猫エイズの治療費は?ステージ別の症状・感染しやすい猫の特徴などを解説! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

猫エイズの治療費は?ステージ別の症状・感染しやすい猫の特徴などを解説!

猫エイズとは、猫特有のウイルスによるエイズです。猫同士で感染するため、外で過ごす猫は特に感染のリスクが高いとされています。実際に感染したらどのような症状を発症してどれくらいの治療費が必要になるのか、知っておきたいことがたくさんあるでしょう。この記事では、猫エイズの治療費や症状、感染しやすい猫の特徴などについて詳しくご紹介します。

猫エイズとは?

猫エイズは、正式には猫免疫不全ウイルス(FIV)という感染症で、猫同士の直接的な接触でうつることがあります。外で他の猫とけんかしてしまうと、かみ傷を通じて感染してしまうリスクが高くなるとされています。交尾や母猫から子猫への感染も考えられますが、一番多いのはけんかによる感染です。

このウイルスは、猫の免疫をつかさどる細胞に感染し、体の中でゆっくりと増えていきます。感染してもすぐに症状が出るわけではありませんが、数か月から数年後に、少しずつ免疫力が弱まっていくことがあります。そうなると、普段なら大丈夫なはずの細菌やウイルスに感染しやすくなったり、腫瘍や神経のトラブルが起こったりしてしまうことがあるのです。猫の元気な姿を守るためにも、日頃から予防してあげることが大切です。

猫エイズの治療費はいくら?

猫エイズは、残念ながら体内からウイルスを完全に取り除くことが難しく、根本的な治療が難しい病気です。ただ、症状が現れていない場合には、治療をしなくても元気に過ごすことができる猫もたくさんいます。もし症状が出てしまった場合には、その症状を少しでも和らげるための治療を行うことになります。

猫が口内炎で食事をするのがつらそうなときには、抗炎症剤や鎮痛剤を使って痛みや腫れを和らげます。また、免疫力が低下していると感染症にかかりやすくなるので、抗生物質やインターフェロンといったお薬を使うことも。治療費は症状や使用するお薬の種類によって異なりますが、1回の通院で数千円から1万円程度になることが多いようです。

病気が進行してエイズ関連症候群やエイズ期に入ると、猫の免疫力がさらに低下し、悪性腫瘍ができてしまうこともあります。このような場合、外科手術や抗がん剤治療など、さまざまな治療が必要で、治療費も高額になると考えられます。数万円から数十万円に及ぶこともあるため、獣医師と相談しながらできるだけ安心して治療を進められるようにしましょう。

猫エイズの症状は?

猫エイズは、感染してもすぐに症状が出るわけではありません。初めのうちは、発熱やリンパ節の腫れなどの軽い症状が見られることがありますが、その後は長い間、特に変わりなく過ごせる無症候性キャリア期が続くこともあります。時間が経つと、少しずつ免疫力が低下して、病気にかかりやすくなってしまうことも。猫の健康を守るために、どんな症状が現れるのかを知っておきましょう。

急性期

猫エイズウイルスに感染してから最初に入るのが急性期です。感染後数週間の間に、猫は発熱や下痢、リンパ節の腫れ、食欲の低下などの症状が現れることがあります。ただ、この時期の症状は一時的なもので、しばらくすると症状が落ち着くことが多いとされています。そのため、飼い主が気づかないまま、この段階を過ぎてしまうこともありますが、心配せずに様子を優しく見守ってあげましょう。

無症候性キャリア期

無症候性キャリア期は、猫エイズウイルスに感染しているものの、外見上はとても元気で健康に見える時期です。この時期は数年から10年以上も続くことがありますが、普段通りの生活を送ることができます。ただ、体の中では免疫力がゆっくりと弱まっていくため、定期的な健康チェックが大切です。猫が元気なうちにこまめに検査をすることで、早めの対策をとることができます。

持続性全身性リンパ節症期

この段階に進むと、猫の全身のリンパ節が少しずつ腫れてくることがあります。リンパ節は、首や顎のあたりや足の付け根で触れることができる部分で、飼い主が猫を撫でている時に気づくことがあるかもしれません。この腫れは、体がウイルスに抵抗している証拠ですが、この段階でも比較的元気に過ごせることが多いと言われています。もしも異変があればすぐに動物病院に相談するようにしましょう。

エイズ関連症候群期

エイズ関連症候群期に入ると、猫の健康に少しずつ影響が出始めます。血液検査では貧血や白血球、血小板の減少が確認されることが多くなり、免疫力がさらに低下してしまいます。猫は、歯や口の炎症、くしゃみや咳、目や皮膚の問題など、さまざまな症状が現れることがありますが、治療やケアで和らげることができます。少しでも快適に過ごせるよう、定期的にケアをしてあげましょう。

エイズ期

エイズ期に入ると、猫の免疫機能が大きく低下し、体の中でさまざまな感染症が起きやすくなります。食欲が減ったり、体重が著しく減少したりすることもあります。免疫力が落ちているため、病気が重くなることがありますが、猫が安心して過ごせるように、できる限りのサポートをしてあげましょう。

猫エイズに感染しやすい猫の特徴は?

猫エイズは、猫の品種による感染の違いはありません。しかし、外に出ることがある猫は、どうしても感染のリスクが高くなってしまいます。外に出ると、野良猫やほかの猫と出会う機会が増えます。ケンカなどでかみ傷を負ってしまうと、ウイルスが伝わりやすくなるのです。

猫エイズは人に移る?

猫エイズは、人には感染しません。猫エイズの原因となるウイルス(猫免疫不全ウイルス:FIV)は、猫特有のウイルスで、人や他の動物には移らないものです。そのため、猫エイズに感染している猫と一緒に過ごしても、家族やご自身に移る心配はありません。

ただし、猫同士の間では感染の可能性があるので、猫を複数匹飼っている場合は、それぞれが安心して過ごせるように工夫してあげましょう。

猫エイズにかからないための予防方法は?

猫エイズは、猫同士が接触することで感染するため、予防することがとても大切です。予防のためには、できるだけ室内で飼ったり、ワクチン接種を検討するなどの工夫が必要です。ここでは予防方法について詳しくご紹介します。

完全に室内で飼う

猫エイズは、他の猫との接触によって感染するため、猫を外に出さず、完全に室内で飼うことが一番の予防方法です。外に出ると、他の猫とケンカしたり、感染している猫と出会うリスクが高まってしまいます。室内飼いをすることで、猫は安全な環境で安心して過ごせ、感染リスクを大きく減らすことができます。特にオス猫は外で縄張り争いをすることが多いため、室内で穏やかに過ごせる空間を用意してあげることが大切ですね。

ワクチンを接種する

猫エイズを完全に防ぐことはできませんが、ワクチンを接種することで、感染リスクを減らすことができます。複数の猫を飼っている家庭や、外に出ることが避けられない場合は、ワクチンの接種を検討してみてください。ワクチン接種と、動物病院での健康チェックを行うことで、猫が元気に過ごせるようしっかりサポートしてあげましょう。

猫エイズでお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、猫エイズの治療に関することや症状、予防方法などを詳しくご紹介しました。

残念ながらエイズは治らない病気で、いくつかのステージを経て弱っていってしまいます。しかし、感染する前に予防をすることが可能です。もし現在、猫エイズに関してお悩みの方は、ぜひ大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。いつまでも猫の健康を守るためにサポートしていきましょう。