猫の好酸球性肉芽腫症候群の原因は?よくある症状や改善方法を解説! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

猫の好酸球性肉芽腫症候群の原因は?よくある症状や改善方法を解説!

猫の皮膚や唇、口の中に、ただれやしこりのようなものが見つかった場合、好酸球性肉芽腫症候群であることが疑われます。

この記事では、猫の好酸球性肉芽腫症候群の原因やよくある症状、改善方法などについて詳しくご紹介します。

猫の好酸球性肉芽腫症候群とは?

猫の好酸球性肉芽腫症候群とは、唇や皮膚、口の中などに赤いただれやしこりのような病変ができる病気です。アレルギー反応や寄生虫、免疫の異常などが関係していると考えられています。

体内で炎症を起こす好酸球という白血球が関与しているとされており、病変部にはこの好酸球がたくさん集まっています。見た目に起こる症状はさまざまですが、いずれも早めの検査と治療が必要です。

猫の好酸球性肉芽腫症候群には、好酸球性潰瘍と好酸球性プラーク、好酸球性肉芽腫症候群の3種類があります。それぞれがどんな症状かについてご紹介します。

好酸球性潰瘍

好酸球性潰瘍は、唇の一部が欠けているように見えるのが特徴です。この潰瘍は無痛性潰瘍と呼ばれることもありますが、見た目ほど痛がる様子を見せないだけで、本当に痛みがないかはわかっていません。猫は気にせず過ごしていることもありますが、進行すると出血したり感染を起こしたりすることもあるため、早めに発見してあげることが大切です。

好酸球性プラーク

好酸球性プラークは、お腹や首のまわりに多くできる皮膚のトラブルです。毛が抜けて赤くなった部分が、平ら〜少し盛り上がったように見え、表面が湿っていることもあります。この病気では強いかゆみを伴うため、猫はその部分を執拗に舐めたり、引っかいたりするようになります。かゆみが続くと、さらに悪化したり感染を起こすこともあります。

好酸球性肉芽腫

好酸球性肉芽腫は、猫の太ももの後ろや舌にあらわれやすい病気で、皮膚の一部が線状に盛り上がって見えるのが特徴です。しこりのように硬く触れることもあり、飼い主がブラッシングや抱っこをした時に気付くことがよくあります。見た目は目立つものの、猫が痛がったりかゆがったりする様子がないこともあり、気づきにくい場合があります。

猫の好酸球性肉芽腫症候群の原因は?

猫の好酸球性肉芽腫症候群は、アレルギーや感染症、免疫などが関係していると考えられています。アレルギーの原因としては、肉や乳製品といった食べ物、ノミ、ハウスダスト、花粉などが挙げられます。ほかにも、虫さされや細菌・ウイルス感染、さらには免疫の働きに異常が生じていることも関係している可能性があります。

しかし、現状としては、どの要因が直接の原因なのか、はっきりとはわかっていません。また、ストレスも発症を引き起こす一因になることがあるとされており、猫の生活環境やストレス度合いも気にする必要があります。

このように、原因ははっきりとしていないとはいえ、さまざまな要素に注目する必要がある病気です。

猫の好酸球性肉芽腫症候群でよくある症状は?

猫の好酸球性肉芽腫症候群では、皮膚や口の中に赤み・ただれ・しこりなどの症状があらわれることがあります。かゆみや痛みをともなうこともあり、猫が舐めたり引っかいたりして悪化させてしまうことも。ここからは、猫の好酸球性肉芽腫症候群でよくある症状について、皮膚に関する症状と口腔に関する症状に分けて解説します。

皮膚に関する症状

皮膚に現れる好酸球性肉芽腫症候群の症状には、赤く腫れたしこりやただれがみられることがあります。これらは「肉芽腫性皮膚病変」と呼ばれ、背中・首・耳のまわりなどにできやすい傾向があります。盛り上がった部分がかゆかったり痛みをともなうことがあり、猫がしきりに舐めたり引っかいたりすることで、さらに悪化してしまうこともあります。

