犬の下顎リンパ腫の症状は?ステージ・治療方法など解説! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

犬の下顎リンパ腫の症状は?ステージ・治療方法など解説!

犬が下顎リンパ腫になるとどのような症状が現れるのか、この記事では下顎リンパ腫の症状やステージ・治療の仕方を解説していきます。

もし、自分の愛犬が下顎リンパ腫になってしまった時に、不安にならないよう、この記事を参考にしてみてくださいね。

犬の下顎リンパ腫とは?

犬の下顎リンパ腫とは、犬のリンパ腫の中でも最もよく見られる種類の一つで、顎の下にあるリンパ節が腫れる病気です。

リンパ腫は、リンパ系という免疫に関わる器官に悪性の腫瘍ができる病気の総称で、犬のがんの中では最も多い種類と言われています。

リンパ腫の主な症状は?

リンパ腫の主な症状は、首や腋の下や足の付け根などのリンパ節の多い箇所に腫れやしこりが出ることです。

初期症状がほとんどないため気付くことが難しいとされており、腫瘍が大きくなるまで気付かないことがほとんどです。

腫れ・しこり

しこりとは、皮膚や皮下組織にできるかたまりです。

腫瘤と言われ、炎症や腫瘍、嚢胞など原因に関係なく体表にできたかたまりのことをいいます。

知らぬ間に細胞がどんどん増殖して周りの正常な組織にからむように広がり、最終的には血液やリンパ管を通って、ほかの臓器に転移します。

下痢

下痢も症状の一つです。下痢の中でも次のような症状がある場合は注意が必要です。

・水のような下痢を頻繁に繰り返している

・血が混じっている

・便が黒い

・3日間以上続いてる

ひとつでも当てはまる場合は、早めに専門家に相談しましょう。

食欲の低下

リンパ腫が進行すると、腫瘍が大きくなり、食べ物が喉を通りにくくなるため、食欲が低下することがあります。

また、腫瘍によって消化器系が圧迫されることや、病気そのものによる全身状態の悪化も、食欲不振の原因となります。

体重の減少

犬の体重減少の原因は、年齢や品種・去勢の有無・健康状態や病気も関連してきます。

痩せてしまうのは、消費カロリーが食べものの摂取カロリーを上回ったときに起こります。

痩せてしまう理由や状況はさまざまですが、主に5つの原因が考えられます。

・食欲がない

・季節的な要因

・発情期(ヒート)

・老化に伴う筋肉量の低下

発熱

リンパ腫では、発熱がみられることがあります。

これは、腫瘍細胞が体内に炎症を起こすことや、感染症を併発することが原因と考えられています。

ただし、発熱は必ずしもみられる症状ではなく、個体差があります。

リンパ腫のステージは?

リンパ腫のステージとは、病気の進行度を示すものになります。治療法や予後の判断に非常に重要な情報となります。

腫瘍がどの程度広がっているかによって、一般的に5つのステージに分類されます。

ステージⅠ

一つのリンパ節領域または一つのリンパ節以外の臓器に病変が限られている状態です。

リンパ腫がまだ局所にとどまっている段階であり、比較的早期の段階とされています。

また、治療効果も高く、予後も良好なケースが多いとされています。

ステージⅡ

横隔膜をはさんで片側のリンパ節領域に2つ以上の病変がある状態です。

ステージⅠよりも病気が広がっていますが、まだ全身には広がっていない段階です。

ステージⅠと同様に、治療効果も高く、予後も良好なケースが多いとされています。

ステージⅢ

横隔膜をはさんで上下両方のリンパ節領域に病変がある状態です。

病気が全身に広がりつつある段階で、ステージⅠ、Ⅱに比べて治療が複雑になることがあります。予後もステージⅠ、Ⅱに比べてやや悪くなります。

ステージⅣ

リンパ節以外の臓器(肝臓、骨髄など)に病変が広がっている状態です。

病気が最も進行した状態であり、全身に症状が現れることがあります。

治療は難しく、予後も悪くなりやすいとされています。

犬の下顎リンパ腫の治療方法は?

犬の下顎リンパ腫の治療法は、腫瘍の大きさ、位置、広がり具合、犬種、年齢、全身状態など、様々な要因を考慮して獣医師が総合的に判断します。

食事療法

犬の下顎リンパ腫の治療において、食事療法は非常に重要です。

リンパ腫は全身性の疾患で、免疫力を高めて体力を維持するためには、栄養補給が不可欠です。

バランスの取れた食事を摂取することで改善を目指します。

抗酸化物質を多く含む食材や、オメガ3脂肪酸が豊富な食品は、リンパ腫の進行を抑える効果が期待されます。

抗酸化物質は体内の酸化ストレスを軽減し、細胞のダメージを防ぐ働きがあります。

また、オメガ3脂肪酸は抗炎症作用があり、リンパ腫の症状緩和が期待できます。

魚油や亜麻仁油などが代表的な食材です。

外科療法

リンパ腫は全身性疾患なので、外科療法だけでは完治できません。

しかし、皮膚に腫瘤が形成されたり、眼球や腹腔内でも孤立して病変を作ったりしている場合は、手術により大きなリンパ腫を取り除き、がん細胞の数を減らすことが有効です。

リンパ細胞は全身にあるため、外科手術だけでは治療は終わりません。

補助療法として科学療法や放射線療法を使って全身の治療を施すことが必要になる場合があります。

化学療法

化学療法とは、抗がん剤治療ともいわれ、外科手術だけでは取り切れない腫瘍を治療することを言います。

抗がん剤を投与することで、全身性におけるガン細胞の増殖を抑え、腫瘍の縮小や成長を遅らせることができます。

化学療法は2つの種類があります。

・単剤化学療法:1種類の抗がん剤を使用する

・併用化学療法:複数の抗がん剤を組み合わせて使用する

投与方法は静脈注射と経口投与になります。

・静脈注射:静脈に直接抗がん剤を注射する

・経口投与:口から抗がん剤を服用する

放射線療法

放射線治療とは、体内のⅩ線という放射線を用いて撮影する検査です。

レントゲン検査で用いるⅩ線は動物の体にはほとんど影響がありません。

放射線療法はこのⅩ線を使ってがんの治療を目指します。

下顎リンパ腫を発症した場合の余命は?

無治療の場合の平均余命は1〜2ヶ月程度ですが、抗がん剤で治療すると1年ほどは延命できるとされています。

また、約20%の犬が2年以上元気に過ごせたり、5年経っても再発しなかったりするケースもあります。

治療を受ける前に専門家とよく話し合い、メリットやデメリットを理解した上で、治療方針を決めることが大切です。

犬の下顎リンパ腫でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

今回の記事では、犬の下顎リンパ腫の症状・ステージ・治療の仕方をご紹介しました。

下顎リンパ腫を放っておくとさまざまな危険性があります。自分の愛犬がもし、下顎リンパ腫になってる可能性があると感じる方は、ぜひ大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。