猫にできる白いイボは病気のサイン?原因・治療方法などを解説! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

猫にできる白いイボは病気のサイン?原因・治療方法などを解説!

猫の体を触っていたら「プツッ」とした感触……。実はそれはイボの可能性が高いでしょう。イボができていると何かの病気かと疑ってしまうと思います。今回の記事では、猫にできるイボの原因などについて詳しくご紹介します。

猫にできる白色や黒色のイボは病気のサイン?

突然猫の体に白色や黒色のイボができていたら、それは病気のサインかも。しかし、イボにはさまざまな原因が考えられるので発見したら動物病院に相談してくださいね。

猫の白い・黒いイボから考えられる病気・原因・治療方法は?

ここからは、猫の白いイボ・黒いイボから考えられる病気とその原因、治療方法についてご紹介します。

①乳頭腫

乳頭腫は、皮膚や粘膜にできる良性の腫瘍です。見た目はカリフラワーのようにゴツゴツしています。比較的小さなものから、1cm以上に成長するものまでさまざまです。一般的には痛みや出血を伴うことはありません。

猫に乳頭腫ができるのは珍しいですが、耳、顔、口の周り、足などに発生することがあります。良性腫瘍のためすぐに命に関わる心配は少ないものの、いくつか注意すべきポイントがあります。

乳頭腫はゆっくり成長しますが、短期間で急激に大きくなった場合は、悪性腫瘍の可能性も。

乳頭腫が擦れて出血したり赤く腫れたりしている場合は、炎症を起こしている可能性があり、さらに悪化すると猫がかゆがったり、痛みを感じたりすることも。

これらの症状が見られた場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。

原因

乳頭腫の主な原因は、「パピローマウイルス」と呼ばれるウイルスの感染です。このウイルスは自然界に普通に存在していて、猫の皮膚に小さな傷があると、そこから入り込むことがあります。

主な感染経路

・猫同士の接触

多頭飼いの家庭や、外に出ることの多い猫は、他の猫と接触する機会が多いため、感染のリスクが高くなります。

・傷口からの感染

引っかき傷や咬み傷があると、ウイルスが侵入しやすくなります。特に野良猫との接触がある場合は、注意が必要です。

また、乳頭腫はウイルスだけでなく、猫の免疫力も関係しています。中でも高齢の猫は免疫力が低下しやすく、乳頭腫ができるリスクが高まることがあります。若い猫と比べて治るのに時間がかかることもあるため、日頃から健康管理をしっかり行うことが大切です。

治療方法

乳頭腫の治療には、外科的にイボを切除する方法や、液体窒素を使って凍結させる方法があります。どちらも予後は良好で、再発の可能性は低いとされています。

②肥満細胞腫

肥満細胞腫は、猫にできる腫瘍のひとつで、大きく分けて「皮膚型」と「内臓型」の二種類があります。

・皮膚型肥満細胞腫

皮膚に発生し、小さな虫刺されのように見えることが多いため、飼い主さんが気づきにくいことがあります。頭や耳の周りにできやすく、初めは小さくても、少しずつ大きくなることがあります。見た目が気になる場合や、猫が気にして掻いてしまう場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

・内臓型肥満細胞腫

主に脾臓や消化管に発生し、皮膚型と異なり外からは見えません。発見が遅れやすく、症状が進行してしまうことも。食欲不振や体重減少、元気がなくなるなどの症状が見られた場合は、早めの受診が大切です。内臓型は転移しやすいため、治療のタイミングが重要です。

原因

肥満細胞腫の発生原因は、まだはっきりとはわかっていません。

しかし、品種や遺伝の影響により、シャム猫では若齢期に発症しやすい傾向があるため、遺伝的な要因が関与している可能性が考えられています。

免疫異常との関連特に多発性の皮膚型肥満細胞腫に関しては、猫エイズ(FIV)との関連性が指摘されています。免疫力が低下した状態では、腫瘍が発生しやすくなることがあるため、猫の健康管理が重要です。

腫瘍の発生を防ぐことは難しいですが、猫の体調の変化に気を配り、定期的な健康診断を受けて早期発見につなげましょう。

治療方法

治療を進めるには、まず細胞診検査を行い、腫瘍の種類や悪性度を確認します。確定診断のために病理検査を行うこともあります。治療方法としては、外科手術で腫瘍を広範囲に切除するのが一般的ですが、脾臓に腫瘍がある場合は摘出手術を行います。

③扁平上皮癌

扁平上皮癌は、猫に発生することのある悪性腫瘍のひとつです。この腫瘍は、皮膚や口の中、指先などにできることが多く、色素の薄い皮膚の部分で見られる傾向があります。

初期段階では、表面にかさぶたのような薄い傷ができることがあり、皮膚炎やただの傷と勘違いしてしまうこともあります。進行すると、傷がえぐれるように深くなったり、赤く硬く盛り上がるしこりができたりすることも。耳の先や鼻の周囲、まぶたなど、毛が薄い部分に発生しやすい傾向があります。

また、口の中や指先にもできることがあり、特に指に発生した場合は、歩き方に違和感が出たり、痛みを感じて足をかばうような動作が見られたりすることがあります。扁平上皮癌は、発生した部位の組織を破壊していきますが、転移は比較的遅いとされています。

原因

扁平上皮癌の正確な原因は、まだはっきりと解明されていません。しかし、いくつかの要因が

考えられています。

・日光の影響

色素の薄い皮膚の部分で発生しやすいことから、紫外線の影響が指摘されています。特に白猫や、外に出ることの多い猫は注意が必要です。

・ウイルスとの関係

一部のケースでは、猫免疫不全ウイルス(FIV)やパピローマウイルスが関与している可能性があると考えられています。免疫力が低下している猫は、病気のリスクが高まるため、日頃の健康管理が大切です。

日頃から猫の皮膚や口の中をチェックし、異変があれば早めに獣医師に相談することが、早期発見・早期治療につながります。

治療方法

扁平上皮癌の治療には、腫瘍を外科的に切除する手術が有効です。手術が難しい場合や補助療法として、放射線療法や化学療法が行われることもあります。また、腫瘍が口の中にできると痛みや食欲不振を引き起こすため、緩和させるために痛みの管理をしたり栄養サポートを行ったりすることも大切です。

猫のイボは再発する?

猫のイボは、治療したあとでも再発してしまうことがあります。中でも、ウイルスが原因の乳頭腫や、悪性の腫瘍だった場合は、再発のリスクが高くなるといわれています。また、手術などで完全に取りきれなかったケースや、猫自身の免疫力が落ちている時には、同じ場所や別の場所に再びイボができてしまうことも。

こうした再発を防ぐには、治療後も様子を見ることがとても大切です。また、早めに変化に気づけるように、定期的な動物病院でのチェックもおすすめです。

普段からできる予防としては、猫の免疫力を維持することがポイントです。栄養バランスの整った食事を心がけたり、無理のない範囲で体を動かすようにすると、体調管理につながります。

さらに、生活環境を清潔に保つことや、他の猫との接触を控えることも、ウイルスの感染予防になります。外出する機会がある猫は、感染症の多い時期には家の中で過ごす方が安心でしょう。

猫のイボでお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、猫のイボの原因やそれぞれの治療方法などについて詳しくご紹介しました。イボの原因はさまざまなので、見つけたらすぐに動物病院に相談するようにしてくださいね。もし現在、猫ちゃんのイボでお悩みの方は、大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。