老犬が震えている原因は?考えられる病気や予防する方法などについて解説! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

老犬が震えている原因は?考えられる病気や予防する方法などについて解説!

老犬が震えていると病気を疑うでしょう。人間と同じように、加齢によって筋力が低下していることが考えられますが、なかには病気が隠れている可能性があるため、動物病院を受診してください。この記事では、老犬の震えの原因や予防する方法などについて詳しくご紹介します。

老犬が震えている原因は?

年齢を重ねた老犬の犬がブルブル震えていたら心配になるでしょう。老犬の震えは、筋力の低下や寒さ、動作一つ一つが負担になっているなど、さまざまな要因が関係していることがあります。まずは考えられる原因を見つけて、少しでも楽に過ごせるように環境を整えることが大切です。まずは、老犬が震えている原因について詳しくご紹介します。

筋力の低下によって力が入りにくい

老犬の犬は、少しずつ筋肉が減っていくため、体を支える力が弱くなっていきます。足腰の筋力が落ちてくると、立ち上がるときや座る時にプルプルと震えてしまうことがあります。人間と同じで、若い頃のように動けなくなってくるのは自然なことですが、急に動かなくなったり、痛がったりする様子があれば、関節や神経のトラブルも考えられます。しかし、一般的には筋力の低下が原因になることが多くあります。

温度変化に対応するため

老犬は体温を調整する力も少しずつ弱くなっていきます。冬場や朝晩の冷え込みが強い時期には、寒さに体がついていかず、ブルブルと震えてしまいます。毛が薄い犬種や、プードル、ヨークシャー・テリアなどのシングルコートの犬は特に寒がりなので、暖かい毛布や洋服で包んであげるのがおすすめです。暖房の効いたお部屋でも、床からの冷えには注意して、底冷えしない環境を整えましょう。

足腰に負担がかかっている

トイレの時やごはんを食べる時など、老犬は踏ん張る体勢になる場面が多くあります。しかし、年齢とともに足腰にかかる負担が大きくなり、そのたびにプルプルと震えてしまうことも。痛みがあるわけではなくても、思うように力が入らないのです。滑りやすい床であればマットを敷いて滑らないようにしたり、食器の高さを調整したりするだけでも、体への負担を和らげることができます。

老犬の震えから考えられる病気は?

あまりにも震えが続く場合は、病気を疑う必要があります。老犬の震えには、低カルシウム血症や低血糖、神経や脳に関わる病気が隠れていることも。ここからは、老犬の震えから考えられる病気について詳しくご紹介します。

低カルシウム血症

血液中のカルシウムが不足すると、低カルシウム血症と呼ばれる状態になります。これは筋肉や神経の働きに影響を与えるため、震えやけいれん、脱力などの症状が出ることがあります。老犬では、腎臓の不調やホルモンバランスの乱れが原因になることも。重症になると、意識がもうろうとしたり命にかかわることもあるので、おかしな震え方をしていたら、早めに動物病院で相談してください。

低血糖

低血糖とは、体のエネルギー源である血糖(ブドウ糖)が少なくなってしまう状態です。脳や神経はブドウ糖を必要とするため、不足すると震え、ふらつき、意識がもうろうとするなどの症状があらわれます。特に小型犬や病気を抱える老犬は、食事の間隔が空きすぎると低血糖になりやすいので注意が必要です。

脳炎

脳に炎症が起こる脳炎は、震えやけいれん、視覚の異常といった神経のトラブルを引き起こすことがあります。老犬でも発症する可能性があり、急に足元がおぼつかなくなったり、フラフラ歩くようになった場合は要注意です。てんかんのような発作を繰り返すと、体全体に負担がかかり、命にかかわることもあるため、早期発見・早期治療がとても大切になります。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症とは、首のあたりにある甲状腺という小さな器官が、十分にホルモンを出せなくなってしまう病気です。この甲状腺から出るホルモンは、犬の体のエネルギーを生み出すための働きをしています。

ホルモンが足りなくなると、体全体の動きがゆっくりになってしまい、元気がなくなったり、体温を保ちにくくなって震えが出たりすることがあります。毛艶が悪くなったり、体重が増えやすくなることも見られます。

「年を取ったから仕方ない」と思われがちな症状なので見逃されやすいですが、様子をしっかり見てあげることが大切です。

全身性振戦症候群

全身性振戦症候群は、体全体が小刻みに震える病気で、原因がはっきりしていないのが特徴です。もともとは白い小型犬に多く見られるとされていましたが、最近では他の犬種でも確認されています。震え以外には目立った症状がないこともありますが、ストレスや興奮がきっかけで症状が出やすくなることも。震えが続いているようなら、念のため病院で診てもらうことがおすすめです。

小脳低形成

小脳低形成は、運動のバランスをとる小脳が生まれつきうまく発達していない病気です。生後数週間のうちに、ふらついたり、足がもつれるような歩き方をしたり、震えるような動きがみられることがあります。進行性ではないため、症状が悪化していくことはあまりありませんが、日常生活の中で転びやすかったり不器用な動きがみられることがあります。

老犬の震えを予防する方法は?

