猫が過呼吸になる原因は?考えられる病気&病院に連れて行くべきサインを解説!
猫が過呼吸のような早い呼吸をしている場合、興奮によるものやパニック、ストレスなどが原因として考えられます。一時的に呼吸の速度が上がっているだけのことが多いですが、なかには病気を発症している可能性も。この記事では、猫が過呼吸になる原因や考えられる病気などについて詳しくご紹介します。
目次
猫が過呼吸になる原因は?
猫が過呼吸のようにハァハァと早く息をすることがあります。一時的なもので自然に治まることもありますが、注意が必要な場合も。どのような場面で猫が過呼吸になるのか、考えられる原因についてご紹介します。
興奮している
猫が激しく遊んだ後や走り回った後にハァハァと息をすることがあります。これは興奮によって心拍数が上がり、体温を下げようとしているから。
このような場合、しばらくすると自然に呼吸が落ち着くことがほとんどです。飼い主さんができることは、猫をそっとしておくこと。抱っこしたり撫でたりすると、逆に興奮が長引いてしまうことがあるので、猫が落ち着ける環境でゆっくり休ませてあげましょう。
もし長時間ハァハァと息をしていたり、ほかの症状(ぐったりする、よだれを垂らすなど)がある場合は、獣医さんに相談してください。
パニックを起こしている
突然の大きな音や見知らぬ人との接触、過去のトラウマなどが原因で、猫がパニックを起こすことがあります。その際に、驚いて過呼吸のような状態になることも。
猫がパニックになったとき、もし触れる状態なら優しく撫でながら声をかけて落ち着かせましょう。静かなトーンで話しかけると、安心しやすくなります。
もしも触れようとすると余計に暴れてしまう場合は、無理に近づかずに猫が落ち着くのを待ちましょう。できるだけ静かな環境をつくって余計な刺激を与えないことが大切です。
ストレスを感じている
猫はとてもデリケートな動物で、ストレスがたまると体調や行動に変化が現れます。ストレスの蓄積が過呼吸のような症状を引き起こすこともあるため、注意が必要です。
たとえば、以下のような状況は猫にとって大きなストレスになることがあります。
- 長時間の車移動
- 見知らぬ人と頻繁に接触する
- 生活環境の急激な変化(引っ越し・模様替えなど)
- 怖い思いをする(大きな音や他の動物との接触)
ストレスによる過呼吸が見られた場合は、静かで落ち着ける場所を確保し、リラックスできるよう配慮することが大切です。
また、ストレスが長期間続くと、食欲不振や攻撃的な行動につながることもあるため、異変があれば早めに対処しましょう。
一緒にたくさん遊んであげたり、眠りやすい環境を整えたりして猫のストレスを減らす工夫が大切です。
よだれを垂らしている場合は熱中症の可能性も
猫も人間と同じように熱中症になることがあります。暑い時期や室温が高い環境では、熱中症による過呼吸が起こることも。
熱中症の初期症状として、口を開けてハァハァと呼吸する(パンティング)が見られます。これは体温を下げるための行動ですが、次のような条件がそろっている場合は熱中症の可能性が高まります。
- 暑い場所に長時間いた
- 水分補給が十分でなかった
- 体が熱くなっている
- よだれを垂らしている
このような状態を見つけたら、すぐに涼しい場所に移動させ、冷たいタオルで体を冷やしてあげましょう。首や脇、足の付け根などを冷やすと効果的です。
熱中症は重症化すると命に関わることもあるため、少しでも異変を感じたらすぐに獣医さんに相談してください。暑い季節は特にこまめな水分補給と、室温管理に気を配ってあげましょう。
猫が過呼吸になった時に考えられる病気は?
過呼吸のような症状が見られる場合、病気が原因になっていることもあります。ここでは、考えられる
病気について解説します。
猫風邪
猫風邪は、ウイルスや細菌によって引き起こされる呼吸器の病気です。
くしゃみや鼻水、咳といった症状が現れ、重症化すると目やにや鼻詰まりの影響で口呼吸をすることもあります。
なかでも、元野良猫やワクチン未接種の猫に多く見られる傾向があります。症状が悪化すると肺炎に進行することもあるため、早めの治療が必要です。
猫風邪は、ワクチン接種で予防できる場合があります。定期的なワクチン接種を受けることで、感染リスクを減らし、猫の健康を守りましょう。
肺水腫
肺水腫とは、肺の中に余分な水分が溜まり、呼吸が苦しくなる病気です。本来、肺は酸素を取り込んで二酸化炭素を排出する働きをしますが、肺に水分が溜まると酸素の交換がうまくできず、過呼吸のような呼吸困難に陥ることがあります。
この病気は重症化すると命に関わることもあるため、治療が必要です。
猫の肺水腫には、心原性肺水腫と非心原性肺水腫の2種類があります。特に多いのは、心臓病が原因で起こる心原性肺水腫です。心筋症などの心臓の疾患を持つ猫が発症しやすいので、定期的な健康チェックが大切です。
もし猫の呼吸が苦しそうで、息が荒くなったり、チアノーゼ(舌や歯ぐきが青紫色になる)が見られる場合は、すぐに獣医さんに相談してください。
動物病院に連れて行くべきサインは?
猫が過呼吸になったら、様子をみてあげてください。落ち着かせようとしても元の呼吸に戻らない場合はすぐに病院に連れて行く必要があります。ここでは、猫を病院に連れて行くべきサインについて詳しくご紹介します。
様子を見てもいい状態
猫が元気で意識がはっきりしており、興奮や運動、高温多湿などの明確な原因がある場合は、少し様子を見ても問題ないことがほとんどです。
例えば、遊びすぎた後にハァハァと息をしている場合や、暑い部屋から涼しい場所に移動したら呼吸が落ち着くような場合は、特に心配しなくても大丈夫です。
一方で、数分経っても呼吸が戻らない、または悪化している場合は、早めに獣医に相談しましょう。
また、先ほど、単に猫が緊張や興奮しているだけの可能性があることについてご紹介しました。その場合は、安心できる場所でゆっくり休ませることで自然と呼吸が整っていきます。無理に抱っこしたり、声をかけすぎたりせず、猫が自分で落ち着くのを待ちましょう。
すぐに動物病院に連れて行くべき状態
猫の呼吸に異変が見られる場合、特に次のような症状があるときは、すぐに動物病院を受診しましょう。
例えば、鼻水やネバついた膿のような鼻汁が出ていたり、鼻血が見られる場合は、感染症や炎症の可能性があります。
また、少し運動しただけで呼吸が荒くなる、運動量が以前より明らかに減っている、頻繁に咳をする場合は、呼吸器系の異常が考えられます。
さらに、舌や口の粘膜、歯ぐきの色が青っぽい、紫っぽい、白っぽい、または赤くなっている場合は、酸素不足や血流の異常が疑われるため、緊急性が高いです。
運動直後でもないのに口を開けて呼吸している、苦しそうにしている、呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューといった異音がする場合も、深刻な状態である可能性があります。
また、吐こうとしているのに何も吐かない場合は、異物誤飲や呼吸器疾患の可能性があるため、病院を受診しましょう。
猫の過呼吸でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、猫の過呼吸の原因や考えられる病気などについて詳しく解説しました。猫の呼吸が乱れている場合、一時的なケースもありますが、病気を発症している可能性もあります。なかなか落ち着きを取り戻さない場合はすぐに動物病院に相談しましょう。もし現在、猫の過呼吸でお悩みの方は、大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。猫の健康を守るために、一緒に改善を目指していきましょう!