猫の歯茎が赤いのはなぜ?原因別の治療方法や健康に保つための方法をご紹介!
猫の歯茎が赤くなっているのを見つけて、心配になったことはありませんか?
口の中をしっかりと見る機会はあまりないかもしれませんが、猫の歯や歯茎は、トラブルが起きやすい部位です。赤く腫れている、触られるのを嫌がる、ご飯を食べにくそうにしているなどの変化が見られたら、何らかの炎症や病気を疑って、口の中をチェックしてみてください。
この記事では、猫の歯茎が赤くなる原因や、それぞれの治療方法、自宅でできる予防方法について詳しくご紹介します。
目次
猫の歯茎が赤い時に考えられる原因は?
猫の歯茎が赤くなる原因は、口内炎や歯肉炎、歯周病などが考えられます。痛みや違和感で食欲が落ちることもあるので、食事の様子をしっかりチェックしてあげましょう。ここでは、主に考えられる代表的な原因についてご紹介します。
①口内炎
猫の歯茎が赤くなっている時にまず疑われるのが、口内炎です。口内炎の原因はまだはっきりと解明されていません。しかし、免疫機能が過剰に反応することで、口の中の細菌に対して炎症が起きると考えられています。
口内炎になると歯茎だけでなく、頬の内側や舌にも痛みを伴うただれができることがあります。食欲はあるみたいなのに食べられない、食べ物を口から落とす、よだれが増える、口を気にして前足で触ろうとするなどの様子が見られたら、早めの受診がおすすめです。痛みで食欲がなくなったり、元気がなくなったりすることもありますので、見た目だけでなく行動の変化にも注意してあげてください。
②歯肉炎
歯茎が赤く腫れている場合、歯肉炎も原因として考えられます。歯肉炎とは、歯と歯茎の間にたまった汚れに細菌が繁殖して歯茎に炎症が起きてしまう症状です。初期段階では目立った痛みはありませんが、進行すると口臭が強くなったり、食べるのを嫌がったりするようになります。そのままにしておくと、次にご紹介する歯周炎に進んでしまうこともあるため、早めに動物病院で検査を受けましょう。予防のためにも、定期的な歯のケアやチェックを習慣にしていきましょう。
③歯周炎・歯槽膿漏
歯肉炎を放置してしまうと、炎症が歯の根元や歯を支える骨にまで広がる歯周炎へと進行することがあります。歯茎は赤く腫れ、強い痛みや出血を伴うことも。ひどくなると、顔の腫れや目の下の皮膚に穴が開いてしまうケースも報告されています。さらに、口の中だけでなく、歯周病の細菌が血流に乗って全身に広がり、心臓や腎臓に影響を及ぼす可能性もあるとされています。食欲がない、元気がない、よだれが多いなどの変化が見られたら、すぐに受診をしてください。歯周炎は一度進行すると治療が長引くこともあるため、早めに動くことがとても大切です。
【原因別】猫の歯茎が赤い場合の治療方法は?
猫の歯茎が赤くなる原因によって、治療の方法も異なります。軽い炎症であればケアで改善することもありますが、進行している場合は抜歯などが必要になることも。ここでは原因ごとにどんな治療が行われるのかについてご紹介します。
①口内炎
猫の口内炎は、口の中にいるさまざまな細菌と、それに対して猫の免疫が過剰に反応してしまうことで起こると考えられています。そのため治療の基本は、口の中の細菌をなるべく取り除き、炎症をしずめることです。
歯石を取り除くスケーリングや、炎症の元となる歯を抜いてしまう外科的な治療が必要になることもあります。特に、奥歯すべて、あるいは全ての歯を抜く全抜歯が推奨されるケースもあります。一時的に抗生物質やステロイドで症状をおさえることもありますが、根本的な解決にはならないため、補助的に用いられます。
全抜歯をしても完全に症状が消えないこともあり、5〜10%程度の猫では効果が薄いとされているのが現状です。高齢や持病などで長時間の手術が難しい場合は、歯石除去や部分的な抜歯を行うなど、猫の体調に合わせた方法が選ばれます。
②歯肉炎
歯肉炎は、比較的初期の段階で見つけられれば、治療によって改善が見込める症状です。原因に応じた治療が大切で、症状が軽い場合は自宅での歯みがきやデンタルケアで様子を見ることもあります。症状が進んでいる場合には、抗生物質を使ったり、麻酔をかけて歯石や歯垢を取り除いたり、炎症のある歯を抜いたりすることもあります。また、猫によっては腎臓病などの全身の病気が背景にあることもあるため、必要に応じて血液検査などで原因を探ることもあります。いずれにしても、早めに治療を始めることが重要です。
③歯周炎・歯槽膿漏
歯肉炎が進行して歯周炎や歯槽膿漏になると、治療には少し時間がかかることがあります。炎症の程度によって治療法は異なりますが、まずは歯に付着した歯石や歯垢を取り除くことから始まります。まずは歯の表面をきれいに研磨して、細菌がつきにくい環境を整える処置が行われます。症状が進んで歯がグラグラしている場合や、歯を支えている骨が壊れてしまっている場合には、その歯を抜いていきます。歯槽膿漏まで進行してしまうと、完治が難しく、対症療法で痛みや炎症を和らげながら生活の質を保つことが目標になることもあります。
猫の歯茎を健康に保つための方法は?
猫の歯茎を健康に保つための方法として、歯磨きとデンタルケアフードがおすすめです。この2つを毎日意識するだけでも健康な歯茎を保つことが可能です。ここからは、自宅でできる方法について、詳しくご紹介します。
毎日の歯磨き
猫の歯茎の健康を守るうえで、毎日の歯磨きはとても大切です。人間と同じように、食べたあとの口の中には汚れが残りやすく、そこに細菌が繁殖すると歯茎が赤くなったり、炎症を起こしてしまうことがあります。最初から歯ブラシで磨くのは難しいことも多いので、まずは口元を触られることに慣らすところからスタートしましょう。ガーゼでやさしく歯を拭くところから始め、少しずつ歯磨きに移行していくのがおすすめです。可能であれば毎日歯磨きしてあげることが理想ですが、毎日でなくても、できるだけこまめに続けることで、将来的な歯のトラブルを防ぐことができます。
デンタルケアができるフードを選ぶ
歯磨きがなかなか難しい場合には、フードを変えてみましょう。デンタルケア効果のあるフードがあるので、ぜひ選択してみてください。専用のドライフードは、噛むことで歯の表面をこすり、歯垢の付着を減らす効果が期待できます。なかには歯石の形成を抑える成分が含まれているものもあり、食事から口腔内をケアすることができます。ただし、すべての猫に合うとは限らないため、体質や持病がある場合は、獣医師と相談しながら選びましょう。
猫の歯茎でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、猫の歯茎が赤くなる原因や治療方法、予防方法などについて詳しくご紹介しました。
猫の歯茎が赤くなるのは、口内炎や歯肉炎、歯周炎といったさまざまなトラブルが隠れている可能性が考えられます。症状があるにも関わらずそのまま放っておくと痛みや食欲低下、さらには全身への影響にもつながることがあるため、早めの対応が大切です。症状や原因に応じた治療を受けることで、症状を早期に和らげることができます。しかし、理想は、これらの症状を発症せずに健康で居続けることです。そのための予防として、歯磨きやフード選びなどをぜひ取り入れてみてください。いつまでも元気にごはんを食べられるよう、口や歯茎のケアをしていきましょう。もし現在、猫の歯茎でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。