猫の肝臓の数値が高い理由と余命は?NG食材もご紹介! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

猫の肝臓の数値が高い理由と余命は?NG食材もご紹介!

猫の肝臓の数値が高いと心配になりますよね。肝臓の数値が高いと、病気を発症している可能性が高く、早めの診断・治療が必要です。余命に関わる可能性も十分に考えられるため、気になる場合はすぐに動物病院に相談するようにしましょう。この記事では、猫の肝臓の数値が高い理由や症状、余命について詳しく解説します。

猫の肝臓の数値が高いのはなぜ?

猫の肝臓の数値が高いと、いくつかの病気が考えられます。どの病気の場合でも早めの対処で余命を伸ばすことが可能です。ここでは、考えられる理由とそれぞれの症状、余命について詳しくご紹介します。

急性肝炎

猫が急性肝炎を発症すると、短い期間で肝臓の数値が大きく上昇し、さまざまな症状が現れます。急性肝炎は、感染症や毒物の摂取、または免疫の異常などが原因で急激に肝臓の機能が低下する状態です。

この場合、肝臓の負担が大きくなり、数値が高く出てしまうのです。

症状

代表的な症状に、嘔吐や食欲不振、体重の減少があります。また、肝臓の機能低下によって黄疸(皮膚や目が黄色くなる)が現れることもあります。さらに、活力が落ち、元気がなくなることも。急性肝炎は早く対応することで回復が早まるため、異変を感じたらすぐに動物病院に相談しましょう。

余命

急性肝炎の進行が早い場合、治療が間に合わないと猫の余命が短くなることがあります。急性の肝不全に進行してしまうと、症状が一気に悪化し、回復が難しくなることも。ただし、早期に適切な治療を受けられると、肝臓が回復し長く元気に過ごせる可能性も高まります。猫の症状や進行度によって余命は大きく変わるため、早めに診断を受けることが大切です。

胆管炎・胆管肝炎

猫が胆管炎や胆管肝炎を発症すると肝臓や胆管に炎症が起こるため、数値が高くなることがあります。

胆管炎は胆管の細菌感染や炎症が原因で引き起こされ、急性の場合はすぐに症状が悪化し、全身に影響を及ぼします。また、慢性的な胆管炎・胆管肝炎の場合、症状は徐々に進行していき消化器症状や黄疸が現れることもあるため、長期的にケアしてあげる必要があります。

症状

猫の胆管炎や胆管肝炎では、食欲不振や嘔吐、下痢などが見られます。これに加え、体内のビリルビンが増えると、皮膚や目が黄色くなる黄疸が現れることも。急性の場合は症状が急速に進行するため、脱水や衰弱が目立ち、全身状態が悪化しやすくなります。一方、慢性のケースでは症状が少しずつ現れ、飼い主さんが気づきにくいこともあるため、様子をよくみてあげるようにしましょう。

余命

胆管炎や胆管肝炎の余命は、猫の状態や治療のタイミングによって変わります。急性の胆管炎の場合、早く治療を行わないと命に関わります。一方で、慢性の場合は治療を続けることで安定した生活が期待できることもあります。病気の進行度に応じた治療が余命に大きな影響を与えるため、早めの診断と治療が必要です。

門脈体循環シャント

門脈体循環シャントは、肝臓に血液が正常に流れず、肝臓が解毒や栄養の調整を行えなくなる病気です。本来であれば、腸からの血液は肝臓を通過して毒素が取り除かれますが、この疾患ではその流れが変わり、体に直接流れ込むため、肝臓の負担が減る一方で、体には解毒されない有害物質が回ってしまいます。この状態になると体調に影響を及ぼし、肝臓の数値が高くなる原因と言われています。

症状

門脈体循環シャントを持つ猫には、食欲不振、体重減少、元気の低下などの症状が見られることがあります。また、有害物質が脳に影響を及ぼすことで、ふらつきや異常な行動、意識障害が現れることも。さらに、体が解毒できないため、肝臓の数値が高くなり、黄疸や血液の異常も見られることがあります。この病気は猫の体に大きな負担をかけてしまうため、早期発見が大切です。

余命

門脈体循環シャントの治療は、手術が必要となることが多く、内科治療だけでは進行が止められないこともあります。そのため、内科的な治療のみの場合は発症から2ヶ月から2年程度が余命と言われています。少しでも早く対処を行うことで余命を延ばせる可能性があるため、症状が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。

猫伝染性腹膜炎

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫のコロナウイルスが突然変異することで発症すると言われている感染症で、肝臓にも影響を及ぼすことがあります。体に水が溜まる「ウエットタイプ」と、内臓や神経に病変が生じる「ドライタイプ」があります。どちらも進行が早く、発見が遅れると重篤な状態に陥ることが多いため、早期の診断が必要です。

FIPは治療が難しいとされてきましたが、最近では少しずつ治療方法も研究されています。猫の元気がないと感じたら、早めに相談するようにしましょう。

症状

猫伝染性腹膜炎(FIP)の主な症状は、発熱や食欲不振、体重減少、元気の低下などです。ウエットタイプでは腹部や胸部に水が溜まり、お腹が膨らむことがあります。また、ドライタイプでは、内臓や神経に影響が出るため、ふらつきや神経症状が現れることもあります。

余命

FIPは進行が早い病気で、発症後数日から1週間で命にかかわることもあります。無治療のまま経過を見守ると、ウエットタイプでは約2~4週間、ドライタイプでは2~6か月程度の余命と言われています。ただし、治療を受けることで症状の進行を遅らせることができる場合もあります。余命は病状や治療の有無で大きく異なるため、少しでも早く診断を受けるようにしましょう。

猫の肝臓に悪い食べ物は?

猫の肝臓に悪い食べ物というのは、特にありません。

しかし、キシリトールの中毒が肝機能障害を引き起こす可能性があるとされています。そのため、猫がキシリトールを摂取してしまわないように注意するようにしましょう。

猫の肝臓の数値にお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、猫の肝臓の数値が高い理由や症状、余命などについて詳しくご紹介しました。肝臓の数値が悪いのは、何かしらの病気を発症している可能性が高く、どの病気の場合でも早めの診断と治療が必要です。また、早く対処することで余命を伸ばすことができる可能性があります。もし現在、猫の肝臓の数値でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。大切な猫ちゃんの健康のために、一緒に対策をしていきましょう。