猫の臍ヘルニアを放置するとどうなる?症状・改善方法をご紹介! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

猫の臍ヘルニアを放置するとどうなる?症状・改善方法をご紹介!

猫は臍ヘルニアという症状を発症することがあります。これは先天的なもので、成長とともに元通りになっていくため、あまり心配する必要はありません。しかし中には、ヘルニアが大きくなっていったり、明らかに臓器が飛び出てしまったりすることがあり、その場合には早急に対処が必要となります。この記事では、猫の臍ヘルニアの原因や症状、改善方法や放置したらどうなるかについてご紹介します。

猫の臍ヘルニアとは?

猫の臍ヘルニアとは、おへそのあたりの筋肉に小さな隙間ができ、そこから腸や脂肪が少しだけ飛び出してしまう状態のことです。この隙間は、赤ちゃん猫が生まれたときにお母さんとつながっていたへその緒の部分で、普通は自然に閉じるのですが、何らかの理由で閉じきらないことがあります。

臍ヘルニアがあると、おへそのあたりが少し膨らんで見えることがあり、触ると柔らかい感触がすることも。ただし、ヘルニアの大きさや状態によっては、猫が特に痛がることもなく、普通に過ごせる場合がほとんどです。小さなヘルニアであれば、成長とともに自然に治ることもありますが、少しずつ大きくなるものや、炎症が見られる場合には、早めに動物病院に相談する必要があります。

猫が臍ヘルニアになる原因は?

猫の臍ヘルニアは、ほとんどの場合、生まれつきの体の仕組みが関係しています。お母さんのお腹の中にいたときに、栄養をもらっていたへその緒が付いていた部分、いわゆる「臍帯輪(さいたいりん)」という小さな輪っかが、通常なら生まれて間もなく自然に閉じるはずなのですが、何らかの理由で閉じきらないことがあるのです。

このように、臍帯輪が開いたままの状態だと、そこから腸や脂肪が少しだけ飛び出してしまい、臍ヘルニアとなってしまいます。特に子猫の段階で発見されることが多く、親猫や兄弟猫と比べておへそのあたりが少し膨らんでいるのが見えたら、ヘルニアかもしれません。もし、成長しても膨らみがなくならないようなら、獣医さんに相談してみるのがおすすめです。

臍ヘルニアに症状はある?

臍ヘルニアは、おへそのあたりにふくらみがあるものの、猫にとって痛みや不快感を伴わないことが多いと言われています。そのため、飼い主も気づきにくいことがあります。ただ、ふくらみが目立つようになったり、猫が気にする素振りを見せたりする場合は、何らかの変化があるかもしれません。ここでは、臍ヘルニアの症状についてご紹介します。

自覚症状はない

猫が臍ヘルニアを抱えていても、自分で痛みや違和感を感じることはほとんどありません。そのため、飼い主も普段の生活では気づきにくいでしょう。

臍ヘルニアは、おへそのあたりにある小さな隙間から腸や脂肪が少し飛び出している状態ですが、初期段階では痛みや大きな違和感がないため、猫は普段と変わらず元気に過ごしていることが多いと言われています。とはいえ、成長するにつれて隙間が広がったり、外部からの刺激によって変化が現れる可能性もあるため、さりげなくお腹の様子を見守ってあげましょう。

臍や足の付け根にふくらみがある

臍ヘルニアの猫には、おへそ周りや足の付け根の部分に小さなふくらみが見られることがあります。このふくらみは、猫がお腹に力を入れたり、遊んでいる最中にポコッと目立ったりすることがあり、押すと柔らかく感じます。ふくらみ自体は痛みを伴わず、猫が特に気にしていないことも多いですが、成長とともにふくらみが大きくなってきた場合は、早めに動物病院に相談しましょう。こうしたふくらみの変化は、体からのさりげないサインかもしれないので、観察していくことが大切です。

食欲低下や嘔吐などを引き起こす場合も

臍ヘルニアが悪化して腸の一部が外に飛び出して戻らない状態になると、猫の体調に影響が出ることがあります。腸が圧迫されると、消化の働きが正常に行えず、食欲が低下したり、嘔吐や下痢などの症状が現れたりすることも。

このような場合、猫ちゃんが少し苦しそうに見えることがあり、緊急の処置が必要となることもあります。こうした症状は臍ヘルニアが進行した場合に起こりやすいものなので、違和感に気付けるように、そっと観察してあげてくださいね。

猫の臍ヘルニアの改善方法は?

猫の臍ヘルニアは、場合によっては経過観察だけで問題なく治ることもありますが、穴が大きい場合や臓器が飛び出している場合は治療が必要になることがあります。ここでは、猫の臍ヘルニアの改善方法を、症状がない場合、穴が大きい場合、臓器が脱出している場合の3パターンにわけてご紹介します。

症状がない場合

猫に臍ヘルニアがあっても、症状がなく元気に過ごしている場合は、急いで治療をする必要はないことがほとんどです。この場合、まずは無理せず経過を見守り、時々、動物病院でのチェックを受けるようにしましょう。おうちでは、猫の様子をさりげなく観察し、変わったことがないか気にかけてあげてください。いつもどおり元気であれば、特に心配しすぎなくても大丈夫です。小さな体の変化も見逃さないよう、穏やかに見守っていきましょう。

穴が大きい場合

もしヘルニアの穴が少し大きめだと、猫に負担がかかることがあるため、早めに治療を考える必要があります。大きな穴があると、臓器が外に出てしまうリスクが高くなるため、猫が元気なうちに獣医と一緒に治療方法を考えていきましょう。手術で穴を閉じることで、今後も安心して暮らせるようにしてあげられます。猫の体に負担が少ないうちにきちんと対応をすることで、その後も元気いっぱいでいられます。

臓器が脱出している場合

臍ヘルニアから臓器が飛び出してしまっている場合は、少し心配な状態です。痛みや違和感を感じていることも多いので、すぐに治療が必要になることが一般的です。腸の組織にダメージが加わり、消化不良や腹痛、嘔吐といった症状が現れる可能性も。臓器が出たままの状態は体に大きな負担がかかるため、獣医と相談して手術で穴をふさぎ、臓器を元に戻すことで、改善を目指します。

猫の臍ヘルニアを放置するとどうなる?

猫の臍ヘルニアをそのままにしておくと、時には大変な危険を招くことがあります。小さなヘルニアで猫が特に問題なく過ごしている場合は、成長とともに自然に治ることもありますが、必ずしもそうとは限りません。特に、ヘルニアが少しずつ大きくなってきたり、おへその周りが赤く腫れたりする場合は注意が必要です。ヘルニアの症状が進行しているおそれがあります。また、こうしたサインは、体の中で負担がかかっていることを示していることもあります。放置して悪化すると、先にご紹介したようにお腹の臓器が外に飛び出してしまうこともあり、痛みや圧迫で猫が苦しい思いをするかもしれません。大丈夫だと判断せずに、動物病院でなんでも相談してください。放置せずになるべく早く動物病院に相談して、治療を受けさせてあげましょう。

猫の臍ヘルニアでお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、猫の臍ヘルニアの原因や症状、改善方法などについてご紹介しました。基本的には特に問題のない症状ではあるものの、進行したり臓器が飛び出てしまったりしている場合は注意が必要です。普段から猫のお腹まわりを観察してあげることと、もし異変を感じた場合にはすぐに対応することに気をつけてくださいね。もし現在、猫の臍ヘルニアでお悩みの方は、大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。大切な猫ちゃんのために、適切な治療で改善を目指しましょう。