犬の胆嚢炎の原因は?検査方法や治療方法・予防のための食事について解説!
犬の胆嚢炎は、細菌感染や胆嚢内の異常によって発症するといわれています。予防方法としては、食事の改善や適度な運動がおすすめです。この記事では、犬の胆嚢炎の原因や検査方法、治療方法、予防方法などについて詳しくご紹介します。
目次
犬の胆嚢炎とは?
犬の胆嚢炎とは、胆嚢という臓器に炎症が起きた状態をいいます。胆嚢は肝臓のそばにある小さな袋のような器官で、食べ物の消化を助ける「胆汁」をためておく大切な場所です。何らかの原因で胆汁がスムーズに流れなくなると、胆嚢の中で胆汁がとどまってしまい、炎症や細菌感染が起きてしまうことがあります。
炎症が続くと胆汁がドロドロになったり、結晶化して胆泥(たんでい)や胆石(たんせき)ができてしまうことも。これらがさらに炎症を悪化させる原因となるため、早期発見とケアが大切です。
犬の胆嚢炎の原因は?
犬の胆嚢炎の原因にはいくつかあり、主に細菌感染や胆嚢内の異常が関係しています。とくに急性の場合、腸から細菌が胆嚢に入り込んで炎症を引き起こすことがあります。クッシング症候群などのホルモンの病気や、ステロイド薬の影響で感染が悪化しやすくなることも。また、胆嚢の中に泥のような胆汁がたまる「胆泥症」や、小さな石ができる「胆石症」も、胆汁の流れを妨げ、炎症の引き金になります。一方、慢性的な胆嚢炎では、まだはっきりと原因が解明されていない部分もありますが、脂質代謝の乱れが関係しているのではないかといわれています。いずれも、体のバランスの崩れが関係しているため、日ごろの健康管理がとても大切です。
犬の胆嚢炎の検査方法は?
犬の胆嚢炎を調べるときは、主に血液検査と超音波(エコー)検査が行われます。血液検査では、肝臓や胆嚢に関連する数値をチェックし、炎症の有無を確認します。特に肝酵素と呼ばれる数値が高くなっている場合は、胆嚢に何らかのトラブルが起きている可能性があります。
エコー検査では、胆嚢の形や内部の状態をリアルタイムで見ることができ、胆嚢の壁が厚くなっていないか、胆泥や胆石がたまっていないかについて調べます。これらの検査によって、胆嚢炎かどうかを判断して治療方法を計画していきます。
犬の胆嚢炎は治る病気なのか
犬の胆嚢炎は、早期に発見して治療を行えば回復が期待できる病気です。抗生物質や消炎剤などのお薬で炎症を抑え、胆汁の流れをよくする治療を行います。状態によっては、食事の内容を見直したり、胆汁の働きを助けるサプリメントを使ったりすることもあります。ただし、胆泥や胆石が多く見られる場合や、胆嚢が破裂しそうな状態では、手術が必要になることもあります。症状が軽いうちに見つかれば、比較的スムーズに回復できる可能性が高くなります。大切なのは、日ごろから小さな変化に気づいてあげることです。「なんだか最近元気がないな……」と思ったときは、迷わず動物病院に相談しましょう。
犬の胆嚢炎の治療方法は?
犬の胆嚢炎の治療は、症状の重さや原因によって内科的な方法か外科的な方法のどちらか、もしくは両方を使って行っていきます。早期に発見できた場合や症状が軽い場合には、まずはお薬による内科治療で様子を見ることが一般的です。一方で、炎症が進んでいたり、胆嚢自体に大きな異常が見られる場合には、手術が必要になることもあります。治療の選択は、血液検査やエコー検査などで状態をしっかり把握した上で、獣医師と相談しながら決めていくことになります。負担をなるべく少なく、そして元気を取り戻せるように、ひとつひとつ丁寧に治療が進められます。
内科治療
内科治療では、胆嚢にたまった胆汁がきちんと流れるようにサポートする「利胆剤」や、炎症の原因となる細菌をおさえる「抗生物質」などが使われます。早期に見つかった場合や、症状が軽い場合には内科治療だけで回復するケースもありますが、細菌感染による胆嚢炎では、一時的に症状が落ち着いても再発することがあります。そのため、内科治療で様子を見つつ、必要に応じて外科的な対応も検討していくことが大切です。内科治療のあとは、日常の様子をしっかり見守っていくことで、再発防止にもつながります。
外科治療
外科治療は、胆嚢の中に胆泥や胆石がたくさんたまっていたり、胆嚢の壁が分厚くなっていたりする場合、または破裂のおそれがあるときなどに選ばれる治療法です。さらに、内科的な治療では改善が難しいほどの黄疸や腹水がある場合にも、手術が必要になることがあります。ほとんどの場合は「胆嚢摘出術」といって、胆嚢を取り除く手術が行われます。手術というと不安もあるかもしれませんが、痛みの軽減や回復のために必要になることもあります。術後のケアも大切なので、獣医師としっかり相談しながら、最善の方法を一緒に考えていきましょう。
犬の胆嚢炎を予防する方法はある?
胆嚢炎は、発症してから治療するよりも、日ごろの生活習慣の中で予防を心がけることがとても大切です。食事の内容や運動の量は、特に胆嚢の健康に大きく関わっています。高カロリーな食事や脂っこいおやつは、胆汁の流れを悪くする原因になることがありますし、運動不足も代謝を落とし、胆泥がたまりやすくなってしまいます。また、甲状腺や副腎の病気などが隠れている場合もあるため、年に一度の健康診断で内臓のチェックをしておくことも大切です。いつも通りの生活を守るために、これまでの生活の見直しが、大きな病気の予防につながります。
高カロリーや高脂質の食べ物を控える
高カロリーや脂肪分の多い食べ物を続けていると、体に余分な脂肪がたまりやすくなり、胆汁の流れも悪くなってしまいます。その結果、胆泥がたまったり、胆嚢に炎症が起きやすくなってしまうことも。おやつのあげすぎや、人の食べ物をつい分けてしまうことがあるかもしれませんが、なるべく脂っこいものは控えて、栄養バランスのとれたフードを意識してあげましょう。体重が増えてきたかな?と思ったら、食生活を見直すチャンスです。健康的なごはんが、犬の胆嚢を守ってくれます。
適度に運動する
運動は、体の中の巡りを良くして胆汁の流れをスムーズに保つのに役立ちます。室内で過ごすことが多い子や、年齢を重ねた子は、どうしても運動量が少なくなりがちですが、短時間でも毎日お散歩に出かけることで、代謝が上がり、胆泥のたまりにくい体づくりにつながります。また、ストレス発散にもなるので、心の健康にもいい影響があります。急にたくさん運動させるのではなく、無理のない範囲で楽しめる運動を日常に取り入れてあげましょう。「今日は少し多めに歩いてみようかな」という小さな心がけが、大きな予防になります。
犬の胆嚢炎でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、犬の胆嚢炎の原因や検査方法、治療方法、予防方法などについて詳しくご紹介しました。犬の胆嚢炎の原因として、細菌やホルモンが関係しています。検査方法は血液検査や超音波検査によって胆嚢炎か判断していきます。症状によって内科治療か外科治療か、あるいは両方の治療方法を活用して改善を目指します。予防方法としては高カロリーや高脂質の食事を避けたり適度に運動したりすることがおすすめです。しかし、徹底していても避けられない場合もあります。もし現在、犬の胆嚢炎でお悩みの方は、大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。一緒に治療方法を考え、ワンちゃんの健康を守りましょう。