老犬の認知症の末期症状は?飼い主さんができること・予防方法などを解説!
愛犬が年を重ねるにつれて、トイレを失敗する回数が増えたり、夜中に鳴くことが多くなったりといった変化を感じていませんか?これらの症状は、認知症のサインかもしれません。
この記事では、老犬の認知症の末期症状や対処法、予防方法などについて詳しくご紹介します。
目次
認知症の老犬の末期症状は?
認知症が進行すると、さまざまな症状が現れてきます。今まで当たり前にできていたことができなくなったり、いつもと違う行動を取るようになったりして、飼い主さんも戸惑ってしまうかもしれません。まずは、認知症の老犬によく見られる末期症状についてご紹介します。
粗相が多くなる
認知症の進行により、今まできちんとできていた排泄が難しくなることがあります。これは病気による症状であり、ワンちゃんが悪いわけではありません。長年身についていたトイレの習慣を忘れてしまったり、トイレの場所がわからなくなったりすることで起こります。
このような状況では、犬用オムツの使用を検討してみてください。オムツを着用することで、掃除の負担が軽減され、飼い主さんの心理的なストレスも和らぎます。粗相をしても決して叱らず、温かく見守ってあげることが大切です。
不安感が増える
認知症が進むと、ワンちゃんは些細なことでも不安を感じやすくなります。いつも一緒にいる飼い主さんの姿が見えなくなると、強い不安に襲われることがあります。この不安感は、夜泣きや問題行動の原因となる場合もあるでしょう。
愛犬の不安を和らげるために、寝床を飼い主さんのお部屋の近くに移動させることを考えてみてください。いつでも飼い主さんの存在を感じられる環境を作ることで、ワンちゃんの心の負担を軽くできます。新しい音や環境の変化にも敏感になるため、できるだけ静かで落ち着いた環境を維持してあげましょう。
夜泣きが増える
夜間の鳴き声は、認知症の代表的な症状のひとつです。ただし、認知症以外の病気や身体的な不調が原因となっている可能性もあるため、注意深く観察することが必要です。関節の痛みや内臓の不調なども夜泣きの原因となることがあります。
夜泣きをしているワンちゃんを叱ることは避けてください。叱ることで不安が増し、かえって症状が悪化する恐れがあるからです。優しく声をかけたり、そばにいてあげたりして、安心感を与えることが大切です。夜泣きが続く場合は、かかりつけの動物病院に相談してくださいね。
睡眠障害を起こす
健康な犬は通常、1日に12〜14時間程度の睡眠をとり、人間と同じように昼間に活動して、夜間に休息をとる生活リズムを持っています。しかし、認知症が進行すると、この自然なリズムが乱れてしまうことがあります。
昼夜逆転の症状を改善するために、日中の活動量を意識的に増やしてみましょう。天気の良い日は日光浴をさせたり、体調に合わせた軽い散歩を取り入れたりすることが効果的です。また、一緒に遊んだり、優しくマッサージをしたりするスキンシップも、生活リズムを整えるうえで大切です。
見当識障害を起こす
認知症が進行すると、場所や人の認識が困難になる見当識障害という症状が現れることがあります。長年一緒に暮らしている飼い主さんのことがわからなくなったり、慣れ親しんだ家の中で迷子になったりすることがあります。
家具の配置を工夫して、ワンちゃんが安全に移動できる環境を整えましょう。狭い場所に挟まって出られなくなることを防ぐため、家具の隙間を塞いだり、危険な場所には近づけないよう配慮したりすることが大切です。また、じっと一点を見つめたり、ぼんやりと過ごしたりする時間が増えても、それも症状のひとつとして見守りましょう。
老犬が認知症になった時にできること
ワンちゃんが認知症になったら、環境を整えたり、コミュニケーションを大切にしたりすることで症状を和らげる効果が期待できます。
生活環境を見直す
認知症が進行すると、ワンちゃんは空間を上手く認識することが難しくなります。いつもの家でも、家具の角にぶつかってしまったり、狭い場所に挟まって出られなくなったりすることがあります。また、同じ場所をぐるぐると回る行動も見られるようになります。
まずは、よく過ごすエリアの家具の配置を見直してみてください。移動の邪魔になるものは片付け、ぶつかりやすい角の部分には柔らかいクッションやタオルを巻いてあげましょう。安全に過ごせる環境を整えることで、ケガのリスクを減らすことができます。
コミュニケーションをたくさんとる
認知症になると、昼間に眠って夜中に活動するという生活パターンになりがちです。この昼夜逆転が夜泣きの原因となることも多いため、日中はできるだけワンちゃんと一緒に過ごす時間を増やしてみてください。
