犬の胃捻転の原因は?症状や治療方法・自然に治るのか解説!
犬が急にぐったりして苦しそうな状況になったら、胃捻転(いねんてん)という病気が疑われます。
犬の胃捻転は、ほんの数時間で命にかかわることもある危険な病気です。原因や症状を知っておくことが大切です。
この記事では、犬の胃捻転の原因や症状、治療方法などについて詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
犬の胃捻転とは?
犬の胃捻転とは、胃が風船のように膨らみ、そのままねじれてしまう状態のことをいいます。急激に膨張した胃が回転してしまうと、血流が滞り、胃だけでなく周囲の臓器や血管にも大きな負担がかかります。その結果、強い痛みやショック状態に陥ることがあり、すぐに治療を受けないと命にかかわる危険な病気です。
特徴的なのは、元気だったのに、突然ぐったりしてしまうなどといった急変です。吐こうとしても何も出なかったり、お腹が膨れてパンパンになっていたりすることもあります。異変に気づいたら、迷わず動物病院へ連れていきましょう。
犬の胃捻転の原因は?
犬の胃捻転は、「一度に大量のフードを食べる」「食事後に急激に運動する」などが原因と言われていますが、まだハッキリとわかっていないのが現状です。
犬の胃捻転の症状は?
元気だった犬が急に苦しそうな様子を見せる時は、胃捻転を疑う必要があるとご紹介しました。お腹の張りや空嘔吐、呼吸の異常など、特徴的なサインは見逃さないようにしましょう。早めに気づいてあげることがとても大切です。
ガスが溜まってお腹が膨らむ
胃捻転になると、ねじれた胃の中にガスがどんどんたまり、風船のように胃が膨らんでしまいます。その結果、お腹がふくらんで見えることがあります。
お腹の左側が特にパンパンになっているように感じることがあるかもしれませんが、犬の体型や筋肉のつき方、肋骨の位置によっては、見た目にはあまり変化がわからないこともあります。
お腹を触った時に張っていて、嫌がる感じがあったり、苦しそうにしていたりする場合は注意が必要です。いつもとの違いを感じたら、早めに動物病院に相談しましょう。
呼吸が苦しそうになる
胃がねじれて大きくふくらむと、その圧迫によって肺が十分に広がらなくなり、呼吸がしづらくなります。また、胃捻転にともなう痛みやショック状態、血流の障害なども重なって、犬は呼吸が速く浅くなることがあります。
はぁはぁと苦しそうに息をしていたり、落ち着きがなくなったりするのは、大きな異常の現れです。口を大きく開けて呼吸したり、横になれずに立ちすくむような様子を見せることもあるでしょう。呼吸が苦しそうであれば緊急事態です。すぐに病院を受診してください。
空嘔吐を繰り返す
胃捻転の時に特徴的なのが、空嘔吐です。これは、吐きたいようなしぐさを何度も見せるのに、実際には吐瀉物が出てこないという症状です。見た目には喉を動かしながらえづいているのに、何も出ず、苦しそうに繰り返す姿が見られます。
普通の嘔吐であれば、胃液やフードが出てくることもありますが、空嘔吐は胃がねじれて出口が塞がれてしまっているために起こるとされ、特に注意が必要なサインです。こうした異変が見られたら、すぐに受診をしてください。時間が経つほど状態は悪化してしまうため、早めに動くことが大切です。
犬の胃捻転の治療方法は?
胃捻転は、内科的な処置だけでは回復が難しく、手術が必要になります。命を救うためには迅速な対応が欠かせません。ここでは、犬の胃捻転の治療方法について詳しく解説します。
内科治療
犬が胃捻転を起こすと、命にかかわるショック状態に陥ることがあります。そのため、まずは緊急の内科的な処置が必要です。病院では、静脈から点滴を通して水分や電解質を補い、血圧の低下や臓器の機能低下を防ぎます。
また、激しい腹部の痛みによって心拍数が非常に速くなったり、不整脈が出ることもあるため、心臓への負担を和らげる対応も行われます。感染のリスクを考慮して、抗生物質を使用することもあります。
このような内科治療は、手術に耐えられる状態に体を整えるための重要な治療です。犬の命を守るためには、一刻も早い対応が求められます。
外科手術
胃捻転を起こした犬は、基本的に手術が必要です。ねじれてしまった胃は自然には戻らず、内科的処置だけでは回復が難しいからです。
手術では、まず胃のねじれを元に戻し、その後、ダメージを受けた部分がないか確認していきます。
胃の近くにある脾臓も一緒にねじれてしまうことがあり、状態によっては脾臓を部分的、またはすべて摘出するケースもあります。損傷した胃や脾臓の組織を取り除いたあとは、再発防止のために胃固定術という処置で胃を腹壁に縫い付けて、再びねじれてしまわないようにします。
回復には時間がかかりますが、治療を行うことで改善を目指せます。
犬の胃捻転は自然に治る?
犬の胃捻転は、自然に治ることはまずありません。ねじれてしまった胃は、自力で元の位置に戻ることがほとんどなく、そのままにしておくと短時間で命に関わる危険な状態に進行してしまいます。
少し様子を見ようと思っている間にも、体の中では胃が膨れ続け、血流が遮られ、ショック状態に陥ってしまうこともあります。連休や旅行などで生活リズムが変わった時や、夜間に発症しやすいといわれており、かかりつけの病院が休みのときに起こることも少なくありません。
症状がみられたらすぐに救急対応が可能な動物病院に相談してください。
犬の胃捻転でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、犬の胃捻転の原因や症状、治療方法などについて詳しくご紹介しました。
犬の胃捻転は、突然発症し、短時間で命に関わるおそれがある非常に危険な病気です。ストレスや食事のとり方など、普段からの体調管理と環境づくりが大切です。
おかしいと思ったら、迷わず動物病院に相談しましょう。もし現在、犬の胃捻転でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。