が期待できます。また、ほうれん草やケールなどの緑黄色野菜にはルテインが豊富に含まれているため、紫外線から目を守ります。さらに、紅鮭などに含まれるアスタキサンチンは、網膜にしっかり届いて目の機能をサポートしてくれます。
栄養素はフードやおやつから自然に摂るのが理想ですが、サプリメントを活用するのもおすすめです。
糖類や穀物は控える
糖分の多い食べ物や穀物をたくさん含む食事は、目の健康にも影響を与えることがあります。糖の摂取が多すぎると、血糖値の急激な変動を引き起こし、インスリンの分泌が増えることで、糖尿病や肥満のリスクが高まります。糖尿病になると、目の血管がダメージを受け、視力の低下や白内障につながることも。特にシニア犬や太りやすい犬種の場合は、毎日の食事に注意しましょう。
犬の眼科を選ぶ時のポイント
目の病気は進行が早いことが多いため、いざという時に頼れる動物病院があると便利です。ここでは、眼科を選ぶ時のポイントをご紹介します。
眼科専門の獣医師がいるか
犬の目の病気は、軽い炎症から手術が必要なものまで幅広いため、専門知識が必要です。そのため、眼科専門の獣医師がいる病院を選びましょう。一般的な動物病院でも診察は可能ですが、高度な治療や検査が必要な場合は、眼科専門の獣医師がいる病院のほうが安心です。
緊急時の対応が可能か
犬の目のトラブルは、急に悪化することもあるため、緊急時に対応してもらえるかどうかも重要なポイントです。例えば、目をぶつけてしまったり、突然目が開かなくなったりすることも。そうした場合、すぐに診てもらえないと、症状が悪化してしまう可能性があります。夜間や休日に対応してくれる病院が近くにあると、いざという時に安心です。
🔵犬の視力が悪くなっている?チェックする方法
犬は言葉を発せないため、目の病気によって視力が悪くなっているかどうかはパッと見てもわかりません。次の2つの方法を試して、視力が悪くなっていないかをチェックしてみてください。
🔵普段の環境を少し変えてみる
犬は習慣や記憶を頼りに動くため、視力が落ちても普段の環境ならスムーズに行動できます。しかし、少しでも配置が変わると、見えにくさが目立つことがあります。そのため、いつもと違う場所に家具やおもちゃを置いてみたり、部屋の明るさを変えてみたりしましょう。視力が落ちていると、ぶつかってしまったり、動きが慎重になったりすることがあります。また、暗い場所を怖がるようになったり、夜になると歩きづらそうにしたりする場合は、視力が低下している可能性があるので注意して観察してみましょう。
🔵物を落としてみる
犬がどれくらいの距離まで目で物を追えるかを確認する方法として、音のしない柔らかい物を落としてみるのも方法のひとつです。例えば、小さなボールやコットンのような軽いものを、犬の視界に入る位置から静かに落としてみましょう。視力が正常なら、落ちる物を目で追ったり、反応したりするはずです。もし、まったく反応しなかったり、探そうとするそぶりがなかったりする場合は、視力が落ちている可能性があります。
犬の目に関するお困りごとは大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、犬によくある目の病気や、目の健康を守る方法などについてご紹介しました。目の病気になると見えにくくなりストレスを感じやすくなるため、異変に気付いたらすぐに動物病院に相談しましょう。もし現在、犬の目に関するお悩みがある方は、大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。