猫の肛門腺でよくあるトラブルは?治療方法・予防方法について解説! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

猫の肛門腺でよくあるトラブルは?治療方法・予防方法について解説!

猫が急にお尻を気にしたり、床にこすりつけるようなしぐさをしていたりすると、少し心配になりますよね。このような動作が見られる場合は、肛門腺に何らかのトラブルが起きている可能性が考えられます。肛門腺は猫の体にとって大切な器官ですが、うまく分泌物が排出されないと、肛門嚢炎や肛門腺破裂といった問題につながることもあります。放っておかずに、動物病院で検査を受けましょう。この記事では、猫の肛門腺でよくあるトラブルや、治療、予防方法などについて詳しくご紹介します。

猫の肛門腺とは?

猫の肛門のすぐ横には、小さな袋のような「肛門腺(こうもんせん)」という器官があります。この中には、やや独特なにおいのある分泌液がたまっていて、本来はうんちをする時に一緒に押し出される仕組みになっています。しかし、なかには、この分泌液がうまく出せない子もいて、少しずつたまってしまうことがあるのです。下痢をしやすい子や、体質的に分泌液が出にくい子はこの傾向があるので特に注意が必要です。溜まったまま放っておくと、炎症や痛みの原因になることもあるため、肛門のまわりを気にしている様子があれば、肛門腺がたまっている可能性があります。これは、定期的なケアで防ぐことができます。

猫の肛門腺でよくあるトラブルは?

猫の肛門腺は普段あまり意識しないと思いますが、分泌液がたまりすぎるとトラブルの原因になることがあります。炎症を起こしたり、痛みが出たりすることも。お尻を舐めたり、床にこすりつけたりするような行動をしている場合は、肛門腺に異常があるかもしれません。どんな症状があるのかを知っておくことで、早めに対処することができます。ここからは、猫の肛門腺でよくあるトラブルを2つご紹介します。

肛門嚢炎

肛門嚢炎とは、猫の肛門の両側にある肛門腺に炎症が起きる状態です。分泌液がうまく排出されないまま溜まってしまうと、細菌が繁殖して炎症を起こすことがあります。お尻を何度も舐めたり、床にこすりつけたりするような仕草をしていたら、違和感を感じているでしょう。赤く腫れていたり、押すと痛がったりするようであれば、早めに動物病院で診てもらいましょう。初期のうちに処置すれば、悪化を防ぐことができます。放っておくと化膿することもあるので、お尻のまわりを定期的にチェックしてあげることがおすすめです。

肛門腺破裂

肛門腺破裂は、肛門腺に炎症が起き、それがひどくなって腫れた後、皮膚を突き破って中の膿が出てしまう状態です。分泌液がたまりすぎて排出されずにいると、肛門腺の中で細菌が増えてしまい、強い炎症を起こすことがあります。破裂すると、肛門のまわりに穴が開き、そこから膿や血がにじんでくることもあります。猫自身も強い痛みを感じるため、触られるのを嫌がったり、元気がなくなったりすることも。ここまで進行してしまうと治療にも時間がかかるので、異変に気づいたらすぐに動物病院に行きましょう。予防には、定期的な肛門腺のケアがとても大切です。

これらのトラブルはどうやって治療する?

猫の肛門腺のトラブルが起きた時によく行われるのが「肛門腺を絞る」という処置です。これは、たまりすぎた分泌物を外に出してあげることで、腫れや痛みをやわらげる効果があります。自宅でのケアが難しい場合は、動物病院で処置してもらうのがおすすめです。

炎症が強かったり、すでに膿が出ていたりするようなときには、抗生物質や消炎薬といった薬を使って、内側からも治療を進めていきます。外用薬を塗ることや、飲み薬が処方されることもあります。

さらに、破裂して皮膚に傷ができてしまった場合には、消毒や傷の洗浄、場合によっては縫合の処置が必要になることも。ここまで悪化すると治るまでに時間がかかるため、様子がおかしいと感じたら、早めに検査を受けましょう。

猫の肛門腺絞りは必要?

猫の肛門腺は、犬に比べると詰まりにくいとされています。そのため、定期的に肛門腺を絞る必要は基本的にはありません。ただし、なかには分泌液がうまく排出されず、溜まってしまう子もいます。放っておくと、先ほどご紹介した炎症や破裂といったトラブルにつながることもあるため、気になる様子があれば早めに動物病院で相談してみましょう。普段は気にしていなくても、検査によって異変が見つかる可能性もあります。

猫の肛門腺のトラブルを予防する方法は?

猫の肛門腺のトラブルは、予防することもできます。例えば、定期的な肛門腺絞りや肛門まわりの清潔を保つこと、食事内容の見直しなどがポイントです。ここからは、猫の肛門腺のトラブルを予防する方法について詳しくご紹介します。

定期的な肛門腺絞り

肛門腺に分泌液が溜まりやすい猫や、以前に炎症を起こしたことのある猫には、定期的な肛門腺絞りが予防につながります。絞ることで余分な分泌液を外に出し、腫れや炎症を防ぐことができます。ただし、肛門腺を強く押すと痛みを感じたり、逆に傷つけてしまうこともあるので、自宅で行う場合は獣医師にやり方を教えてもらいましょう。動物病院での処置が安心な場合も多く、月に1〜2回程度のペースで通う方もいらっしゃいます。肛門腺は肛門の少し内側、4時と8時の位置あたりにあるとされています。

生活環境を清潔にする

猫が毎日過ごす生活環境を清潔に保つことも、肛門腺のトラブルの予防には大切です。排便後、肛門まわりが汚れたままだと、細菌が繁殖しやすくなり、炎症の原因になることがあります。トイレまわりをこまめに掃除したり、汚れが気になるときはぬるま湯で優しく洗ってあげたりするのもおすすめです。猫が嫌がる場合は、柔らかい濡れタオルで拭き取るだけでも十分です。また、毛が長い猫は、肛門まわりの被毛に汚れがつきやすいため、部分的にカットして清潔を保ちやすくしてあげるのもよいでしょう。このような些細なケアでも、大きなトラブルを防ぐことにつながります。

食事改善を行う

猫の便の状態は、肛門腺の働きにも深く関係しています。しっかりした形のうんちが出ることで、排便時に肛門腺が自然に圧迫され、分泌液も一緒に出やすくなります。そうした流れをサポートするには、繊維を多く含んだフードを取り入れるのが効果的です。便通が良くなることで、肛門腺が詰まりにくくなります。また、アレルギーが関係して肛門まわりにかゆみが出ているケースもあるため、フードの成分に注意を向けることも大切です。アレルゲンが疑われる場合は、獣医師のアドバイスのもとで食事の内容を見直し、体に合った食事に切り替えるようにしましょう。食事を見直すことは、全身の健康にもつながります。

猫の肛門腺でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、猫の肛門腺でよくあるトラブルや、治療、予防方法などについて詳しくご紹介しました。

猫の肛門腺は、普段あまり気にされない場所かもしれませんが、分泌液がうまく排出されないと炎症や破裂などのトラブルにつながることもあります。早めに異変に気づいて対処することが、猫の健康を守るうえでとても大切です。肛門腺絞りや食事の見直し、清潔な生活環境づくりなど、できることから少しずつ取り入れて、愛猫が快適に過ごせるように整えてあげましょう。もし現在、猫の肛門腺でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。現在症状がなくても、気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。一緒に猫ちゃんの健康を守っていきましょう。