犬が胃液のような液体を吐いた!繰り返す嘔吐への対処法とは?
犬が嘔吐を繰り返したり胃液のような液体を吐いたりした場合、何らかの病気の兆候である可能性があります。軽く考えずにしっかり原因を特定することが必要です。
この記事では、犬の繰り返す嘔吐への対処法と胃液の吐き出しに関する情報を紹介します。愛犬の健康を守るためには、日頃から様子をよく観察することが大切です。ぜひ参考にしてください。
目次
犬が嘔吐する原因は?
犬が嘔吐する理由にはさまざまな原因が考えられます。詳しく見ていきましょう。
①生理現象による嘔吐
健康な状態でも、生理現象で嘔吐することは珍しいことではありません。例えば、空腹時に急いで大量の食事や水を摂取したり、尖った草を食べることで嘔吐が起こることがあります。
草を食べて吐く場合には「除草剤」や「有毒植物」による拒絶反応の可能性も考えられるため注意しましょう。特に農地や薬剤散布が行われている場所には気を付けてください。
吐いた後も元気で異常がない場合、緊急性は低いと考えても良いでしょう。
②病気による嘔吐
一方、病気が原因で嘔吐する場合もあります。消化管の閉塞により食物が通過できない場合や、中毒や感染症が原因となる場合には獣医師による診察が必要です。
症状が持続し続ける場合や犬の様子が明らかに異常である場合は、軽く考えずにできるだけ早く病院へ連れて行きましょう。獣医師による正確な診断と適切な治療が行われることで病気を早期発見でき、愛犬の健康を保つことができます。
犬が吐いたものや色を確認しよう
嘔吐した物の形状や色を確認することはとても重要です。吐しゃ物の内容によっては、早急に動物病院へ受診する必要がある場合もあります。確認するポイントについて解説します。
透明な液体
嘔吐したのは水や胃液、唾液である可能性が考えられます。水が原因の場合、犬が水を一気飲みしてしまうことが原因であることが多いので、与える水の量に気を付けましょう。
適度な量の水を与え、犬が一気飲みしないようにすることで嘔吐を防ぐことができます。特に夏場やお散歩の後などは注意が必要です。
嘔吐物に異物がある
もし、吐しゃ物の中に「おもちゃの破片」といったフードやおやつ以外の異物が混じっていた場合には注意が必要です。これは誤飲や誤食の可能性があります。
破片を吐き出したからといって安心してはいけません。まだ体内に残っている可能性が考えられるからです。中毒症状や腸閉塞などの重篤な状態につながることもあります。
異物を吐き出した場合は、様子を見ずに直ちに動物病院に連れて行ってください。早急な診察と治療が必要です。
嘔吐物が赤色だった
もし犬が赤色のものを吐いた場合、それは「血」である可能性が考えられます。呼吸器の問題や重度の胃潰瘍、食道の病気の兆候かもしれません。
また、先のとがった物やおもちゃによる口腔内のケガの際にも、血の混入が起こることがあります。いずれにせよ出血しているということは何らかの異常が起きており、危険な状態である可能性も否定できません。
嘔吐物が黄色だった
犬が黄色い液体を吐くことがあります。黄色い液体の正体は「胆汁」と呼ばれるもので、胃が長時間空腹になることで、胆汁が胃に逆流して嘔吐を引き起こすのです。主に明け方や夕方など食事の間隔が空いてしまう時に多くみられます。
予防策としては、空腹時間を短くすることが効果的です。明け方に吐く場合は、寝る前に軽い食事を与えるなどして、胃が空っぽにならないようにしましょう。
他に心配な症状がなければ、食事の回数や時間帯を調整することで予防することが可能です。
嘔吐物が茶色だった
茶色くドロドロとしていて「フード」のにおいがする場合は、消化がうまく行われなかった可能性が考えられます。嘔吐後も食欲があり元気な様子で、その後も吐く回数が増えなければ特別心配する必要はないと考えて良いでしょう。
もし、茶色くサラサラした液体で「古い血液」が混ざっているようなら注意が必要です。急性胃腸炎や胃潰瘍などは胃や腸から出血が起こり、その血液が酸化して茶色くなることがあるからです。
血かどうか自分で判断できない場合には吐いたものを持って獣医師の診察を受けましょう。
毛玉を吐いた
毛が抜けやすい時期や換毛期によくみられます。抜けた毛を犬が飲み込んでしまい、体内で毛玉となり、消化されずに排便や嘔吐によって体外に排出されるのです。
予防策として、まずは毛の飲み込みを防ぐことが肝心です。定期的なブラッシングにより抜け毛を取り除くことで嘔吐予防につながります。
また、犬の居場所(ケージなど)の掃除も重要です。換毛期にはこまめな掃除や床の拭き取りなどを行い、毛やほこりが溜まらないように心がけましょう。
病院へ行った方がいい場合
犬が吐いた後もぐったりせずに元気であれば一時的な問題である可能性が高いと考えても良いでしょう。しかし、以下のような様子が確認できる場合には早急な処置が必要となるため、早めに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
- ・ぐったりしている
- ・吐いた物に血液や異物が混じっている
- ・嘔吐を繰り返す
- ・嘔吐以外に下痢などの症状も見られる
- ・痛がっている
病気への処置は「早めの対応」が肝心です。いつものことだと軽く考えず、愛犬のために早めに診察を受けるようにしましょう。
愛犬が胃液を吐かないためのケア
吐くという行為は生き物にとって「自然ではない状態」ですので、生理現象だから気にしなくても良い、というわけではありません。
繰り返し嘔吐することで、逆流した胃液や胆汁が食道の粘膜を傷つける可能性もあるので、なるべく胃液を吐かないようにしてあげるのが良いと言えます。犬が胃液を吐かないためのケアについて解説します。
食事の回数と量を調整する
一度に大量の食事を与えると、胃に負担がかかりやすくなります。適切な回数と量に分けて与えることで、胃への負担を軽減しましょう。
食事の時間を調整する
規則正しい食事の時間を設定することで、胃の働きを安定させることができます。食事の時間がバラバラにならないように心がけましょう。
早朝に吐くことが多い場合は、1日の最後の食事を通常より遅い時間にズラしてみてください。時間を調整することで空腹の時間が短くなるので、胃液の逆流を予防することができます。
食事前後の運動を控える
食事前や食事直後の激しい運動は、胃液の逆流を促す可能性があります。食事後すぐに散歩させたり激しい運動をさせないようにしましょう。
タンパク質や脂質を意識した食事に変えてみる
タンパク質や脂質の摂取量を減らすことも効果的です。シニア犬向けの低脂質なフードを選ぶと良いでしょう。これらのフードは胃腸に負担をかけないよう設計されているからです。
現在のフードと少しずつ混ぜながら徐々に切り替えていきます。
おやつに関しても、肉を主成分としたものを与えている場合は量を減らすか、お肉以外の素材のおやつに切り替えることを検討してみてください。これにより脂質の摂取量を制限し、胃液の逆流を軽減することができます。
【まとめ】胃液のような液体を嘔吐したら食事に気を付けて!嘔吐を繰り返すなら病院を受診しましょう
犬は食べ過ぎや空腹などで生理的に嘔吐することがありますが、時には深刻な病気が隠れている可能性もあります。嘔吐を繰り返したり他の症状が見られたりする場合には、速やかに獣医師の診察を受けましょう。
犬の嘔吐物を片付ける前に色や内容を確認することで、病気や原因の特定に役立つ情報を得ることができます。犬の健康管理においては、毎日の観察が欠かせません。
少しでも普段と様子が違う場合には、迷わず獣医師へ相談しましょう。