猫のおしっこが少ない!回数や量から考えられる原因や対処法を解説!
家で飼っている猫が1日にどのくらいおしっこをするのか知っていますか?
猫を家に迎えたときからたくさんの疑問が頭の中にあると思います。その中でもおしっこの問題に悩まされる飼い主の方も少なくはありません。
「おしっこが少ないと病気になるって本当?」
「おしっこが少ない原因ってあるの?」
「もしもうちの子のおしっこが少なかったらどうしよう」
など、たくさん不安がありますよね。
ここではそれらの質問に1つずつお応えしていきます。
少しずつ確かな知識をつけて、愛猫と安心できる日常を送れるようにしましょう。
目次
猫のおしっこは一日何回?
健康な成猫の場合、その子の体質や食生活にもよりますが、おしっこは1日に2~3回行います。
子猫であれば4~5回が平均的です。
1日のおしっこの回数は目安で、重要なのは普段の回数から変化があるかどうか、です。
おしっこの回数が大幅に増えた場合や、減った場合は何かしらのトラブルが体内で起きている可能性があります。
1日に何回おしっこをするのか、可能であればおしっこをするタイミングも把握しておきましょう。
おしっこの回数は通常・一回の量が少ない場合の原因は?
尿が体内に作られていたとしても、膀胱炎、結石症、尿路閉塞、尿路腫瘍などの病気により、おしっこの通り道がふさがれてしまい、上手に排出できない場合があります。
ここではそれらの病気がどのようなものか見ていきましょう。
膀胱炎
膀胱炎は、膀胱が炎症を起こし、頻尿、血尿、排泄時に痛みを伴う症状が現れます。
猫の膀胱炎は尿石や、細菌による感染症などの物理的な刺激が原因となります。病院で検査をしても、原因が特定できない突発性膀胱炎もあり、突発性の場合はストレスが原因の1つである可能性が高いとされています。
ストレスが要因の場合は治ってもすぐに再発しやすく、根気強く治していく必要があります。
尿石症
尿結石は、尿に含まれているミネラル成分が結晶化し、腎臓、尿管肝臓、膀胱、尿道などで結晶の粒が混じり、排尿が困難になる病気です。
とくに雄猫は尿道が細く、長くてカーブをしている部分があるため、尿道に結石が詰まって重症になりやすいとされています。
おしっこと一緒に砂状の結晶や、結石が出てくることもあります。その場合はスマートフォンで写真をとり、動物病院へ急ぎましょう。
膀胱内腫瘍
膀胱内腫瘍は高齢の猫に見受けられることが多い病気です。
腫瘍が大きくなると尿路内に炎症が起き、頻尿、血尿の症状が現れます。
膀胱内の腫瘍による症状は、膀胱炎、尿結石症と似ているため、初期での発見が難しいとされています。
尿路閉塞
尿路閉塞は何らかの原因で尿道が詰まったり、尿道が圧迫されることにより起こる病気です。
尿道が細く、カーブしている雄猫がなりやすいとされています。
尿道にカテーテルを入れて、ふさがっている尿道を開通させ、たまっていたおしっこを排出させます。その際に結石があれば取り除き、膀胱内をきれいに洗浄します。
閉塞がひどく、重症の場合は尿道を広げる短くする手術を行う場合もあるので注意してください。
おしっこの回数・量ともに少ない場合の原因は?
猫は健康であってもあまり水を飲まず、濃いおしっこを少量することがあります。
ですがトイレに行くそぶりがない、おしっこをトイレでしていない、普段の回数より少ない日が続く場合は何かしらのトラブルが体内で起きている可能性もあります。
尿が体内で作られない原因として、腎肝機能の低下、尿の素となる血流の量の減少が原因と考えられるのです。
糖尿病
糖尿病はインスリン不足や、効果の低下によって血糖値が上昇し発生する病気です。
多飲多尿や食欲が旺盛にもかかわらず、やせていき、かかとをつけて歩くようになります。
症状が進むと、食欲の低下、下痢、嘔吐、ふらつきなどが見られ入院をして集中的に治す必要があります。
子宮蓄膿症
支給地蓄膿症子宮蓄膿症は雌猫に起こる急性の疾患です。子宮内体内に細菌が入り、炎症を起こして膿がたまります。重症化すると膿が溜まりすぎて、子宮が破裂するリスクがあり、命にかかわります。
いつもより水をたくさん飲む、おしっこの回数や量が増える、陰部から膿がでている、お腹が膨らんでいる、張っている感じがしたら子宮蓄膿症支給蓄膿症の可能性があります。
慢性腎臓病慢性腎障害
猫の慢性腎臓病慢性腎障害は、腎臓肝臓がダメージを受けたことにより、機能が低下する病気です。高齢の猫に多く見られます。
腎臓肝臓の予備能力は高いため、初期症状が現れないことも多く、発見時には進行している場合が多いとされています。死亡率も高く、進行すると、体重減少、嘔吐、痙攣などの全身に症状が現れることも。
他に考えられる猫のおしっこが少ない原因は?
