犬が突然お漏らしをする原因は?対処法や予防方法をご紹介!
ワンちゃんが突然お漏らしをしてしまうと、とても心配になるでしょう。原因はさまざまですが、お漏らしをするようになったら動物病院に相談するようにしてくださいね。
この記事では、犬がお漏らしする原因や対処法、予防方法などについて詳しくご紹介します。
目次
犬がお漏らしをする原因
愛犬がお漏らしをしてしまうようになると、飼い主さんとしてはとても心配になりますよね。犬のお漏らしにはさまざまな原因があり、それぞれに適した対処法があります。ここでは、主な原因について詳しく見ていきましょう。
加齢による体の変化
人間と同じように、犬も歳を重ねると体にさまざまな変化が現れます。泌尿器系周囲の筋肉の単純な老化や、それらの筋肉に対するコントロール力の衰えによって引き起こされる可能性があります。
特に老犬になると、膀胱周辺の筋肉や尿道括約筋の機能が低下し、尿をためたり排尿をコントロールしたりする力が弱くなってしまいます。また、くしゃみをした反動やトイレに間に合わないことでお漏らししてしまうこともよくあります。これは病気ではなく、自然な老化現象のひとつです。足腰の筋力低下により歩行速度が落ち、トイレまで間に合わないケースも多く見られます。愛犬の加齢による変化を理解し、見守ってあげることが大切です。
膀胱や尿道に関連する疾患
膀胱炎は犬によく見られる病気のひとつです。膀胱炎になると膀胱に炎症が起こり、残尿感が起こります。そのため、何度もトイレでしゃがむような動作をします。
また、尿路結石も大きな原因です。結石が膀胱や尿道にできると、正常な排尿が困難になり、お漏らしにつながることがあります。メス犬や免疫力の弱い仔犬などでは細菌感染による膀胱炎が起きやすいといわれています。これらの疾患は早期発見・早期治療が重要なので、いつもと違う排尿の様子を見かけたら、動物病院で相談することをおすすめします。
神経系の異常(椎間板ヘルニアなど)
椎間板ヘルニアは、特にダックスフンドなどの胴長短足の犬種でよく見られる疾患です。椎間板ヘルニアや脳腫瘍などの中枢神経系の疾患、事故による外傷などによって排尿にかかわる神経が損傷し排尿のコントロールがうまくできなくなる場合があります。
椎間板ヘルニアが進行すると、椎間板が脊髄神経を圧迫するため、脊髄神経に麻痺が起こり、自分の意思で尿を出せない状態になります。また、排尿困難を伴い、痛覚の消失の程度の大きいものは重症度と緊急性が高いと判断されます。このような神経系の問題による排尿障害は、専門的な治療が必要になる場合が多いため、症状に気づいたら速やかに獣医師に相談してくださいね。
心理的要因(ストレスや不安)
心理的な要因もお漏らしの大きな原因となります。環境の変化をはじめ、雷や地震などで驚くなど、恐怖や不安、興奮などによって思わず尿を漏らしてしまう場合があります。
特に分離不安症の犬では、お漏らしの場合と粗相の場合があり、怖いと感じるあまり、膀胱内に入っていた分の尿を一気に粗相として排尿したあとに、排尿のコントロールができなくなってお漏らしをするため、部屋中にぽたぽたと尿が垂れているというケースもあります。
引っ越しや家族構成の変化、新しいペットを迎えるなど、環境の変化があった際には、愛犬のストレスサインに注意深く目を向けてあげることが大切です。十分なスキンシップと安心できる環境づくりを心がけましょう。
ホルモンバランスの変化
避妊手術を受けたメス犬では、ホルモンバランスの変化によるお漏らしが起こることがあります。ホルモンや神経系の要因により膀胱機能が低下することも尿漏れの原因になります。特に、避妊手術後、ホルモンバランスの変化によって尿失禁(ホルモン反応性尿失禁)を発症する可能性がまれにあります。
この症状は術後すぐに起こるわけではなく、数年かけてホルモン減少が進行する中で、排尿をコントロールする筋肉が弱まることで発症します。特に避妊手術を済ませた高齢のメス犬に多く起こり、女性ホルモンの分泌不足によって尿道括約筋の働きが低下するため尿漏れを起こしやすくなるのです。多くの場合、適切な治療により日常生活に大きな支障が出ることはありませんので、症状が見られたら獣医師に相談してみてくださいね。
犬が突然お漏らしをした場合の対処法
犬が突然お漏らしをした場合、まずは動物病院で診察や治療を受け、その後は自宅で清掃や消臭をしたり対策グッズを取り入れたりしてみましょう。ここからは、犬が突然お漏らしをした場合の対処法についてご紹介します。
動物病院での診察と治療
