猫のお腹がはげるのはなぜ?考えられる病気・対処法などについて解説!
猫のお腹の毛が薄くなっている、あるいは完全に抜けていることはありませんか?猫のお腹がはげてしまうのはごく自然な毛の生え変わりや毛づくろいによるものと考えることもできますが、病気やストレスなどが考えられることもあります。
この記事では、猫のお腹がはげてしまう原因や考えられる病気、対処法などについて詳しくご紹介します。
目次
猫のお腹がはげるのはなぜ?
猫のお腹がいつの間にかはげていると心配になりますよね。まずは、猫のお腹がはげる原因について詳しくご紹介します。
毛づくろいによるもの
猫はきれい好きなので、普段から毛づくろいをします。しかし、かゆみや痛みがある場合、過剰な毛づくろい(グルーミング)を行ってしまい、お腹の毛が薄くなってしまうことがあります。
主な原因としては、まずアレルギーが挙げられます。例えば、お部屋の中のホコリや花粉などの環境アレルギー、特定の食べ物が原因となる食物アレルギー、ノミやダニなどの寄生虫アレルギーなど、さまざまな種類があります。強いかゆみや痛みから、猫が毛をむしり取ってしまうことで、はげが広範囲にわたるケースもあります。
カビ
猫のお腹にできるはげの中には、カビが原因の場合もあります。このカビは、猫自身にはかゆみが出ないこともありますが、飼い主さんの皮膚に移ってしまうと、とても強いかゆみを伴うことがあります。そのため、飼い主さんがご自身のかゆみから猫ちゃんのカビに気づく、というケースがよくあります。
子猫の時期や新しく家に迎えたばかりの猫、そして母猫から子猫へ感染することもあるので注意が必要です。カビは毛や皮膚の表面で増えるため、お腹以外にも顔の周りに赤い湿疹として現れることもあります。
ストレス
人間と同じように、猫もストレスを感じると、体にさまざまな変化が現れることがあります。お腹のはげもその一つで、かゆみなどの症状がないのに、お腹や背中などあちこちに円形脱毛症のように毛が抜けてしまうことがあります。このタイプのはげは、原因となるストレスを取り除いてあげないと、なかなか改善しない傾向があります。猫が普段と違う行動をしたり、落ち着かない様子を見せたりする時は、ストレスが溜まっている可能性も考えてあげてくださいね。
ホルモンの影響
猫の体内でホルモンのバランスが崩れることでも、お腹のはげが見られることがあります。ホルモンが原因の場合、特徴として、お腹のはげが左右対称に現れることが多いと言われています。左右対称なので、一見すると分かりにくいこともあります。普段から猫ちゃんのお腹を撫でたり、抱っこしたりしてスキンシップを密にとっていると、このような些細な変化にも気づきやすくなります。
猫のお腹がはげたら様子を見ても大丈夫?
結論から言うと、自己判断で様子を見るのはおすすめできません。
猫ちゃんのお腹のはげは、病気のサインである可能性もあります。軽い皮膚の炎症であれば自然に治ることもありますが、アレルギーやカビ、ストレス、さらにはホルモンの異常など、治療が必要な病気が隠れていることもあります。もし、はげを放っておくと、症状が悪化してしまったり、ほかの病気を併発してしまったりするリスクもあります。
猫のお腹がはげてしまうのは病気の可能性も!?
