猫が脱臼した時の歩き方は?改善方法・脱臼しないためにできることをご紹介! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

猫が脱臼した時の歩き方は?改善方法・脱臼しないためにできることをご紹介!

猫が高いところから落ちたり関節に異変をきたしたりすると、脱臼を起こす可能性があります。脱臼になると歩き方に変化があり、歩きにくそうにするのが特徴です。この記事では、猫が脱臼する原因や歩き方、検査方法などについてご紹介します。

猫が脱臼する原因は?

脱臼とは、骨と関節が本来の位置から外れてしまう状態です。脱臼の原因はさまざまで、日常生活の中でも起こることがあります。活発に動く猫や高いところが好きな猫は注意が必要です。ここでは、具体的な原因を3つご紹介します。

高いところからの落下

猫は高いところに登るのが得意で、窓枠やキャットタワーの上で過ごすのが好きですよね。しかし、着地に失敗してしまうと、脱臼や骨折につながることがあります。特に、床が硬い場所に落ちた場合や、何かにぶつかりながら落下した場合は危険です。また、若い猫は勢いよくジャンプすることが多く、予想外の事故につながることも。落下を防ぐためには、猫が安全に降りられるような工夫や、登れる場所を見直すことが大切です。

肩甲骨関節窩の形成不全

肩甲骨関節窩(けんこうこつかんせつか)は、肩関節の一部を指します。ここが正常に発達していない場合、骨がずれやすくなり、脱臼の原因になります。この状態は先天的なものが多く、特に遺伝的な要因が関係していることがあるのです。生まれつき肩関節が不安定な猫は、成長に伴って脱臼しやすくなることもあります。もし猫が頻繁に痛がる様子を見せたり、肩をかばうような動きをしたりする場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。

変形性関節症

変形性関節症は、関節の軟骨がすり減ったり変形したりすることで起こる病気です。高齢の猫に多いですが、若い猫でも関節に負担がかかる生活をしていると発症することがあります。この病気が進行すると関節の安定性が低下し、脱臼を引き起こすことがあります。猫が歩き方を変えたり、段差を避けたりするようになった場合は、関節に痛みを抱えている可能性があります。気になったら早めに診察を受けるようにしましょう。

猫が脱臼した時の歩き方は?

猫が脱臼すると、普段と違った歩き方をするようになります。痛みや不安定さを抱えているため、動き方がぎこちなくなるのが特徴です。どのような歩き方をするかは脱臼の程度や部位によって異なりますが、ここではよくある脱臼時の歩き方をご紹介します。

よろけながら歩く

脱臼によって関節が安定しなくなると、猫は体のバランスを取りづらくなり、よろよろと歩くようになります。特に後ろ足が脱臼した場合、後肢に力が入りにくくなるため、腰が揺れるような歩き方をすることが多く見られます。また、痛みをかばうために、慎重に足を動かす様子も見られるでしょう。もし猫が普段とは異なる、ふらついた歩き方をしている場合は、脱臼だけでなく他のけがの可能性もあるため、早めに動物病院を受診しましょう。

足を引きずるように歩く

脱臼すると、関節が正しい位置にないため、足に十分な力を入れることができなくなります。その結果、足を引きずるような歩き方をすることがあります。猫は痛みを感じている場合でも、無理に動こうとすることがあるため、引きずりながらでも移動しようとすることがあります。このような動きは、足にさらなる負担をかける可能性があるため、無理に歩かせないよう注意が必要です。ケージに入れて安静にさせ、早急に動物病院で診てもらいましょう。

脱臼した足を浮かせながら歩く

脱臼による強い痛みや不安定さから、猫は脱臼した足を地面につけないように歩くことがあります。この場合、片足を上げたまま三本足でバランスを取りながら歩こうとする姿が見られます。痛みを避けるための行動ですが、猫にとっては大きなストレスになるため、放置せず早急に対応してあげることが大切です。脱臼した部分に腫れや変形が見られる場合もあるので、まずは安静を保ち、獣医師に相談しましょう。

猫の脱臼は改善できる?

猫の脱臼は、治療を受けることで改善できる可能性があります。ただし、それにはいくつかの条件があります。まず、関節に脱臼しやすい病的な状態がないことが重要です。例えば、変形性関節症や先天的な異常がある場合は、治療が難しくなることがあります。また、脱臼してから早めに診察を受けることも大切です。時間が経つと関節周りの組織が固まってしまい、元に戻すのが難しくなるからです。

条件が整っていれば改善できるとされています。

脱臼が重度だったり、再発しやすい状態だったりする場合には、人工関節の置換、あるいは関節固定術といった治療法を検討します。完全に元の状態に戻すことは難しいかもしれませんが、猫が痛みを感じずに歩ける状態を目指します。

猫の脱臼の検査方法は?

猫が脱臼しているかどうかを確認するには、動物病院での診察が必要です。脱臼の有無や状態を正確に判断するために検査を行います。ここでは、猫の脱臼の検査方法を2つご紹介します。

触診

触診は、獣医師が猫の関節や周辺の部位を手で触れて状態を確認する方法です。脱臼していると、関節が不自然な位置にある、腫れている、または痛みがある箇所を見つけることができます。猫の反応も重要で、特定の部分に触れた時に痛がったり嫌がったりすることで、問題のある部位が分かります。触診は簡単な検査方法ですが、これだけでは正確な診断が難しい場合もあるため、必要に応じて他の検査と併用されます。

レントゲン

レントゲン検査は、脱臼の状態をより詳しく確認するために行われます。この検査では、骨や関節の位置を画像で確認できるため、触診だけではわからないような脱臼の程度や、骨折の有無も判断できます。例えば、肩や股関節など、大きな関節の脱臼の場合、レントゲンを撮影することで関節がどの方向にずれているかが分かり、その後の治療方針の参考にします。少し時間はかかりますが、正確な診断を行うためには欠かせない大切な検査です。

猫が脱臼しないためにできること

猫が脱臼するのを防ぐためには、毎日過ごす場所の環境を整えることが大切です。特に高いところが好きな猫や活発な猫の場合、落下や衝突のリスクを減らす工夫が必要です。飼い主さんができることを2つご紹介します。

完全室内飼いにする

猫を完全室内飼いにすることで、脱臼などのけがを防ぐ大きな効果があります。外に出ると、交通事故やほかの動物との接触、木からの落下など、予測できない危険が多く潜んでいます。特に高いところからの落下や激しい動きが脱臼の原因になりやすいため、家の中で安全に過ごせる環境を作ることが大切です。ただし、室内飼いの場合も、キャットタワーや家具からの転落に注意が必要です。遊んでいる時も無理なジャンプをさせないよう、様子を見守りながら遊ばせてあげましょう。

床マットなどのクッションを敷く

猫が脱臼しないためには、家の床を柔らかくしておくこともおすすめです。フローリングなどの硬い床は、猫がジャンプに失敗したり、走り回って滑ったりしたときに関節に大きな負担をかけることがあります。そのため、カーペットやマットを敷いてクッション性を高めると安心です。特に猫がよく遊ぶ場所やキャットタワーの下に敷いておくと、転倒や落下時の衝撃を軽減できます。また、滑りにくい素材を選ぶことで猫が足を取られにくくなり、より安全な環境を作ることができます。

猫の脱臼でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、猫が脱臼する原因や歩き方、検査方法などについてご紹介しました。元気な猫ちゃんほど、脱臼のリスクが高まるため、様子を見守ってあげることが大切です。もし現在、猫の脱臼が気になる方は、大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。身の回りの環境を整えてあげましょう。