愛犬が突然お漏らしをするようになったら、まずは動物病院での受診を検討しましょう。トイレ以外での排泄に気づいたら、まずはどのような状況で漏らしているのかよく観察してくださいね。そして、動物病院を受診して、状況をよく説明し、診察してもらいます。
受診の際には、本人の意識外での排尿なのかどうかを見極めることが重要です。また、尿の一日の回数や一回ごとの量、一日の飲水量も記録して獣医師に伝えられるようにチェックしてくださいね。お漏らしは飼い主さんだけでなく愛犬にもストレスとなるので、お漏らしをするようになったら動物病院へ受診しましょう。
清掃と消臭
お漏らしを発見したら、清掃と消臭も大切です。犬のおしっこは、3時間以上経過してしまうと、おしっこ内の細菌が増殖して臭いが強くなるといわれています。そのため、犬のおしっこを見つけたら、すぐに掃除するようにしましょう。
まずは乾いたタオルやキッチンペーパーでしっかりと水分を吸い取ります。その後、重曹やクエン酸を使った清掃が効果的です。重曹は洗浄・消臭効果があり、犬に悪影響を与える可能性が低いため、尿の臭いを消すときに特におすすめです。クエン酸は酸性であり、犬のおしっこの臭い成分であるアンモニアはアルカリ性であるため、中和することで洗浄・消臭できます。愛犬がトイレ以外の場所で排尿したら、ニオイが残り、またその場所で排尿してしまうことがあります。ニオイが残らないように専用のクリーナーを使ってしっかりふき取りましょう。
お漏らし対策グッズの活用
お漏らしが頻繁になってきた場合は、対策グッズを上手に活用しましょう。お漏らし対策として1番有効なのはオムツです。オムツを着用させることで、お漏らしを防ぐことが可能です。ただし、おむつはどうしても不潔になりやすく、蒸れたり肌荒れを起こしたりする可能性があります。
一般的なおむつは、6時間くらいで交換が必要です。定期的に交換してあげて、清潔な状態を保ってあげましょう。また、トイレシートを愛犬の生活スペースに多めに敷いておくことも効果的です。また、犬用フローリングについた尿から床を守るための保護マットや保護シートもあるので、これらを活用して愛犬が快適に過ごせる環境を整えてあげてください。
犬のお漏らしを予防するための方法
犬のお漏らしを予防するためには、毎日の健康チェックや運動、ストレスの軽減などが効果的です。ここからは、犬のお漏らしを予防するための方法についてご紹介します。
定期的な健康状態のチェック
お漏らしの多くは病気が原因で起こるため、定期的な健康チェックが予防のために大切です。排尿に関連する行動の変化に気付いたら、すぐに犬を動物病院に連れていきましょう。
高齢犬の場合は、1ヶ月に1回の定期検診がおすすめです。膀胱炎や腎不全、ホルモン異常などの早期発見により、適切な治療を受けることでお漏らしを防げる場合があります。健康診断では尿検査も含めて、愛犬の状態を総合的にチェックしてもらいましょう。
適度な運動とストレスの軽減
運動不足やストレスは、犬にとって大きな負担となりお漏らしの原因にもなります。犬は体を動かすのが大好きな生き物であり、日常のストレスを運動で発散しているからです。
適度な散歩や遊びの時間を確保し、愛犬とのスキンシップを増やしましょう。室内でもできる遊びを取り入れることで、運動不足とストレスの両方を解消できます。運動により筋力が維持され、排尿機能の低下を防ぐ効果も期待できます。
高齢犬のための生活環境の改善
老犬になると視力や聴覚が低下し、筋力も衰えてくるため、安全で快適な生活環境を整えることが大切です。滑りやすいフローリングにはタオルマットやコルクマットを敷き、転倒を防ぎましょう。
階段には柵を設置し、家具の角にはクッション材を取り付けて安全対策を行います。トイレの場所は愛犬の生活スペースの近くに移動し、必要に応じて数を増やしてあげてください。寝床は夏は涼しく冬は暖かく保ち、家族の気配が感じられる場所に設置することで、愛犬が安心して過ごせる環境になります。
犬のお漏らしでお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、犬がお漏らしする原因や対処法、予防方法などについて詳しくご紹介しました。
犬のお漏らしには、加齢による自然な体の変化から膀胱炎や椎間板ヘルニアなどの病気、ストレスやホルモンバランスの変化まで、さまざまな原因があります。愛犬が突然お漏らしをするようになったら、まずは動物病院を受診して原因をしっかり調べてもらいましょう。もし現在、犬のお漏らしでお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。原因を調べて、ワンちゃんがお漏らしをしても快適に過ごせる環境を作っていきましょう。