猫の抗生物質の副作用は?ご飯を食べなくなった時の対処法も解説!
猫の病気の治療の一環で抗生物質が処方されることがあります。実際に処方されるものはどんなもので、どのような副作用があるのか気になりますよね。この記事では、猫の抗生物質の種類や副作用などについて詳しくご紹介します。
目次
猫の抗生物質はどんな時に使われる?
猫に抗生物質が使われるのは、細菌感染が確認された場合です。例えば、細菌性の下痢や皮膚炎、膀胱炎などがこれにあたります。また、手術時に感染を防ぐために抗生物質が使われることもあります。
猫に使われる抗生物質は?
猫が細菌に感染した際に使われる抗生物質には、さまざまな種類があります。猫は体が小さく、人間よりも薬に対して敏感なため、正しい量の薬を使うことが大切です。感染症の種類や重症度に応じて、獣医師が最適な薬を選びます。皮膚感染症や呼吸器感染症、膀胱炎など、猫がかかりやすい病気にはそれぞれ異なる抗生物質が処方されます。また、猫は薬の味や匂いに敏感なことが多く、錠剤よりも液体や注射で投与されることも珍しくありません。
ここでは、代表的な抗生物質の種類と、その効果や副作用について詳しく解説します。
ペニシリン系アモキシシリン
アモキシシリンは、ペニシリン系の抗生物質で、細菌の細胞壁を作る働きを邪魔して細菌を退治します。細菌が細胞壁を作れなくなると、増殖できなくなり最終的には死滅します。特に皮膚の感染症や、呼吸器のトラブルの治療に使われる抗生物質です。猫が傷を負ったり、外から細菌が入ってしまったときに処方されることが一般的です。アモキシシリンは比較的安全性が高く、子猫や高齢の猫にも使えることが多いとされています。細菌の種類によっては、他の抗生物質と一緒に使われることも。
副作用
アモキシシリンは安全性の高い薬ですが、まれに副作用が出ることがあります。ショック症状や発熱、皮膚に赤い発疹が出ることも。さらに、蕁麻疹(じんましん)といったアレルギー反応が見られる場合もあります。消化器系では、一時的に嘔吐や下痢、食欲不振を引き起こすことがあります。これらの症状が軽い場合は様子を見てもよいですが、症状が続く場合や悪化する場合はすぐに獣医師に相談しましょう。猫が薬を飲んだ後に元気がなくなったり、ぐったりしている場合も要注意。薬を飲ませた後は、しばらく様子を観察してくださいね。
アミノグリコシド系
アミノグリコシド系の抗生物質は、細菌のタンパク質を作る仕組みを邪魔して、細菌が増えるのを防ぎます。特に重い感染症や泌尿器の病気に対して使われます。レプトスピラ症やブルセラ症など、幅広い細菌に効果が期待できる抗生物質です。アミノグリコシド系は、特定の細菌には非常に効果的ですが、ほかの薬に比べて副作用が出やすいことが特徴です。急性の感染症では即効性が求められるため、アミノグリコシド系の薬が選ばれることがあります。
副作用
アミノグリコシド系の薬は、使い方を誤ると腎臓や耳に影響が出ることがあります。特に高用量での使用や長期的な投与では、聴力が低下したり、腎臓の働きが悪くなることがあります。猫が薬を使った後に耳を気にする仕草を見せたり、音に対して鈍感になった場合は、副作用の可能性があるかもしれません。腎臓への影響は尿の量や頻度にも現れることがあるため、トイレの回数が急に減ったり、多尿になる場合は注意が必要です。獣医師の指示に従って、定期的に猫の状態を確認しながら使うことが大切です。
テトラサイクリン系
テトラサイクリン系の抗生物質は、細菌の増殖を抑える働きがあり、主に呼吸器感染症や泌尿器感染症などの治療に使われます。この薬はさまざまな種類の細菌に効果があるため、感染症の際に活躍します。特に、慢性的な感染症や他の薬が効きにくい場合に処方されることが一般的です。
副作用
テトラサイクリン系の抗生物質では、猫によっては嘔吐や下痢を起こすことがあります。特に若い猫では、骨や歯の成長に影響を与える可能性があるため、使用に注意が必要です。また、高用量を長期間投与すると、腎臓や肝臓に負担がかかって障害を引き起こしてしまうことも。さらに、猫に錠剤を与える際、喉に薬が残ってしまうと食道に炎症を起こし、狭くなってしまうことがあるので、水と一緒に飲ませるようにしましょう。副作用が見られた場合は、すぐに薬の使用を中止し、獣医師に相談しましょう。副作用が出る確率は低いですが、事前に知っておくことで安心して治療を進めることができます。
