犬の白目が茶色になる原因は?乾性角結膜炎・メラノーマについて解説!
犬の白目が茶色になる原因はいくつか考えられます。その中でも代表的なものが、乾性角結膜炎とメラノーマです。どちらも早期発見と改善が大切なので、気付いたらすぐに動物病院に相談してください。症状が悪化する前に対処していきましょう。この記事では、犬の白目が茶色になる原因や改善方法などについて詳しくご紹介します。
目次
犬の白目が茶色になる原因は?
犬の白目にうっすらと茶色い色がついてきたと感じたとき、それは目の表面で何らかの変化が起きているサインといえます。白目の変色は、目の炎症や病気によって起こることが多く、放っておくと視力に影響を与える可能性もあるため注意が必要です。特に多い原因には乾性角結膜炎(ドライアイ)やメラノーマ(悪性黒色腫)、短頭種に多い構造的な要因などがあります。犬の目の色や表情に違和感を感じたら、なるべく早めに動物病院で診てもらいましょう。
乾性角結膜炎(ドライアイ)
乾性角結膜炎は、犬の目に涙が十分に行きわたらずに表面が乾いてしまう病気です。
涙には、目に栄養を届けたり、異物や細菌から守る役割がありますが、この病気になるとその機能が弱まり、炎症や傷ができやすくなります。白目が赤くなったり、目ヤニが増えたりすることも。
目が乾いた状態が続くと、目の表面が刺激を受けやすくなり、防御のために色素が沈着して、白目が茶色っぽく見えるようになることがあります。シーズーやパグなど、ドライアイになりやすい犬種もいるので、目のトラブルが気になったら早めの受診がおすすめです。
メラノーマ
メラノーマ(悪性黒色腫)は、メラニンという色素を作る細胞からできる腫瘍で、白目やまぶたの内側などにできることもあります。高齢の犬に多く、口の中や皮膚、爪にできることが多いですが、目のまわりにできる場合もあります。
白目の部分に茶色い斑点のようなものが見える場合は、良性の色素沈着のこともありますが、まれにメラノーマの可能性も。悪性の場合は進行が早く、ほかの臓器に転移することもあるため、早期発見・早期治療がとても大切です。
短頭種によるもの
パグやシーズーなどの短頭種は、目が大きく飛び出しているような構造をしているため、まばたきが不完全になることが多くあります。その影響で目の表面に涙がうまく行き渡らず、乾燥しやすくなります。乾燥した目は刺激を受けやすくなり、摩擦や毛の接触によって色素が沈着しやすくなるのです。鼻の上のしわが目に近い子では、毛が白目に触れることで特に茶色っぽく見えることもあります。これは痛みやかゆみの原因になることもあるため、目の周りのケアを行うことが大切です。
乾性角結膜炎(ドライアイ)になる原因は?
犬の目は、普段は「涙膜」という薄い涙の膜で守られています。この涙膜は、上瞼と下瞼にある涙を作る腺から分泌された涙でできていて、目にうるおいを与えたり、ばい菌の侵入を防いだりと大切な働きをしています。乾性角結膜炎は、この涙の量が何らかの理由で減ってしまうことで起こります。原因には、免疫の異常や腺の炎症、神経のトラブル、先天的な体質などがあり、ときにははっきりした原因がわからないこともあります。犬の目の健康を守るためには、こうしたサインを見逃さないことが大切です。
乾性角結膜炎(ドライアイ)の症状は?
犬の目が赤くなったり、ねばついた目やにが増えていたら、それは乾性角結膜炎のサインかもしれません。この病気では、目の表面が乾燥してしまうことで、充血やまぶたのピクピクとしたけいれん、目をしょぼしょぼさせる様子が見られることがあります。進行すると、白目に茶色い色素が沈着したり、角膜に傷ができてしまうことも。放っておくと視力が落ちたり、最悪の場合は失明につながることもあるため、目の違和感に気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。
乾性角結膜炎(ドライアイ)の改善方法は?
乾性角結膜炎は、涙が足りなくなることで目の表面が乾き、さまざまな不調を引き起こす病気です。しかし、ケアや治療によって、症状をやわらげることができます。ここでは、代表的な改善方法として点眼とホットパックの2つをご紹介します。実際に行う場合は、獣医師に相談してからはじめましょう。
点眼
乾いた目にうるおいを与えるために、ヒアルロン酸が含まれた点眼薬がよく使われます。これは涙の代わりとなって、目を保護してくれる大切な役割を持っています。症状によっては、細菌の感染を防ぐ抗生剤入りの目薬や、炎症を抑えるための薬が処方されることもあります。点眼は1日3〜5回ほど必要になることもありますが、こまめに続けることがとても大切です。初めは点眼に慣れていなくて嫌がることもありますが、優しく声をかけながら行い、少しずつ慣れさせていきましょう。
ホットパックを行う
ホットパックは、目のまわりを温めることで涙の分泌をうながし、目の環境を整えてくれるケア方法です。やり方は簡単で、40〜42℃くらいの少し熱めのお湯で濡らしたタオルを、犬の閉じたまぶたの上に数分あてるだけ。1日1〜2回が目安です。
最初は片目ずつ、無理のないように行いましょう。使うタオルは、繊維が目に入りにくいガーゼ地のものがおすすめです。慣れてくると、わんちゃんも気持ちよさそうにじっとしてくれることがあります。
メラノーマになる原因は?
犬のメラノーマは、メラニンという色素をつくる細胞が腫瘍化することで発生します。ただ、なぜ腫瘍ができてしまうのか、その詳しい原因はまだはっきりとはわかっていません。人の場合は紫外線の影響が関係するといわれていますが、犬においてはその関与は不明です。
一部の犬種、たとえばミニチュアシュナウザーなどでは、特に爪の付け根にできやすい傾向があるとされ、体質や遺伝が関係している可能性もあります。まだ研究が進められている分野ですが、早期発見と対応が大切です。
メラノーマの症状は?
メラノーマができると、皮膚や唇、口の中、あるいは爪の根元などに黒っぽいしこりが見られることがあります。しこりが破れて出血したり、口にできた場合は口臭が強くなることも。また、進行するとリンパ節が腫れたり、肺に転移して咳や呼吸の異常が出ることもあります。しこりの色は必ずしも黒とは限らないため、色に関係なく変化があれば注意が必要です。見た目のちょっとした変化が病気のサインとも考えられるため、気づいたら早めに動物病院で相談してみましょう。
メラノーマの改善方法は?
犬のメラノーマの治療では、まず外科手術が検討されます。
メラノーマは悪性度が高く、転移しやすい性質があるため、小さく見えても広い範囲をしっかりと切除する必要があります。手術の前には、全身にどれほど影響が出ているかを確認する検査も行われます。進行度によっては抗がん剤治療や放射線治療を併用することも。最近では、免疫療法の研究も進んでいて、将来は新しい選択肢となることが期待されています。
犬の目の症状でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、犬の白目が茶色に変化する原因や考えられる症状などについて詳しくご紹介しました。さまざまな原因、犬種によって白目に異変が起こることがあります。初めて見た時は驚くかもしれませんが、犬の目の健康を守るためにも、発見したらすぐに動物病院に相談するようにしましょう。もし現在、犬の目の症状でお悩みの方は、大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。今回ご紹介した症状以外でも、何か気になることがあればなんでもお気軽にお問い合わせください。