また、皮膚が潰瘍状になり、じゅくじゅくと液体がにじむような状態になることも。気付かずに放っておくと、感染を起こす可能性があるため、少しでも皮膚の異変に気付いたら早めに獣医師に相談しましょう。

口腔に関する症状

口の中に症状が現れる場合は、口内炎や歯肉炎として現れることがあります。口内炎は、粘膜が赤く腫れたり、ただれたりして、食べにくそうにする・よだれが増える・食欲が落ちるといったことが症状として現れます。

歯ぐきが赤くなり、出血をともなう「歯肉炎」が起きることもあり、こちらも痛みがあると考えられています。猫は痛みを我慢してしまうことが多いため、急にカリカリを食べなくなったり、口を気にする様子が見られたりした場合は注意が必要です。食事中の様子がいつもと変わりないかをチェックしてあげてください。

猫の好酸球性肉芽腫症候群の治療方法は?

猫の好酸球性肉芽腫症候群の治療では、ステロイドや免疫抑制剤などの薬が使われることが多く、アレルギーが疑われる場合は食事療法も取り入れられます。症状が重い場合には、外科的な処置が検討されることもあります。猫の体調や症状に合わせて、治療を進めていくことが大切です。ここでは、猫の好酸球性肉芽腫症候群の治療方法として、薬物療法や食事管理、外科的処置の3つについてご紹介します。

薬物療法

猫の好酸球性肉芽腫症候群を改善するためには、まず炎症や免疫の異常を抑えるための薬が使われることが一般的です。もっともよく使われるのがステロイド剤で、プレドニゾロンなどが代表的です。これにより、腫れや赤みなどの症状を和らげる効果が期待できます。

ただし、薬によって副作用が出ることもあるため、薬物療法の後は経過観察を行う必要があります。また、ステロイドだけで十分な効果が得られない場合には、免疫抑制剤と呼ばれる薬を使うこともあります。例えば、シクロスポリンという薬は、免疫の働きを調整して炎症を抑える効果が期待できます。

食事管理

食事が原因となるアレルギーが疑われる場合には、食事内容を見直す食事管理をしていくことがとても大切です。まず、アレルゲンとなる可能性がある食材を避けるために、特別なアレルギー対応のフードに切り替えることが一般的です。これを除去食といい、数ヶ月かけて様子を見ながら、症状が改善するかを観察します。

市販の一般的なキャットフードの中には、アレルギーを引き起こしやすい成分が含まれていることもあるため、フード選びは猫に合わせて行う必要があります。アレルギーの有無を正確に判断するためにも、自己判断ではなく獣医師の指導のもとで進めていきましょう。食事管理は時間がかかりますが、副作用のリスクが少ない方法でもあります。薬物療法による方法が合わない場合は、食事管理が選ばれることもあります。

外科的処置

薬や食事療法でも改善が見られない場合や、病気が広がって生活に支障が出るような場合では、外科的な処置が検討されることもあります。例えば、腫れや潰瘍がひどくなって出血や痛みが続くような場合、外科手術で病気を取り除くことで症状の軽減を目指します。ただし、外科的な処置は猫の体に負担がかかるため、ほかの治療法で効果が見られない場合に限って選択されるのが一般的です。手術後も再発してしまう可能性があるため、経過観察と予防的なケアが大切です。

猫の好酸球性肉芽腫症候群でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、猫の好酸球性肉芽腫症候群の原因やよくある症状、改善方法などについて詳しくご紹介しました。

猫の好酸球性肉芽腫は、炎症性の病気です。原因はアレルギーや感染、免疫の異常などが関係していると考えられていますが、はっきりと特定されていません。

治療には、ステロイドや免疫抑制剤による薬物療法をはじめ、アレルギー対策としての食事管理や、必要に応じた外科的処置が行われることをご紹介しました。猫の症状や体質に合わせたケアを行っていきましょう。もし現在、猫の好酸球性肉芽腫症候群でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。