猫の膵炎の原因は?検査方法・治療方法・おすすめのご飯は?
猫ちゃんの元気がない気がする、あまりご飯を食べない……このような猫の様子に、不安を感じますよね。それは「膵炎」という病気の可能性が考えられます。膵炎は、猫の体の中にある膵臓という臓器に炎症が起きる病気で、はっきりした症状が出にくいため、気づいた時には悪化していることもあります。この記事では、猫の膵炎の原因や検査方法、治療方法、おすすめのご飯などについて詳しくご紹介します。
目次
猫の膵炎とは?
猫の膵炎は、消化を助ける役割を持つ「膵臓」が炎症を起こしてしまう病気です。急にぐったりしたり、食欲がなくなったりすることがありますが、症状がわかりにくい場合もあり、気づかないまま悪化することも。猫の膵炎には急性膵炎と慢性膵炎の二種類があります。この章では、猫の膵炎の種類について詳しくご紹介します。
急性膵炎
急性膵炎は、ある日突然ぐったりしてしまう病気です。1日に何度も吐いたり、下痢が続いたりといったはっきりした症状が現れることが多く、食欲も急に落ちます。お腹を触ると嫌がる、動きが鈍くなるといった変化も見られるかもしれません。ただ、あまり目立った症状が出ないこともあるため、少しでもおかしいと感じたら、すぐに動物病院を受診しましょう。自然に改善されると思って様子を見てしまうと、急激に悪化してしまうことがあります。
慢性膵炎
慢性膵炎は、急性に比べてゆっくり進行するため、症状に気づきにくいのが特徴です。たとえば、時々吐く、なんとなく元気がない、少しずつ食欲が落ちている、といった小さな変化が続くことがあります。便の調子も不安定だったり、毛のツヤがなくなってきたりすることもあります。放っておくと体重が減っていくことがあるため、早めの検査とケアを受けることが大切です。治療によって症状が落ち着くこともありますが、再発しやすいため、通院が必要になることがあります。
猫の膵炎の原因は?
猫の膵炎には、これが原因と断定できるものが少なく、いくつかの要因が関係していると考えられています。ストレスや感染症、落下などのケガ、薬の副作用などがきっかけになる可能性があるとは考えられています。また、腸や肝臓、胆管の病気と一緒に膵炎を発症するケースも。人のように、脂っこい食事が直接の原因になるとは言い切れず、猫特有の原因がある病気です。日頃から元気や食欲の変化に気づき、小さな変化を見逃さないようにしましょう。
猫の膵炎の検査方法は?
猫に膵炎の疑いがある場合、血液検査や超音波検査などを組み合わせて検査をしていきます。血液検査では、膵臓の炎症に関わる特定の数値(膵特異的リパーゼなど)をチェックし、異常がないかを調べます。ただし、ほかの病気でも似た数値の変化が見られることがあるため、肝臓や腎臓の状態もあわせて確認していきます。レントゲンでは膵炎そのものは映りませんが、ほかの病気を見つける手がかりになります。超音波検査では、膵臓の周囲の様子や形の変化をチェックします。
猫の膵炎の治療方法は?
猫の膵炎には、直接改善できる薬はなく、体にかかる負担をやわらげる対症的な治療が基本になります。血液の循環をよくする点滴や、痛みや吐き気をやわらげる薬、そしてしっかり栄養をとることが大切です。急性の場合は入院が必要になることもありますが、猫の状態や性格に合わせて、最適な方法を選んでいきましょう。
血液の循環を改善させる
膵炎の猫でまず大事なのは血液の循環を整えることです。膵臓の働きを助けるために、静脈から点滴を通して水分や電解質を補給する「輸液療法」が行われます。脱水の改善だけでなく、全身の状態を安定させるためにも重要な治療です。通常は入院して、少しずつ点滴を続けていきます。また、痛みを感じている猫には、食欲や元気が戻るように痛み止めの薬もあわせて使われることがあります。目に見えない不調にも対応することが、回復のためには大切です。
消化機能を改善させる
膵炎になると、消化管の動きが弱まり、吐き気や食欲不振を引き起こすことがあります。こうした気持ち悪さをやわらげるために、吐き気止めや胃腸の動きを助ける薬を使って治療を進めていきます。見た目では吐いていないように見えても、実際はムカムカしていることもあるので、少しでも楽になれるようにサポートすることが大切です。薬の効果で少しずつ食欲が戻ってくるケースも多いため、猫の様子を見ながら調整していきます。
栄養管理を行う
膵炎の猫は、食欲がなくなることで体力が落ちやすくなります。猫は絶食が続くと、肝臓の病気「肝リピドーシス」を引き起こすリスクがあるため、少しずつでも食事をとることがとても大切です。無理に食べさせようとするとストレスになる猫もいるので、必要に応じて鼻からチューブを入れたり、胃や食道に管をつけて、そこから流動食を与えることもあります。
猫が膵炎になった時におすすめのご飯は?
膵炎の猫には、できるだけ膵臓への負担が少なく、消化しやすいご飯が大切です。低脂肪の療法食を中心に、ドライやウェットを猫の好みに合わせて選びましょう。無理に食べさせるのではなく、少しずつ回数を分けて与えるのがポイントです。必要に応じてサプリメントを取り入れるのもひとつの方法です。ここからは、猫が膵炎になった時におすすめのご飯についてご紹介します。
ドライフード
膵炎の猫には、低脂肪で消化しやすいドライフードがおすすめです。最初はふやかして柔らかくしてから少量ずつ与えると、胃腸への負担が少なくて済みます。最初のうちは1日4回ほどに分けて、体調を見ながら量を少しずつ増やしていきましょう。猫の食べるペースや好みにも個性があるため、ゆっくりと慣らしていくことが大切です。処方された消化器サポートのフードを選び、膵臓に負担をかけない食生活を心がけましょう。
ウェットフード
ウェットフードは水分が多くてやわらかく、体への負担が少ないため、膵炎の猫にも向いています。香りが強く、食感にもバリエーションがあるので、食欲が落ちているときでも食べやすいというメリットがあります。回復期には、少しずつ量を増やしながら、猫の様子に合わせて調整していきましょう。水分補給が気になる猫にとっては、自然に水分をとれる点でも役立ちます。好みに合わせて、パウチや缶詰タイプを使い分けてあげるのもおすすめです。
サプリメント
膵炎による消化不良やお腹の不調をサポートするために、サプリメントもおすすめです。腸内環境を整える善玉菌や、消化酵素を補う成分などが含まれたサプリは、胃腸の負担を和らげることがあります。ただし、サプリの種類や量は、猫の体調や病状に合わせる必要があります。自己判断で与えずに、必ず獣医師と相談しながら取り入れるようにしてくださいね。
猫の膵炎でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、猫の膵炎の原因や検査方法、治療方法、おすすめのご飯などについて詳しくご紹介しました。
猫の膵炎は、急に元気がなくなったり、食欲が落ちたりといったサインから始まることが多く、気づきにくいこともあります。原因ははっきりしない場合が多いものの、早期に気づいてケアを行うことで、回復が期待できます。治療では点滴や薬、栄養管理が大切です。もし現在、猫の膵炎でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。猫ちゃんの体の不調をしっかり検査して、元気を取り戻すためのケアを一緒に行っていきましょう。なんでもご相談ください。