ワンちゃんの体調や気分に合わせて、楽しいコミュニケーションの時間を作ってあげましょう。飼い主さんの愛情をたっぷり感じることで、不安な気持ちも和らぐと考えられます。
粗相対策として犬用のオムツを使う
トイレの失敗が増えてくると、飼い主さんの負担も大きくなってしまいます。そんな時は、犬用オムツを使用してみましょう。オムツを使うことで、掃除の手間が大幅に軽減できます。
できれば、認知症の症状が現れる前から、少しずつオムツに慣れさせておくことをおすすめします。また、床に防水性のマットを敷いておくと、万が一の時も安心です。
動物病院やシッターを頼る
認知症の介護は、想像以上に大変なものです。一人で全てを抱え込まないことが大切です。かかりつけの獣医師には、小さな変化でも気軽に相談してみてくださいね。飼い主さんが気づかない症状についてもアドバイスをもらえますし、介護のコツも教えてもらえます。
また、夜泣きや徘徊などで睡眠不足が続く時は、老犬介護の専門カウンセリングを受けたり、信頼できるペットシッターにお願いしたりすることも検討しましょう。飼い主さん自身が心身ともに健康でいることも大切です。無理をせず、周囲のサポートを活用しましょう。
老犬の認知症は完治する?
残念ながら、犬の認知症は人間と同様に、現在の医学では完全に治すことはできません。
しかし、適切にケアを行うことで、症状の進行をゆっくりにしたり、症状を和らげたりすることは十分に可能です。
治療方法としては、薬物療法をはじめ、サプリメントや食事療法などがあります。
また、ご家庭では、ワンちゃんが安全で快適に過ごせる環境を整えたり、脳に良い刺激を与える遊びや散歩を取り入れたりすることも大切です。
老犬が認知症にならないために!予防方法は?
認知症を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、発症のリスクを下げることは可能です。運動や脳への刺激、栄養バランスの良い食事など、認知症の予防方法をご紹介します。
散歩のルートを固定しない
毎日のお散歩は、ワンちゃんの脳にとても良い刺激を与えます。いつも同じ道を歩くのも安心できて良いのですが、時々ルートを変えてみることで、新しい匂いや景色に触れることができ、脳がより活性化されます。
ルートを変える際は、ワンちゃんの年齢や体力に合わせて、歩きやすい平坦な道を選んであげてください。急な坂道や凸凹した道は避け、ワンちゃんが無理なく歩ける距離と道を心がけましょう。新しい場所での発見や出会いは、ワンちゃんの好奇心を刺激し、脳の健康維持に役立ちます。季節によって異なる風景を楽しみながら、一緒にゆっくりとお散歩の時間を過ごしてみてくださいね。
運動を習慣化する
運動は、認知症予防にとても効果的です。定期的なお散歩は、筋力を維持するだけでなく、日光を浴びることで体内リズムを整える効果も期待できます。外の空気を吸い、さまざまな刺激に触れることが、脳の活性化につながります。
お散歩以外にも、お庭でのボール遊びや、室内でのおもちゃを使った遊びも良い刺激になります。ワンちゃんの体調や好みに合わせて、楽しめる運動を見つけてみましょう。また、他のワンちゃんとの交流も、社会性を保つ上で大切です。ドッグランや公園で他の犬と触れ合う機会を作ることで、心身ともに健康的な生活を送ることができるでしょう。年齢を重ねても、無理のない範囲で体を動かす習慣を続けることが大切です。
DHA・EPA・不飽和脂肪酸を摂取する
栄養面からのアプローチも、認知症予防には大切です。DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸は、脳の健康をサポートする栄養素としておすすめです。
これらの成分は、イワシやサバなどの青魚に豊富に含まれています。最近では、DHA・EPAが配合されたシニア犬用のドッグフードも数多く販売されているので、ぜひチェックしてみてください。また、獣医師と相談の上で、専用のサプリメントを活用するのも良いでしょう。
ただし、急に食事内容を変えるとお腹を壊すことがあるので、新しいフードやサプリメントを始める際は、少量ずつ慣らしながら与えることが大切です。
老犬の認知症でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、老犬の認知症の末期症状や対処法、予防方法などについて詳しくご紹介しました。
愛犬の認知症は、心配な問題ですが、適切なケアをすることで進行を遅らせることが可能です。もし現在、老犬の認知症でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。ワンちゃんの健康を一緒に守りましょう!