犬の痙攣の原因は?対処法・震えとの違い・老犬の余命について解説! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

犬の痙攣の原因は?対処法・震えとの違い・老犬の余命について解説!

犬が痙攣をすると、びっくりしてしまうでしょう。痙攣する原因は軽度のものから重度のものまでさまざまです。どんな原因だとしても、すぐに対処する必要があります。また、痙攣と震えの違いも知っておくと、万が一の時に役立つでしょう。この記事では、犬が痙攣を起こす原因や対処法などについて詳しく解説します。

犬の痙攣の原因は?

愛犬が突然痙攣を起こすと、驚きと不安でどうしたらいいのか分からなくなってしまう方も多いでしょう。痙攣の原因はさまざまで、てんかんや中毒、腎臓・肝臓の病気、脳の異常、感染症などが関係していることもあります。ここでは、犬の痙攣の主な原因について、分かりやすく解説していきます。

てんかん

犬のてんかんには、大きく分けて「症候性てんかん」と「特発性てんかん」の2種類があります。症候性てんかんは脳に異常が見られるもので、特発性てんかんは原因がはっきりしないものです。

発作が起こると、意識を失って全身がけいれんすることがあり、よだれが多く出たり、失禁したりすることもあります。中には、体のどこかがピクピク動く、口をくちゃくちゃさせる、一点をじっと見つめるなどの軽い症状が見られることも。発作の頻度は犬によって異なりますが、数分以内に治まることがほとんどです。発作が続く場合は、すぐに動物病院に相談しましょう。

中毒

犬にとって危険なものは、意外と多くあります。例えば、以下のものは摂取すると痙攣を引き起こす可能性があります。

  • チョコレート
  • キシリトール
  • 殺虫剤や除草剤
  • 保冷剤に含まれるエチレングリコール

犬は好奇心が旺盛なので、思わぬものを口にしてしまうことも。万が一誤って食べてしまった場合は、すぐに動物病院に相談しましょう。中毒は早めの対応がとても重要です。普段から上記のものは犬の手の届かない場所に保管して誤飲を防ぐ工夫をしましょう。

腎不全・肝不全

腎臓や肝臓は、体の中にたまった毒素を処理する役割があります。しかし、腎不全や肝不全になると、その機能が低下してしまい、毒素を十分に排出できなくなってしまいます。その結果、体に毒素が蓄積し、震えや痙攣といった神経症状に。慢性の腎不全や肝不全は、少しずつ症状が進行するため、初期の段階では気づきにくいことがあります。

脳腫瘍・脳炎

高齢の犬に痙攣が繰り返し起こる場合、脳腫瘍の可能性があります。

腫瘍ができる場所によって、症状は異なりますが、以下の変化がみられます。

  • 視力が落ちる
  • 歩き方がおかしくなる
  • 性格が変わる
  • 意識がぼんやりするなど

また、脳に炎症が起こる脳炎が原因で痙攣を引き起こすこともあります。脳炎は短時間の間に何度も発作を起こし、呼吸が苦しくなることも。これらの症状が見られた場合は、すぐに動物病院で診察を受けましょう。

感染症

犬の痙攣の原因として、感染症も考えられます。中でも、犬ジステンパーウイルス感染症は、重症化すると神経に影響を与え、痙攣を引き起こすことがあります。初期症状として、食欲がなくなる、発熱、嘔吐や下痢、くしゃみや鼻水、咳などがみられ、病気が進行すると脳にウイルスが侵入し、神経症状を引き起こすこともあります。犬ジステンパーウイルスは混合ワクチンで予防できます。ワクチン接種を定期的に行い、感染症から犬の健康を守りましょう。

犬が痙攣を起こした時の対処法は?

愛犬が痙攣を起こしても、慌てずに落ち着いて行動することが大切です。まずは安全を確保して無理に動かさずに見守ることが基本となります。高いところで痙攣を起こした場合は、落下しても大丈夫なように下にクッションなどを敷いてください。また、動物病院で詳しい様子が伝えられるようにスマートフォンで動画を撮っておくのも良いでしょう。ここでは、犬が痙攣を起こした時の具体的な対処法についてご紹介します。

周りにあるものを片付ける

犬が痙攣を起こしたら、まずは周囲の安全を確保しましょう。テーブルの角や固い家具などにぶつかると、思わぬケガにつながることがあります。まわりにある危険なものを遠ざけて、犬の周りをクッションやタオルなどで囲んであげると安心です。

また、驚いて大声で呼びかけたり、揺さぶったりしてしまうと脳に余計な刺激を与えてしまう可能性があるので、落ち着いて見守りましょう。

クッションなどを敷く

痙攣を起こしている間は、犬の体のコントロールができなくなります。もし高い場所にいる場合は、落下してしまわないよう、すぐにクッションやタオルを敷いて衝撃を和らげる準備をしましょう。

発作中の犬を無理に抱き上げるのは危険です。動きを制限してしまうと、さらにパニックを引き起こすことがあるため、見守りながら、安全を確保してあげましょう。

意識があるかをチェックする

痙攣が落ち着いたら、まずは愛犬の意識が戻っているか確認しましょう。名前を呼んで反応するか、目が合うかをチェックします。ぼんやりしていたり、すぐに立ち上がれない場合でも、無理に動かさず、しばらく様子を見守ることが大切です。意識が戻らない、または何度も発作を繰り返す場合は、すぐに動物病院へ連絡しましょう。

動物病院を受診する

初めての発作や、何度も痙攣を繰り返す場合は、動物病院を受診しましょう。発作が起こった時間や様子を伝えると原因を解明しやすいので、できる範囲でスマートフォンなどで動画を撮影しておくのがおすすめです。

また、発作が落ち着いた後も注意が必要です。「すぐにおさまったから大丈夫」と思っても、病気のサインである場合や、今後さらに重い発作が起こる可能性もあります。痙攣を一度でも経験したら、犬の健康を守るために、しっかり診てもらいましょう。

犬の痙攣と震えの違いは?

犬の震えと痙攣には見分けるポイントがあります。

震えの場合、意識がはっきりしていて、自分で歩いたり座ったりすることができます。寒さや緊張、興奮などが原因で起こることが多く、飼い主さんの声に反応できることが特徴です。

一方、痙攣は筋肉がこわばり、自分で体を動かせなくなるのが大きな違いです。意識がもうろうとしていたり、周囲の声や刺激に反応しないことも。痙攣は一時的におさまることもありますが、何らかの病気が隠れている可能性もあるため、すぐに落ち着いたとしても早めに動物病院で診てもらうことが大切です。

老犬が痙攣を起こしたら余命は短いのか

老犬が痙攣を起こすと、「もう長くないのでは…」と不安になるかもしれません。

しかし、痙攣の原因や症状の程度、体の状態によって余命は変わってきます。軽い発作が一度だけであれば、すぐに落ち着くこともありますし、治療を受ければいつもの生活を続けられる場合もあります。逆に、重い病気が隠れていることもあるため、そこは注意が必要です。老犬になると余命が気になることがありますが、少しでも健康な状態で過ごせるように見守ってあげましょう。

犬の痙攣でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、犬が痙攣を起こす原因や対処法などについて詳しくご紹介しました。痙攣している犬を見ると不安な気持ちでいっぱいになるかもしれませんが、落ち着いて対処してあげることが大切です。痙攣の影響でどこかに体をぶつけてケガをしないように、周囲のものをどかしてあげてください。見守ってあげて、様子が落ち着いてきたら動物病院に相談しましょう。もし現在、犬の痙攣でお悩みの方は、ぜひ大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。大切なワンちゃんの健康を一緒に守っていきましょう!