マクロライド系
マクロライド系の抗生物質は、細菌がタンパク質を作るのを妨げることで、感染を抑える薬です。主に呼吸器感染症や皮膚感染症、外耳炎の治療に使われます。また、手術後の感染症を予防するために処方されることもあります。効果は比較的穏やかに出てくるので、猫の体に優しいと言われています。ただし、すべての細菌に効果があるわけではないので、獣医師が細菌の種類を特定してから処方します。外耳炎の治療では、耳に直接塗布するタイプの薬として処方されることもあり、使いやすいのが特徴です。
副作用
マクロライド系の薬は副作用が少ないとされていますが、猫によっては嘔吐や下痢、軟便などの消化器系の症状が出ることがあります。症状が軽い場合は自然に治まることが多いですが、長引くようであれば獣医師に相談しましょう。まれに、薬が体に合わない場合もあるので、様子をよく観察してくださいね。消化器系以外の副作用はほとんどありませんが、長期にわたる投与では体重の変化や食欲不振が見られることもあります。副作用が軽微であることから、特にシニア猫や持病のある猫にも安全に使われることが多いとされています。
ニューキノロン系
ニューキノロン系の抗生物質は、細菌のDNAに働きかけて殺菌する効果があります。この薬は強力で、特に尿路感染症や皮膚感染症の治療に使われます。ただし、強力な薬であるため、慎重に使用する必要がある抗生物質です。獣医師が適切な量を見極めながら処方するので、自己判断で与えるのは避けましょう。広範囲の細菌に効果があることから、ほかの抗生物質で効果が得られなかった場合に使用されることが多くあります。
副作用
ニューキノロン系の抗生物質は効果が強い分、副作用が現れることもあります。高い濃度で使うと、腎臓の弱い猫では中枢神経に影響が出る可能性も。また、高用量で投与した場合には、吐き気や嘔吐、下痢などの症状が出ることがあります。猫が元気がなくなったり、体調が悪そうに見えたりしたら、すぐに獣医師に相談してください。抗生物質は正しく使えばとても効果的ですが、副作用を理解しながら安全に使うことが大切です。特に腎臓が弱い猫や高齢の猫には注意が必要です。薬を与えた後に普段と違う様子が見られたらすぐに獣医師に相談するようにしましょう。
猫に抗生物質の副作用が出た時の対処法は?
猫に抗生物質を与えた後、副作用が現れた場合は、薬の使用を中止します。副作用がある状態でさらに薬を続けてしまうと、症状が悪化したり、新たな問題が起こることがあるからです。薬を中止した後は、獣医師と一緒に今後の対応を決めていきます。獣医師は副作用の程度や猫の体調を見ながら、代わりの薬を提案することがあります。
猫が抗生物質を飲んでからご飯を食べなくなったらどうする?
猫が抗生物質を飲んだ後にご飯を食べなくなった場合は注意が必要です。猫は絶食が続くと肝臓に負担がかかり、3日以上食べないと命に関わることもあります。黄疸のように白目や皮膚が黄色くなる症状が見られたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。食欲がない場合は、無理に薬を続けず、一度休薬して獣医師に相談してください。1日以上食べない状態が続く場合は、早めに受診して猫の体調を確認してもらいましょう。
猫の抗生物質でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、猫の抗生物質についてご紹介しました。抗生物質には副作用が現れることがあるため、獣医師と相談しながら進めましょう。
もし現在、猫の抗生物質についてお困りの方は、ぜひ大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。猫の様子を観察しながら、お悩みを解決していきましょう。