【犬の健康警告】ピンク色のものを吐いたら何をすべき? - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

【犬の健康警告】ピンク色のものを吐いたら何をすべき?

愛犬が嘔吐したものがピンク色だった場合、もしかしたら深刻な病気の兆候かもしれません。犬の飼い主として適切に対処するためには、どうすればいいのでしょうか?

この記事では、ピンク色の嘔吐物の正体とその原因、そして適切な対応策について解説します。緊急な対応が必要な場合や病院での診断が必要な場合についても言及します。

大切な愛犬の健康を守るためには、必要な情報を知って早めの行動をとることが重要です。ぜひご覧ください。

嘔吐したピンク色のものの正体とは?

もし愛犬がピンク色の嘔吐物を吐いた場合は、口の中や食道、胃、腫瘍などからの出血の可能性があります。血液が混ざった嘔吐物を見つけた時はなるべく早めに動物病院を受診し、獣医師の診察を受けましょう。

診察に嘔吐物を持参することができれば一番良いですが、難しい場合は写真を撮って診察時に提供するようにすると良いです。症状をより正確に伝えることができれば、獣医師がより適切な治療をおこなうことができます。

血液の混じった嘔吐物は潜在的に深刻な病気や出血の兆候を示している可能性があるため、迅速な対応が重要です。

ピンク色以外の嘔吐物の原因と対応

犬が嘔吐した場合、吐き出した物の色に注目しましょう。色の変化は、犬の体内で何が起きているのかを示す手がかりとなります。前述のピンク色以外のケースを見てみましょう。

嘔吐物が白い場合

犬が白い色の嘔吐物を吐いた場合、それは水や唾液、胃液です。

原因として考えられるのは、

・水の飲み過ぎ
・空腹
・ストレス
・胃酸の過剰分泌
・逆流性食道炎

などが考えられます。

白い液体だけでなく、絶えず透明の液体が口から垂れるような状態が続く場合、それはよだれである可能性があります。愛犬がどこか痛みを抱えていたり、中毒の兆候がある可能性もあるため、慎重に観察する必要があります。

嘔吐物が濃い赤色や黒い場合

濃い赤色や黒い嘔吐物は血液です。これは胃潰瘍や腫瘍、胃の粘膜からの出血といった兆候と考えられます。

また、真っ赤な鮮血の色や黒い嘔吐物は、内出血や消化器系の深刻な問題を示している可能性もあるため、直ちに動物病院を受診する必要があります。

嘔吐物が黄色や緑色の場合

犬の嘔吐物が黄色や緑色である場合、それは胆汁かもしれません。胆汁は通常、黄色や緑色をしています。空腹や胃腸の働きの低下によって胆汁が逆流し、黄色や緑色の液体を嘔吐するのです。

食事のタイミングを見直したり、1回の食事の量を減らして回数を増やすことで嘔吐を抑えることができます。規則的な食事スケジュールや消化を助けるための適切なメニューについて、改めて見直してみましょう。

嘔吐物が茶色の場合

嘔吐物の茶色は、ドッグフードや胃内での消化の途中または未消化の食べ物が混ざっているものだと考えられます。稀に血液が混ざっている場合も茶色に見えることがあるので、軽視せず、観察して様子をみましょう。

茶色の嘔吐物の原因を正確に特定するためには、獣医師の診断が必要です。獣医師は症状や観察結果に基づいて適切な診察を行い、必要な検査や治療を提案してくれます。

朝になると黄色いものを吐くのって危険な病気?

愛犬が朝になると「黄色い液体を吐く」という症状は、実は多くの飼い主さんが抱える悩みです。このような嘔吐物には胆汁が含まれており、空腹時に胃液と混ざって嘔吐を引き起こします。

つまり空腹の時間が長いことが原因なのです。

したがって愛犬が元気で食欲もあり、便や尿に異常が見られない場合は大きな心配は必要ありません。ただし朝ごはん前に繰り返し嘔吐が起こる場合は、対処方法を考えることができます。

例えば、

・朝ごはんの時間を早める
・夜ご飯の時間を遅くする
・食事の量を減らして回数を増やす
・間食や少量の夜食を与える


などの対策が効果的です。

これによって空腹を軽減し、胃液と胆汁の混ざり具合を調整することができます。ただし、症状が続く場合や愛犬の体調に変化が見られる場合は、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

犬は人間よりも嘔吐しやすい生き物

犬は人間よりも嘔吐しやすい動物と言われています。その理由は、犬が四足歩行をするため、人間とは異なる体の構造をしているからです。

犬は口から食道、胃までの経路が地面に対して平行に配置されており、重力に逆らわずに吐き出すことができます。このため、比較的少ない労力で嘔吐が起こりやすいのです。

さらに、犬の食道には意識的に動かせる横紋筋が多く存在しています。この筋肉の存在も、犬が嘔吐しやすい理由の一つです。横紋筋の働きによって、犬は嘔吐を起こす際に食道や胃の内容物を効果的に排出することができます。

愛犬が吐き気を催す場合、異常な症状や頻度、その他の不調との関連性などを観察することが重要です。もし心配な症状や持続的な吐き気が見られる場合はその旨を獣医師に相談し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。

受診判断のポイント5選

動物の健康状態を判断する際に、以下のポイントに注意することが重要です。これらのポイントを考慮して、心配な症状や変化が見られる場合は、迷わず動物病院を受診することをおすすめします。

1.元気や食欲がない

犬が一般的な活発さや食欲を失っている場合、病気の兆候となる可能性があります。元気がなく食欲がない場合は、早めに獣医師の診察を受けることをおすすめします。

2.他の症状が出ている

嘔吐に加えて下痢や発熱、咳などの症状が見られる場合は、体全体に問題がある可能性があります。これらの症状が同時に出現する場合は、早急に動物病院を受診することが重要です。

3.嘔吐が繰り返される

犬が一度だけではなく、繰り返し嘔吐をする場合は、慎重な判断が必要です。繰り返し嘔吐が見られる場合は、内部の問題や消化器系の疾患の可能性が高いため、速やかに獣医師の診察を受けることをおすすめします。

4.尿の量が少なく色が濃い

尿の量が通常よりも少なく色が濃い場合は、脱水症状が疑われます。脱水症状は犬の健康に重大な影響を及ぼす可能性があるため、迅速に対処する必要があります。

5.食事変更や与えすぎなどの思い当たる節がない

嘔吐の原因として、食事の変更や過剰摂取、長時間の空腹が考えられます。しかし、食事に変更や与えすぎ、食事時間の変更がないにもかかわらず嘔吐が続く場合は、潜在的な健康問題がある可能性があります。

愛犬がピンク色のものを嘔吐した時の対処【まとめ】

愛犬がピンクのものを嘔吐をしたり頻繁に嘔吐を繰り返したりする場合は、自己判断せずにかかりつけの獣医師に相談することが重要です。

嘔吐は犬の健康状態を示す重要なサインであり、潜在的な病気や健康問題を示す手がかりとなります。特に頻繁に嘔吐が続く場合や症状が他の病気と関連している場合は、迅速に動物病院を受診することをおすすめします。

犬の嘔吐は消化器系の疾患だけでなく、腎臓や肝臓、膵臓などの臓器の問題によるものも考えられます。一度の嘔吐や様子の変化に続いて、愛犬が普段と異なる行動や体調を示す場合は、注意が必要です。

飼い主さんが愛犬の健康をサポートするためには、日々のスキンシップが非常に重要です。少しでも変だなと違和感を感じたら、気にかけてあげてください。愛犬の健康を守ることができるのは、愛犬の一番身近にいる「アナタ」だけなのです。