猫の化膿は自然治癒する?膿皮症の原因・治療方法を解説! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

猫の化膿は自然治癒する?膿皮症の原因・治療方法を解説!

綺麗好きなことで知られている猫ですが、猫の匂いってどのようなものを想像しますか?よくお日様の匂いやふわふわした匂いなんて表現をする方もいらっしゃるのではないでしょうか。健康な猫には獣のような悪臭はなく、猫臭いと言われるのは、大体が排泄物の匂いやキャットフードの匂いなんてこともあります。

そんな猫から排泄物など以外の悪臭がしている場合、もしかしたら化膿を引き起こしているかもしれません。

今回は、化膿を引き起こす膿皮症について解説していきます。

猫の化膿で考えられる病気は?

猫から悪臭が漂う場合には、化膿を引き起こす膿皮症を患っている可能性があります。膿皮症には発生部位によって下記のような3つの段階があります。

・表面性膿皮症

・表在性膿皮症

・深在性膿皮症

いずれも、化膿を伴い、稀に膿が皮膚上に排出されることで悪臭を発生させます。

表面性は、皮膚表面に発生したものであり、発生は表皮にとどまります。傷やアレルギー、猫ニキビなどの皮膚炎から陥ることが多く、衛生状態が良くないことでも起きやすいとされています。

表在性では、表皮から少し皮膚内に侵入し真皮部分の手前まで炎症をきたします。多くは犬で発症し、猫ではほとんど表在性膿皮症は見られません。

深在性は、真皮を含みさらに深く毛根や皮下組織近くに炎症をきたしている状態です。細菌性の毛包炎やニキビダニ症、毛包角化不全症などの疾患が影響して発症することがあります。毛根や皮下組織近くまで炎症が起きているため、浸出液等も多く見られます。

参照元:猫の膿皮症~症状・原因から治療・予防法まで皮膚病を知る | 子猫のへや

猫の膿皮症の原因は?

健康な猫が膿皮症を患う原因とは一体どのようなものなのでしょうか。具体的な例として3つご紹介します。

ブドウ球菌の感染

膿皮症の主な原因とされているのがブドウ球菌による感染です。ブドウ球菌は、常在菌として日常的に存在している菌ですが、傷を負った部位などから侵入し特に免疫力が低下した際に悪影響を及ぼす菌です。健康な状態であれば、傷を負っても菌に負けることなく治癒に至りますが、基礎疾患や健康状態によって大きく左右されてしまうのです。

寄生虫の感染

ダニやノミ、シラミなどの寄生虫の問題を抱えている場合に膿皮症を患いやすくなります。皮膚に寄生中がいることで、痒みを伴う場合が一般的です。痒みのために引っ掻いてしまったり、脱毛になってしまったりなどを引き起こすと皮膚の衛生環境が悪化し、細菌感染などにもつながり膿皮症を引き起こしやすくなります。また、寄生虫はそれぞれの感染力が強く、根気良くしっかりと駆除しなければなりません。

アレルギー疾患

アレルギー疾患として膿皮症を引き起こす原因としては、ノミやダニ、ハウスダスト、花粉などによるアレルギーが多いです。また、食物アレルギーなどから皮膚症状が出現することでも膿皮症の原因となることがあります。

化膿した膿皮症は自然治癒する?

化膿している場合、自然治癒を待つのではなく動物病院等でしっかりとした治療を受けた方が良いでしょう。

化膿している部分から細菌やウイルスが侵入することで、さらに状態を悪化させることも考えられます。また、猫はグルーミングによって患部を舐めてしまいます。口腔内にはさまざまな常在菌が存在しています。普段は特に問題がなくても、患部から侵入することで悪影響を与えかねません。特に免疫力が低下している状態では、感染は広がりやすく重篤化しやすいでしょう。

猫の膿皮症の治療方法は?

もし、膿皮症を患ってしまっていたらどのような治療が施されるのでしょうか。主な治療方法は下記の3つです。

・抗生物質の服用

・外用薬

・シャンプー

では、上記3つを具体的に解説していきます。

抗生物質の服用

感染した細菌を殺すためには抗生物質の服用が効果的です。獣医師から指示された用法用量を期間内にしっかり服用することで、感染の拡大を抑制させる効果が期待できます。また、薬の服用は全身的に効果をもたらすものです。副作用をもたらす場合や個体に合わないなどのものもありますので、猫の状態を見ながら服用するようにしましょう。

服用が難しい場合には、注射などで代用も可能です。

外用薬

患部の炎症や感染を抑制するために外用薬を用います。直接患部に塗布することで、繁殖している細菌やウイルスの活動を抑制させる効果が期待できます。外用薬の塗布の際には、患部を綺麗にすることや塗布の邪魔になる毛などは刈っておくなどのケアをすることで、より効果的にすることができるでしょう。

患部や患部周辺を清拭する際は、ゴシゴシと力強く行うのではなく、優しく拭うように行うと良いでしょう。皮膚にダメージを与えてしまうとより悪化させてしまう可能性があります。

抗菌性のシャンプーの使用

抗菌性のあるシャンプーを使用することで、皮膚を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑制させる効果が期待できます。グルーミングの際にも細菌をまき散らすことにならないため、定期的に全身シャンプーをしてあげるのがおすすめです。しかし、シャンプーのやりすぎは皮膚の油分も除去してしまい乾燥により皮膚炎を起こしかねないので、注意しましょう。

猫の化膿に関する注意点

ここで、化膿している部分があった際に悪化させないためにも注意点について確認しておきましょう。

無理やり膿を出そうとしない

ニキビなどで白くなっていると潰して出したくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。化膿している部分は、ニキビのように白く膨らんでいます。膿を出そうと絞りだす行為は感染を助長させてしまう可能性のあるものです。化膿している部分を見つけても無理やり絞りだそうとせずに、破けないよう保護すると良いでしょう。

猫が引っ掻いて症状が悪化することがある

化膿部分を破らないように飼い主が気を付けていても、猫は痒さや違和感から引っ搔いてしまうことがあります。引っ掻いた傷からさらに細菌やウイルスが侵入すると感染の拡大につながります。患部だけの皮膚症状だけにとどまらず、発熱や食欲低下、ふらつき、嘔吐などの症状が現れた際は早急に治療が必要です。

治療中に引っ掻いてしまうことにも注意が必要です。治療していても引っ掻いた傷からさらに炎症や感染を引き起こす場合もあります。服薬や外用薬を塗布しているからなどと安心せずに、猫が患部を引っ掻かないよう注意してあげましょう。

猫の化膿でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

膿皮症は、化膿を伴う皮膚症状であり、犬に多く、脂質分泌が少ない猫ではあまり発症しない病気です。しかし、基礎疾患や怪我による傷、アレルギーによる皮膚症状などから常在菌や寄生虫による感染によって引き起こされる可能性があります。主にブドウ球菌などの健康状態が良い際には悪影響を及ぼさない常在菌が免疫力の低下や傷口から侵入し、炎症を引き起こすために膿皮症を発症します。

寄生虫などでは、寄生されることでアレルギー反応を起こしたり掻痒感によって皮膚に傷を付けてしまったりすることが原因とされています。ダニやノミなどの寄生虫は、感染力や繁殖力が極めて強く、根気強い治療が必要です。

膿皮症の治療法として、炎症を抑制させる抗生物質の服薬や外用薬の塗布などが選択されます。また、自宅でのケアでは抗菌作用のあるシャンプーなどを使用して皮膚の清潔を保つことでより早い治癒が見込まれるでしょう。

もし、猫から悪臭がする場合や化膿しているかもとお悩みの方は、ぜひ大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。