猫のおしっこが少ない原因はまだまだあります。
他にはどういう原因があるのか順に見ていきましょう。
急性腎不全
急性腎不全肝不全は進行状況がとても早く、数時間から数日で腎機能肝機能が急激に低下します。
脱水症状や心臓病により腎臓肝臓に流れ込む血液の減少や、感染症や中毒により腎臓肝臓の組織にダメージが蓄積された、尿管結石などでおしっこがでなくなった、などの理由により起こります。
重度の脱水
猫の脱水は、さまざまな病気の可能性が考えられます。日ごろから水分補給がしやすいように、水飲み場を複数用意する、1日に何回か水を変えて新鮮な水を用意することである程度解消されますが、重度の場合は話が別です。
重度の脱水の症状は、意識障害や嘔吐など40~41度の高熱、嘔吐、血尿などがあり、脱水症状が12%以上になるとショック症状が出る可能性があります。生命の危機にも及ぶので、個人で判断せず動物病院へ行きましょう。
椎間板ヘルニア
腰椎にある椎間板掴ん版が変性して飛び出すことにより、神経根を圧迫する病気です。
症状書状によっては緊急の手術が必要になるため、早期発見が重要になります。
抱っこしたときに痛がる、歩き方が普段と違う、動くのを嫌がる、ふらつく、排尿排便が困難になるなどの症状があります。
事故や高い所からの落下による衝撃、肥満、老化などさまざまな原因があります。
猫のおしっこが少ない時の対処法は?
猫がいつもの時間、いつもの場所でおしっこをしていない場合は、動物病院に相談しに行ってください。様子を見ている間にも猫の体調が悪化し、症状が悪くなる可能性があります。
すぐに動物病院に相談する
おしっこが出ていないとわかったら、すぐかかりつけの動物病院、または近くの動物病院に行きましょう。
おしっこが全く出ていない場合、2日~3日以内に尿毒症を引き起こすリスクがあります。
尿毒症とは、痙攣、低体温、意識の低下などの症状が現れ、死に直結することも。
おしっこの回数・色・飲む水の量などを伝える
健康的な成猫のおしっこはツンとした独特な臭いで、薄い黄色をしています。
おしっこの量が増えて水に近い薄い色になる、おしっこに血液が混じってピンク色になっている、おしっこがにごっている、普段の臭いと違うなどの場合は動物病院の先生に必ず伝えましょう。
血尿の場合はどのくらい血が出ているのかわかりません。
より正確な判断のため、可能であればスマートフォンで写真を取っておくことをおすすめします。
動物病院を受診した後の過ごし方は?
動物病院に行ったからと言って、症状が急に収まり、完璧に治るわけではありません。
中には長期にわたり、根気強く治していかなくてはならない病気もあります。
動物病院で受けたアドバイスを実践する
個人で判断せずに、どうすればいいかわからない時は動物病院へ電話をしましょう。
よかれとおもって行った行為が間違っているケースもあります。
猫によって症状や、病気に至る経緯は違うため、ネットで調べたとしても、念のため電話をし、アドバイスを求めましょう。
トイレの環境を整える
猫はとてもきれい好きな動物で有名です。そのためトイレが汚いと、トイレしたくなくなってしまい、我慢してしまう猫もいます。
最低でも1日2回、家に居るときは猫がトイレを使用するたびに掃除しましょう。
仕事や旅行などで長時間家を空けていると、トイレが汚くなってしまい、我慢をさせてしまいます。普段からトイレの数を増やしてあげることで対処できます。理想的なトイレの数は、飼っている猫の数に+1を足した数です。
落ち着いてトイレが出来るように、廊下など人通りが多い場所は避けて、安心してトイレができる場所を用意してあげてください。
猫のおしっこでお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
普段からどのくらいの頻度でトイレに行くか、どのくらいの量をしているのか、どんな色をしているかなど把握し、異変にすぐ気付けるように心がけましょう。
また、異変を感じたら個人で判断せず、速やかに病院へ行きましょう。
様子を見てからと思う方も多いと思いますが、尿毒症中毒により、最悪の場合がある事を忘れないでください。