猫のお腹にはげが見つかったら、病気が隠れているかもしれないことについてご紹介しました。では、具体的にどのような病気の可能性が考えられるのかについてご紹介します。
皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症は、カビの一種が原因で起こる皮膚の病気です。免疫力が少し弱っている子猫や、すでにほかの病気やアレルギーを抱えている猫ちゃんがかかりやすいと言われています。全身に円形のはげができることがありますが、顔、お腹、そして足によく見られます。フケを伴うことが多いのですが、細菌感染が起こるまでは、猫ちゃん自身はかゆみや痛みをあまり感じないことも。このカビは私たち人間にもうつることがあるので、猫に症状が見られたら注意が必要です。
アレルギー性皮膚炎
猫が頻繁にお腹や体をなめたり、噛んだりする行動が見られ、そこにはげや赤い発疹、かさぶたなどがある場合は、アレルギー性皮膚炎の可能性も考えられます。アレルギーの原因はさまざまです。例えば、ハウスダストや花粉、カビなどが原因となる吸引性アレルギー、特定の食べ物が原因の食物アレルギー、そしてノミに吸血された際の唾液に含まれる成分が原因で起こる「ノミアレルギー」などが主なものです。猫がかゆそうにしている様子があれば、アレルギーを疑ってみることも大切です。
心因性脱毛症
お腹のはげだけでなく、全身に毛が抜けてしまう症状が見られるのが心因性脱毛症です。この場合、かゆみや皮膚の炎症は特に見られず、毛根からきれいに毛が抜けて円形のはげができます。もし過剰な毛づくろいが原因で心因性脱毛症になっているのであれば、猫が舌で届く範囲に集中してはげが見られることが多いでしょう。お腹などの患部をよく見ると、猫が毛をむしり取っているため、途中で切れた毛が多いことに気づくかもしれません。
舐性皮膚炎
猫ちゃんが強いストレスを感じると、お腹や足など、自分でなめることができる場所を過剰にグルーミングしてしまうことがあります。その結果、はげができるだけでなく、赤い皮膚がただれてしまい、舐性皮膚炎という病名がつくこともあります。猫の舌はざらざらしているので、何度も同じ場所をなめ続けると、皮膚に大きな負担をかけてしまいます。なめることができる範囲ならどこにでも発症する可能性があるので、猫の様子をよく観察してあげてください。
粟粒性皮膚炎
粟粒性皮膚炎は、皮膚の炎症の一つです。まだはっきりとした原因はわかっていませんが、アレルギーや感染症がきっかけではないかと言われています。特に、ノミのアレルギーが原因で発症する確率が高いようです。この名前は、皮膚に粟粒(あわつぶ)のような小さな湿疹ができることからきています。強いかゆみを伴うため、猫がなめてしまったり、かいてしまったりすることで、脱毛や出血、赤みが体中に現れ、お腹がはげる症状も見られます。
好酸球性肉芽腫症候群
好酸球性肉芽腫症候群は、猫の体に肉芽腫(にくげしゅ)と呼ばれる炎症のあるしこりができる病気です。お腹などの皮膚にはげや強いかゆみが出ることもあります。この病気の原因もまだはっきりしていませんが、免疫機能の異常やストレス、ノミのアレルギーなどが関係しているのではないかと言われています。もし猫の体に気になるしこりや皮膚の変化が見られたら、早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。
猫のお腹がはげた時の対処法は?
ここからは、猫のお腹がはげた時の対処法についてご紹介します。
病院で検査を受ける
まず一番大切なのは、動物病院に相談することです。猫のお腹のはげが、何かの病気によるものなのか、それともストレスが原因なのか、原因を突き止めることが治療をしていく上で重要になります。もし病気が見つかった場合は、その病気そのものを治すための飲み薬、塗り薬、注射などの治療が行われます。原因となっている病気が改善すれば、お腹のはげも自然と良くなっていくことが多いでしょう。
シャンプーで殺菌する
もし、お腹のはげの原因がノミや真菌症(カビ)だった場合、シャンプーを使って殺菌していきます。自宅でのシャンプーが心配な場合は、動物病院やトリミングサロンでもできるので、お気軽にご相談くださいね。
皮膚保護服を着せる
猫は、お腹のはげなど気になる部分を、ザラザラとした舌でついついなめてしまう習性があります。なめすぎると、さらに皮膚の炎症を悪化させてしまう可能性があるので、それを防ぐために皮膚保護服を着せたり、エリザベスカラーを装着したりする方法があります。猫の負担を少しでも減らせるように、柔らかい素材でできたエリザベスカラーも販売されています。
猫のお腹がはげてお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、猫のお腹がはげてしまう原因や考えられる病気、対処法などについて詳しくご紹介しました。
アレルギーやカビ(皮膚真菌症)、ストレスによる脱毛、さらにはホルモンの異常といった病気が関係している可能性もあります。
もし、猫のお腹に気になるはげを見つけたら、大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。