老犬が震えるのを少しでも減らすためには、予防が大切です。体を冷やさないようにしたり、滑りにくい環境を整えたり、ご飯の工夫をしたりと、まわりを整えることで過ごしやすくなります。ここからは、老犬の震えを予防する方法をご紹介します。

こまめに体を暖めてあげる

老犬になると体温調節が苦手になるため、多少の寒さでもブルブルと震えてしまうことがあります。冬にお散歩をすると、外の冷たい空気が体に負担をかけてしまうため、出かける前に温かい洋服を着せてあげるのがおすすめです。帰ってきた後は、足先が冷えていることが多いので、ぬるま湯で拭いたり、蒸しタオルで包んで温めたりすると、血行が促進されて震えの原因はなくなります。その後はしっかり乾かして、体が冷えないようにしましょう。

室内でも、わたしたちより床に近い場所にいる犬は、床からの冷えを感じやすいものです。お気に入りの場所には、ふかふかの毛布やクッションを敷いて、暖かさを感じられる環境をつくってあげてください。ただし、カーペットの上で長時間過ごすと、低温やけどを起こすことがあるので、様子を見ながら調整してあげましょう。

歩きやすい環境を整える

年齢とともに足腰が弱くなってくる老犬には、なるべく負担の少ない生活環境を整えてあげることがとても大切です。例えば、フローリングの床はすべりやすく、少し動くだけでも足を踏ん張る力が必要になるため、老犬の震えの原因にもなります。愛犬がよく過ごす場所には、滑り止めのあるマットやカーペットを敷いて、安心して歩けるようにしましょう。

また、食事や水を飲む時の姿勢にも注意が必要です。高すぎる位置に器があると、首に無理な力がかかってしまい、食欲が落ちる原因になることも。ちょうどいい高さのスタンドや台を使うことで、楽な姿勢でご飯を楽しめます。さらに、階段や段差のあるお家では、滑り止めのステップやゲートを使って事故を防ぐことも大切です。

栄養のあるご飯を与える

震えを予防するためには、食事を通して体を内側から整えることも大切です。老犬には、消化にやさしく、栄養バランスのとれたご飯を意識してあげましょう。例えば、キャベツは、ビタミンCやKが豊富で、胃腸にもやさしい野菜です。さっと茹でて細かく刻み、ドッグフードに混ぜると、食べやすくなります。

アスパラガスもおすすめの食材です。疲労回復に役立つ栄養素が含まれており、やわらかく茹でてから細かくして与えましょう。ただし、生のままや大量に与えるのは避けてください。

そして、筋力維持に欠かせないのが良質なたんぱく質です。ささみや鶏の胸肉は、消化もしやすく、老犬の体におすすめの栄養源です。食欲が落ちているときは、おやつ感覚で少量ずつ取り入れるのもおすすめです。

老犬が夜寝ている時に震えているのはなぜ?

夜、犬が眠っている時に体が小さく震えている…そんな様子はありませんか?先にご紹介した病気の症状が見られない場合は、心配しすぎなくても大丈夫なケースがほとんどです。犬も人間と同じように、レム睡眠と呼ばれる浅い眠りの時間があり、その間は夢を見ていたり、脳が活発に動いていたりするため、体がピクッと動いたり、小さく震えたりすることがあります。様子がおかしくなければ、そのまま眠らせてあげましょう。

老犬の震えでお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、老犬の震えの原因や予防する方法などについて詳しくご紹介しました。老犬になると体のさまざまな部分が衰えていくため、一つ一つの動作が困難になります。環境を整えることで老犬が快適に過ごせるようになる場合もあるため、ぜひまわりの環境をチェックして、過ごしやすいかどうか考えてみてください。もし現在、老犬の震えでお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。長く快適に一緒に暮らせるように、震えの原因を探って改善を目指しましょう。