犬の腹水による寿命への影響は?原因・治療方法などを解説! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

犬の腹水による寿命への影響は?原因・治療方法などを解説!

ワンちゃんのお腹が膨らんできている気がする…というのは、実は腹水かもしれません。腹水が溜まると食欲がなくなったり呼吸が荒くなったりするので、早めの対処が必要です。この記事では、犬の腹水の原因や症状、治療方法などについて詳しくご紹介します。

犬の腹水とは?

腹水とは、お腹の中に通常より多くの水分が溜まってしまう状態のことです。この水分は、お腹の臓器の間にある「腹腔」にたまります。健康な犬でもわずかな量の腹水はありますが、病気や体の異常によって過剰に溜まることも。腹水が増えると、お腹が膨らんでくるのが目に見えてわかることが多く、進行すると呼吸が苦しくなったり、食欲がなくなったりすることもあります。腹水は単なる体調不良ではなく、内臓の病気や腫瘍などが原因の可能性もあるため、気になる症状があれば早めに動物病院で診察を受けることが大切です。

犬が腹水が溜まる原因は?

犬の腹水は、体の異常を知らせるサインのひとつです。肝臓や腫瘍、心臓の病気などが原因で、お腹に水が溜まることがあります。初期のうちは気づきにくいこともありますが、放っておくと重症化してしまうことも。犬の体調の変化に早く気づいてあげることが大切です。腹水が疑われる場合は、原因をしっかり調べてもらい、早めに治療を受けるようにしましょう。

アルブミンの低下

アルブミンは、肝臓で作られるタンパク質の一種で、血液中の水分を保つ役割をしています。このアルブミンが不足すると、血管の中の水分を保てなくなり、水分が血管の外に漏れ出してしまうことがあります。その結果、お腹に水が溜まり「腹水」となるのです。特に肝臓の病気によってアルブミンが十分に作られない場合、低アルブミン血症という状態になり、腹水が生じることがあります。肝臓の働きが弱まると、食欲不振や体重減少などの症状が見られることもあるため、気になる変化があれば早めに獣医師に相談するようにしましょう。

腫瘍による圧迫

腫瘍が腹部で大きくなると、周囲の血管やリンパ管を圧迫して血液やリンパの流れを妨げることがあります。この結果、余分な水分がうまく排出されずに腹部に溜まることがあります。また、腫瘍が破裂して腹腔内で出血が起こることも腹水の原因です。腫瘍による腹水は進行が早いことが多いため、犬のお腹が急に膨らんできたり、元気がなくなったりする場合はすぐに病院で診察を受けましょう。

消化管穿孔による細菌感染

消化管に穴が開いてしまう「消化管穿孔」が起こると、消化管の内容物が漏れ出し、お腹の中で細菌感染を引き起こします。この状態は「腹膜炎」と呼ばれ、強い炎症が起こり腹水が溜まります。犬が急に強い腹痛を示したり、ぐったりする場合には、消化管穿孔の可能性も考えられます。重篤な状態になることがあるため、早急に獣医師の診察を受けましょう。

心肺機能の低下

心臓の機能が低下すると、全身に血液を送り出す力が弱まり、血液がうっ滞してしまいます。特に老犬は、心臓の働きが衰えることが原因で血管内の圧力が高まり、血管の外に水分が漏れ出して腹水が溜まることがあります。この状態は、動きが鈍くなる、疲れやすい、呼吸が苦しそうといった症状として現れることが多くあります。定期的に健康診断を受けて心臓の状態を確認するようにしましょう。

犬の腹水による症状は?

