猫の歯周病の治療費用は?原因・症状・改善方法もご紹介! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

猫の歯周病の治療費用は?原因・症状・改善方法もご紹介!

猫が歯周病になると、状態や体調に合わせて治療方法が選択されます。そこで気になるのが、どれくらい費用がかかるかというところですよね。この記事では、猫の歯周病の原因や症状、治療方法とその費用について詳しくご紹介します。

猫の歯周病の原因は?

猫の歯周病は、口の中の健康状態が悪化することで起こる病気です。原因はいくつかありますが、主に細菌感染や歯並びの問題、そして歯垢や歯石の蓄積が関係しています。歯周病は進行すると歯茎が腫れて出血し、最終的には歯が抜けてしまうことも。猫にとって痛みや不快感を伴うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、日頃からのケアがとても大切です。それでは、具体的な原因を見ていきましょう。

細菌感染

猫の口の中には、私たち人間と同じように無数の細菌が存在しています。その中には、歯と歯茎の間に入り込んで炎症を引き起こすものもあります。歯垢がたまると細菌がどんどん増殖し、歯茎の周りに炎症を起こす「歯肉炎」につながります。この炎症が進行すると歯周病になり、歯茎だけでなく歯を支える骨にも影響を及ぼすことも。特に、歯磨きが習慣化されていない猫では細菌が増えやすく、歯周病のリスクが高まります。

歯並び

猫の歯並びも歯周病の原因の一つです。歯並びが悪いと、歯と歯の間に食べかすや細菌がたまりやすくなります。歯が重なっている部分や奥歯は歯垢や歯石がつきやすい場所です。猫種によっては生まれつき歯並びが悪い場合もありますし、成長過程で顎の大きさや形が影響することもあります。また、高齢の猫では歯が抜けたり動いたりして、歯並びがさらに悪化することも。これを防ぐには、動物病院で歯の状態をチェックしてもらい、早めに問題を発見することが大切です。

歯垢や歯石

歯垢や歯石は、猫の歯周病のもっとも一般的な原因です。食べかすや唾液が歯に付着して細菌が繁殖すると歯垢ができ、それが硬化して歯石になります。歯垢は歯磨きである程度取り除けますが、歯石になると専用の器具が必要で、動物病院での除去が必要です。歯石がついたまま放置してしまうと、歯茎が炎症を起こして歯周病に進行します。ウェットフード中心の食事の猫は、歯垢がたまりやすい傾向があります。予防のために、歯磨きや歯垢を防ぐ専用のおやつやフードを取り入れるのも良いでしょう。

猫の歯周病にはどんな症状がある?

猫の歯周病は、初めのうちは目立った症状がなく気づきにくい病気です。しかし、進行すると歯茎の腫れや歯のぐらつき、食欲低下といった変化が現れることがあります。ここでは、歯周病によく見られる症状について詳しくご紹介します。

歯肉の腫れ

歯周病が進行すると、まず歯茎が赤く腫れてくることがあります。この腫れは「歯肉炎」と呼ばれる初期段階の症状です。健康な猫の歯茎はピンク色ですが、炎症が起きると赤みが強くなったり、腫れたりして痛みを伴うことも。歯磨きを嫌がる、口元を触ると嫌がるなどの行動が見られる場合、歯肉の腫れを疑いましょう。また、腫れがひどくなると歯茎が出血することもあります。

歯がぐらつく・抜ける

歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨が弱くなり、歯がぐらつくようになります。最終的には歯が抜けてしまうことも。猫は痛みを隠す習性があるため、ぐらつきを見逃しがちですが、食べるのを嫌がる、片方だけで噛むなどの仕草が見られる場合は要注意です。また、歯が抜けると食事をするのが難しくなり、栄養不足や体重減少を引き起こすことも。抜けるまで放置せず、早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。

