猫はステロイドで食欲不振になる?副作用を詳しく解説!
ステロイドは、猫のさまざまな病気に対して使われる薬の一つです。作用が強いため、高い効果が期待できる一方で、いくつかの副作用も現れることがあります。副作用が現れた場合は、使用を中止したり、使用量を少なくしたりするなどの方法で防いでいきますが、必ず獣医師の指示に従ってくださいね。この記事では、ステロイドが使われる猫の病気や、ステロイドの副作用などについて詳しく解説します。
目次
ステロイドとはどんな薬?
ステロイドとは、本来、体の中で「副腎」という臓器から分泌されるホルモンの一種です。このホルモンは、健康を保つために重要な働きをしています。そのステロイドと似た働きを持つ物質を人工的に作り出して薬として使用したものが「ステロイド薬」です。
炎症を抑える効果が期待できることで知られています。炎症は、体が外部からの刺激や傷に反応して起こす防御反応ですが、その結果として腫れや痛み、かゆみが現れることがあります。ステロイドは、これらの炎症反応を抑えることで、症状を和らげることができます。
たとえば、猫が歯肉炎を起こしている場合、ステロイドの抗炎症作用が腫れや痛みを軽減し、食事を取りやすくする助けになります。このように、ステロイドは動物の健康を支えるために幅広く使用される薬です。ただし、その強い作用には副作用のリスクもあるため、獣医師の指示に従い正しく使用しましょう。
ステロイドが使われる猫の病気は?
ステロイドは猫に使われる薬の中でも、特に強い抗炎症作用を持つものです。さまざまな病気の症状を和らげるために使用されることがあり、炎症やアレルギー反応を抑える効果が期待できます。ここでは、主に使用される病気についてご紹介します。
アレルギー性皮膚炎
猫のアレルギー性皮膚炎は、体が特定のものに過敏に反応してしまい、皮膚にトラブルが現れる病気です。かゆみが強く、掻きむしって毛が抜けたり、赤く腫れたりしてしまうことがあります。ノミに刺されたり、食べ物やハウスダストなどの環境が影響していたりすることが原因です。炎症やかゆみなどの症状を和らげるために、ステロイド薬が処方されることがあります。
腫瘍性の疾患
猫が悪性リンパ腫などの腫瘍性疾患を抱えている場合、ステロイドが治療に使われることがあります。抗がん剤と組み合わせて使われることが多いですが、場合によっては単独で使用されることも。この薬には腫瘍の進行を抑えるだけでなく、猫の元気や食欲を改善させる役割も期待されています。猫が病気と向き合う中で、少しでも快適に過ごせるようサポートする薬です。
目の疾患
ステロイドは目薬としても使用され、猫の結膜炎やぶどう膜炎といった目の疾患に対して効果が期待できます。これらの病気では目の炎症が強く出るため、ステロイドの抗炎症作用が役立ちます。ただし、目の状態によってはステロイドが合わない場合もあるため、必ず獣医師の診察を受けて適切な治療を受けることが重要です。
炎症性の疾患
ステロイドは猫の口内炎や関節炎、さらには炎症性腸疾患といった、体内で炎症が起きている病気にも効果が期待できます。これらの病気では、痛みや不快感を軽減するために使用されることが多いとされています。特に、急な症状の悪化が見られる場合に即効性が期待できる薬です。ただし、炎症の根本的な原因を取り除くことが必要な場合も多いため、併せてほかの治療が行われることがあります。
ステロイドによる副作用は?
ステロイドは猫のさまざまな病気に効果がある反面、長期使用や過剰投与により副作用が出ることがあります。副作用が現れたら、正しい対処が必要になります。ここでは代表的な副作用について、それぞれ分かりやすくご紹介します。
クッシング症候群
ステロイドを長期間使用すると、クッシング症候群という副作用が現れることがあります。この状態になると、猫の体にいくつかの目立つ変化が見られます。たとえば、肥満や脱毛、皮膚が薄くなること、お腹が垂れ下がることなどです。また、水をたくさん飲むようになり、それに伴っておしっこの回数や量が増えることがあります。これらの症状が見られる場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
アジソン病
ステロイドを長期にわたり使用することで、副腎機能が低下し、アジソン病という状態を引き起こす可能性があります。ステロイドが体に過剰に取り込まれると、副腎が自身でホルモンを作る働きをやめてしまい、萎縮することがあります。この状態で急にステロイドを中止すると、副腎が正常に機能せず、命に関わることも。ステロイドの投薬は、獣医師の指示に従って慎重に行うことが大切です。
糖尿病
ステロイドは体内で糖の生成を活発にする作用があるため、血糖値が上がりやすくなります。その結果、糖尿病を引き起こすリスクが高まることがあります。糖尿病になると、猫は元気がなくなり、水を多く飲む、体重が減るといった症状が見られることがあります。特に糖尿病の既往歴がある猫では、ステロイドの使用に注意が必要です。
食欲不振
ステロイドの使用により、猫が食欲を失ってしまうことがあります。これは、ステロイドの副作用として胃腸が刺激を受けることが原因です。胃腸障害が起こると、猫がご飯を食べたがらなくなったり、食事の量が減ることがあります。また、胃の粘膜が炎症を起こしたり、消化不良を引き起こしたりすることもあるため、吐き気や嘔吐が見られる場合もあります。このような症状が続くと、体重減少や体力低下につながる可能性があるため、注意が必要です。もし猫に食欲不振が見られた場合は、獣医師に相談して薬の量や種類を調整してもらうことが大切です。
肝障害
ステロイドは症状を和らげる薬ではありますが、長期間の使用や量が多い場合、肝臓に負担がかかることがあります。肝臓は体の中でさまざまな働きを担っているため、その機能が落ちると全身に影響が出ることも。もし元気がなかったり、食欲が落ちていたりしたら、肝障害の可能性が考えられます。獣医師と相談してステロイドの量を調整したり、肝臓をいたわる食事に変えたりすることが必要です。また、定期的な血液検査を受けて肝臓の状態をチェックすることが大切です。
免疫力の低下
ステロイドは炎症を抑える力が強い分、体の免疫機能を抑えてしまうことがあります。そのため、細菌やウイルスに対して体がうまく戦えず、感染症にかかりやすくなることも。また、長期間の使用で副腎がうまく働かなくなり、副腎皮質機能不全という状態になるリスクもあります。副作用が出てしまった時は、すぐにやめるのではなく、獣医師にしたがって少しずつ減らしていくことが大切です。急にやめてしまうと、体がついていけず、かえって危険な状態になることがあります。
猫のステロイドでお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、猫の病気やステロイドによる副作用などについて詳しくご紹介しました。ステロイドはさまざまな病気に幅広く使われる薬ですが、副作用が起こる可能性があるため、使用の際は注意が必要です。また、副作用によって猫に変化が見られた場合は、すぐに獣医師に相談するようにしてくださいね。もし現在、猫の健康についてお悩みの方は、ぜひ大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。原因を突き止めて、根本からの解決を目指しましょう。どんな些細なことでも、ぜひお気軽にお問い合わせください。