腹水が溜まると、犬の体にはさまざまなサインが現れます。お腹が膨らんできたり、食欲がなくなったりすることがあります。場合によっては呼吸が苦しそうになることも。これらの症状は、病気が進行しているサインかもしれません。症状が軽いうちに対処することで、元気を取り戻す可能性が高まります。ここでは、腹水による症状について詳しくご紹介します。

お腹が膨らむ

犬に腹水が溜まると、お腹が目に見えて膨らんでくることがあります。特に細身の犬では、お腹の膨らみがはっきりとわかることが多いでしょう。飼い主が触れると、お腹が張っているように感じることもあります。膨らみが急に大きくなる場合は、腫瘍や心臓の問題などが関係している可能性もあるため、犬が横になるのを嫌がる、動きが鈍くなるなどの変化が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。

食欲がなくなる・吐いてしまう

腹水が溜まると、お腹が圧迫されるため、犬が食事をしたがらなくなることがあります。食欲があっても、食べた後すぐに吐いてしまうことも珍しくありません。腹水によって胃や腸が圧迫され、消化がうまくいかないことが原因です。こうした症状が続くと、体力が低下し、さらに体調が悪化するおそれがあります。普段よりも食べる量が減ったり、吐くことが増えたりした場合は、無理に食べさせずに動物病院で診てもらうことがおすすめです。

呼吸が荒くなる

腹水が多くなると、肺や横隔膜が圧迫されて呼吸がしづらくなります。そのため、犬がハアハアと苦しそうに呼吸をすることがあります。特に寝ているときや動いた後に呼吸が荒くなる場合は、腹水が原因である可能性が高いでしょう。呼吸困難が進むと、犬が落ち着かずに横になれないこともあります。呼吸の様子に変化を感じたら、すぐ獣医師に診てもらうことが大切です。

犬の腹水による寿命への影響は?

腹水そのものが直接寿命を縮めるわけではありませんが、腹水が溜まる背景には深刻な病気が隠れていることがあります。特に胆道がんや胆管がんなどは、進行が早く、寿命に大きく影響します。早期に発見して治療を開始することで、少しでも長く穏やかに過ごせる可能性があります。そのため、異変に気づいたらできるだけ早く獣医師に相談してケアを受けるようにしましょう。

犬の腹水の治療方法は?

腹水の治療は、原因や症状の程度によって異なります。お腹の水を抜く処置や、マッサージ、食事の見直しなどが行われます。ただし、一時的に症状が改善しても、根本的な原因を解消しなければ再び腹水が溜まることがあります。ここからは、腹水の治療方法について詳しくご紹介します。

お腹の水を抜く

腹水が多く溜まった場合、動物病院では直接お腹に針を刺して水を抜く処置を行います。この方法は即効性があり、犬の苦しさを和らげる効果が期待できます。ただし、処置中に犬が暴れることがあるため、必要に応じて麻酔を使うこともあります。水を抜きすぎると、血流が急激に変化してショック状態に陥るリスクがあるため、獣医師が慎重に判断して行います。

マッサージを行う

犬の腹水が心臓病などで引き起こされている場合、マッサージで血流を促進することが有効です。足やお腹周りを優しくマッサージすることで、むくみや腹水が軽減することがあります。ただし、強く押しすぎると逆効果になるため、犬が気持ちよさそうにしている程度の力加減が大切です。リラックスした状態で行うことで、犬のストレス軽減にもつながるでしょう。

食事改善をする

腹水が腸の疾患によって引き起こされている場合、食事内容の見直しが必要です。脂肪分を抑えた低脂肪食やアレルギーに配慮したフードに変更することで、腸の負担を軽減し、腹水が改善することがあります。犬の体質や症状に合った食事を選ぶためには、獣医師と相談しながらフードを決めていきましょう。食事改善は時間がかかることもありますが、根本的な治療につながるため、継続して行うことが大切です。

犬の腹水でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、犬の腹水の原因や症状、治療方法などについて詳しくご紹介しました。お腹が膨らんだり食欲がなくなる、呼吸が苦しくなるなどの症状が出るため、心配な気持ちになるかもしれませんが、気付いたらすぐに獣医師に相談するようにしてください。もし現在、ワンちゃんの異変を感じている方は、ぜひ大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。大きな病気につながらないように早めにケアを行いましょう。