くしゃみ・鼻水

歯周病が原因でくしゃみや鼻水といった症状が出ることがあります。歯周病が進行して歯の根元に膿がたまると、鼻腔とつながっている部分に炎症が広がることがあるからです。この状態を「口鼻瘻」と呼び、歯周病が重症化したサインともいえます。もし猫が頻繁にくしゃみをしたり、透明や黄色っぽい鼻水を流していたりする場合、口腔内の問題が原因の可能性があるので、早めに診察を受けましょう。

食欲低下

歯周病の痛みや不快感は、猫の食欲にも影響します。食事中に痛みを感じると、食べるのを嫌がったり、食べるスピードが遅くなったりすることがあります。また、固いフードを避けるようになり、柔らかいものだけを好むようになる場合も。さらに、痛みが強くなると全く食べなくなり、体重が減少することもあります。食欲が落ちた場合は、歯周病だけでなくほかの病気も疑う必要があるため、早めに動物病院に相談しましょう。

猫の歯周病の治療方法と費用

猫の歯周病は進行具合や猫の年齢、体調によって選択されます。軽度の炎症を抑える投薬から、歯石除去、抜歯などの外科的治療までさまざまです。ここでは、歯周病に対する治療方法とその費用についてご紹介します。

抗炎症薬や抗生剤の投与

歯周病がまだ軽度で歯肉炎が中心の場合や、猫の年齢や体調を考慮する場合は、抗炎症薬や抗生剤で急性の炎症を抑える治療が行われます。この方法は、口臭や顔の腫れといった症状を一時的に和らげる効果がありますが、歯石や細菌そのものを取り除くことはできません。そのため、症状の緩和を目的とした内科的治療に留まり、根本的な治療にはなりません。投薬の費用は内容や治療期間によって異なりますが、一般的には1〜2万円程度が目安です。この治療法を選ぶ場合でも、最終的には外科的治療を検討する必要があります。

歯石の除去

歯周病が進行する主な原因の一つが歯石の蓄積です。そのため、歯石除去は重要な治療方法の一つです。歯石の表面や歯周ポケットの中に溜まった歯垢を取り除くことで、歯周病の進行を抑えられます。治療費用は、検査や麻酔代を含めて7〜8万円程度が一般的です。特に高齢猫や持病がある場合は、獣医師と相談してリスクとメリットを十分に検討するようにしましょう。

抜歯

歯周病が進行し、歯がぐらついている場合や重度の炎症がある場合には、抜歯が必要になることがあります。ぐらついている歯の根元は細菌の温床になりやすく、そのまま放置すると顎の骨まで影響を及ぼす可能性があるからです。費用は、抜歯する歯の本数や手術内容によって異なりますが、相場は10万円以上です。複数の歯を抜く場合や入院が必要な場合には、10万円以上かかることもあります。

猫の歯周病は寿命に関わる?

猫の歯周病は、直接的に寿命を縮めるわけではありませんが、全身の健康に大きな影響を与えるため、結果として寿命に関わる可能性があります。歯周病が進行すると、歯茎の炎症が原因で細菌が血液中に入り込み、腎臓病や心臓病を引き起こすことがあるからです。歯が悪い猫は健康な歯の猫よりも腎臓病を発症するリスクが高いとされています。

猫は虫歯にはなりにくいですが、歯周病予防のための歯磨きはとても大切です。野生の猫は食事中に歯をフル活用することで自浄作用を保っていますが、飼い猫の場合はそれが期待できないため、飼い主がケアしてあげる必要があります。

猫の歯周病でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、猫の歯周病の原因や症状、治療方法と費用などについて詳しくご紹介しました。歯周病を発症すると猫ちゃん自身が食事を楽しめなくなってしまいます。そうならないために、日頃から猫の口腔ケアを欠かさず行ってあげましょう。もし現在、猫の歯周病でお悩みの方は、大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。猫ちゃんが過ごしやすい、綺麗な歯を目指しましょう。