オスの犬の陰部から血が出る原因は?予防方法や対処法を解説!
オスのワンちゃんの陰部に血がついているのを見つけて、驚いてしまったという経験はありませんか?陰部に傷がついて血が出ている場合もありますが、病気を発症したことで血尿が出て、それが陰部についている可能性も考えられます。見た目だけでは原因がわかりにくいため、大丈夫なのかと不安になることもあるでしょう。原因を解明して適切な処置をするためにも、気付いたらその時の犬の様子や尿の状態をメモしたり写真に残したりして動物病院に相談するようにしてください。
この記事では、オスの陰部の出血の原因や予防方法、病院に行く時にメモしておくべきことなどについて詳しくご紹介します。
目次
オスの犬の陰部から血が出る原因は?
オスの犬の陰部に血がついているのを見つけた時、心配になりますよね。出血は血尿によって気付くことが多く、陰部自体に原因があるとは限りません。前立腺や膀胱、尿道、腎臓など、さまざまな部位に異常がある可能性が考えられます。ここでは、出血の原因について詳しくご紹介します。
前立腺の異常
オス犬の血尿で多いのが「前立腺肥大」です。よくみられるのは高齢の犬で、見た目は元気でも、血尿やトイレの回数が増えるといった症状が出ることがあります。前立腺が大きくなると、尿道が圧迫されておしっこが出にくくなり、放っておくと危険な状態になることも。去勢手術を行ったり、ホルモン剤で治療したりする必要があります。
また「前立腺炎」の可能性も考えられます。これは、細菌感染によって起こるもので、血尿や白い分泌物が出ることが主な症状です。まれに前立腺腫瘍ができることもあり、悪性で進行が早いケースもあります。こうした症状が見られたら、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
膀胱の異常
膀胱に異常があると、粘膜に炎症が起きて血が混じった尿が出ることがあります。これは膀胱炎が考えられます。膀胱炎はよくある病気で、細菌感染や膀胱結石がよくある原因です。抗生物質や消炎剤などで
改善される場合もありますが、何度も繰り返すこともあるため、詳しい検査や手術が必要になることもあります。
また、ストレスも膀胱炎の原因になることがあるので、生活環境にも注意が必要です。元気や食欲があるか、熱が出ていないかなどをよく観察して、変化にいち早く気付けるようにしましょう。
尿道の異常
血尿の原因として「尿路結石」が考えられるケースも少なくありません。尿道の途中に石ができると、その部分が傷ついて血が混じった尿が出ることがあります。腎臓や膀胱にも結石ができると、より多くの血が出ることも。
おしっこに小さな石が混ざっていることがあるので、トイレ後の尿をよく見てみましょう。もし結石が疑われる場合は、早めに受診し、必要に応じて食事療法や手術で対応していくことが大切です。放置すると腎臓にも影響が及ぶおそれがあります。
腎臓の異常
尿の通り道の最も奥にある腎臓が傷ついていると、血尿の原因になることがあります。結石が腎臓にまで及ぶと、腎不全などの重大な病気を引き起こすリスクがあります。血尿のほかにも下痢や血便などが同時に見られる場合は、すぐに動物病院へ行きましょう。
また、犬が玉ねぎやネギ類を食べてしまった場合にも中毒を起こし、腎臓にダメージが出ることがあります。腎不全は命にかかわる病気なので、いつもと違う雰囲気がみられたら動物病院に相談してください。
陰茎から出血することも
オスの犬がクッションやぬいぐるみなどにマウンティングを繰り返していると、陰茎の先がこすれて傷つき、出血することがあります。この場合、出血は少量ですが、じわじわとにじむような出方をします。
喧嘩などで大きな外傷を受けた場合は、陰茎が壊死してしまうことも。最悪の場合、手術で陰茎の一部を切除しなければならないこともあります。また、「包皮炎」といって包皮に炎症が起こると、出血や膿が出ることもあります。この場合の出血も、病院で検査を受けるようにしましょう。
オスの犬の陰部の出血を予防する方法は?
オスの犬の陰部からの出血は、飼い主としてとても心配になりますよね。予防するためには、毎日の生活習慣を見直すことがとても大切です。
例えば、尿路結石や膀胱炎といった病気は、細菌感染やストレス、食事の内容が関係していることがあります。免疫力を保ってこれらの病気を予防するためには、バランスのとれた食事と、落ち着いた生活環境を整えることが大切です。腎臓への負担を減らすために塩分を控えたり、犬の体質に合った療法食を取り入れたりするのもおすすめです。
また、水分をしっかりと摂らせることも予防になります。お水が苦手な子には、スープやふやかしたフードを与えると、自然に水分が摂れます。排尿の回数を増やすためには、トイレの環境を清潔に保つことや、お散歩の回数を増やすことも効果的です。特に、外でしかトイレをしない子は、我慢させないように気をつけてあげてください。
過去に結石などを経験した犬は、再発予防として食事療法を続けることも大切です。さらに、日頃から排尿の様子や尿の色・量をよく観察し、少しでも異変があればすぐに動物病院に相談しましょう。元気があるから大丈夫、と思わず、早めに対応することが愛犬の健康を守るために大切です。
オスの犬の陰部から血が出ていた場合は病院へ!
オスの犬の陰部に血がついているのを見つけた時、「一度様子を見てみよう」と思ってしまうかもしれませんが、様子をみて改善することはあまりないのでぜひ病院に相談するようにしてください。発情期以外で血尿や出血が見られた場合は、早めに動物病院で検査を受けることで早期に病気が発見できる場合もあります。
病院に行く際には、出血の様子をなるべく詳しく記録しておきましょう。獣医師が診断する時にとても役立ちます。ぜひ以下の項目をチェックしてみてください。
- いつから出血しているか
- 尿の色がどんな感じか(鮮やかな赤、うっすら赤いなど)
- 尿全体が赤いのか一部だけなのか
- 排尿の回数や量
- 元気や食欲に変化がないか
これらがハッキリわかると、正確な判断ができます。
また、可能であれば排尿した尿の写真をスマートフォンで撮っておくのもおすすめです。
オスの犬の陰部から出血した場合に急死することはあるのか
陰部からの出血を見つけると命の心配をしてしまうでしょう。多くの場合は命に関わらないケースがほとんどですが、まれに命の危険につながる病気が隠れていることもあります。例えば、ネギ類などの中毒を起こしてしまった場合や、「免疫介在性溶血性貧血」といった自己免疫の病気によって、急激に赤血球が破壊されてしまうことがあります。このような場合には、急速に症状が悪化し、命に関わることもあるとされています。
冒頭でご紹介したように、多くの場合命に関わることは少ないですが、放置はよくありません。様子を見るのではなく、できるだけ早く動物病院に相談することが大切です。
オスの陰部の出血でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、オスの陰部の出血の原因や予防方法、病院に行く時にメモしておくべきことなどについて詳しくご紹介しました。
オスの犬の陰部に血が見られた時は、血尿など体内の異常が関係していることが多いため、見過ごさずに対応することが大切です。前立腺や膀胱、腎臓などの病気が原因となっていることもあるため、まずは動物病院で検査を受けましょう。普段から水分をしっかり摂らせ、ストレスや食生活にも気を配ることが、予防のために大切です。
もし現在、オスの陰部の出血でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。早期発見・早期改善のために、一緒にワンちゃんの健康を守っていきましょう。