犬の抗生物質の副作用は?使用する疾患や効果が現れるまでの期間を解説! - 大阪梅田ペットクリニック

コラム

犬の抗生物質の副作用は?使用する疾患や効果が現れるまでの期間を解説!

愛犬が体調を崩したとき、抗生物質を処方された経験がある方は多いのではないでしょうか?抗生物質は、細菌による感染症の治療に使われる薬です。ただし、副作用が出てしまうこともあるので注意してください。この記事では、犬に抗生物質を使うシーンや副作用などについて詳しくご紹介します。

抗生物質とは?

抗生物質とは、細菌が体の中で増えるのを防いだり、細菌自体を死滅させたりする働きをもつ薬です。犬が感染症にかかった時、体内で細菌が炎症や発熱、痛みなどのトラブルを引き起こすことがあります。そのような場合に抗生物質を使うことで、症状を和らげ、体の回復を助けることができます。

ただし、抗生物質は細菌にのみ効果を発揮する薬です。

ウイルスによる風邪や真菌(カビ)の感染症には効きません。そのため、例えば犬が咳をしているからといって、すぐに抗生物質を使えば良いというわけではなく、まずは獣医師が原因を判断して必要かどうかを決めていきます。さらに、細菌にはさまざまな種類があるため、症状によってはグラム染色や細菌培養検査などを行い、その子に合った抗生物質を選ぶこともあります。

抗生物質を使うときに特に大切なのが、決められた期間をきちんと守ることです。途中で症状が良くなったからと自己判断でやめてしまうと、体の中に残った細菌が強くなり、薬が効かなくなる耐性菌が生まれる原因になります。この耐性菌は、再び同じ病気になったときに治りにくくなるだけでなく、他の犬や人に感染するリスクもあるため、とても注意が必要です。

また、安全性の高い薬とはいえ、副作用が全くないわけではありません。犬によっては、下痢や嘔吐、食欲不振などの軽い消化器症状が出ることがあります。まれにですが、皮膚に発疹が出たり、かゆみや発熱などのアレルギー反応が見られたりすることもあります。抗生物質の服用中に気になる変化があったときは、すぐに獣医師に相談してください。早めに対処すれば、大きなトラブルを防ぐことができます。

犬に抗生物質を使うのはどんな時?

犬が細菌による感染症にかかった時、抗生物質が治療に使われることがあります。使われるシーンとしては、歯周病や皮膚炎、膀胱炎など、細菌が原因で炎症が起きている時です。ここでは、犬に抗生物質を使うのはどんな時かについて詳しくご紹介します。

歯周病

犬の歯周病は、歯と歯茎の間に細菌がたまることで起こる炎症性の病気です。進行すると歯茎が腫れて出血したり、ひどい口臭や痛みが出たりします。このとき、獣医師が抗生物質を処方することがあります。抗生物質は細菌の増殖を抑え、歯茎の腫れや痛みを和らげます。ただし、それだけで完治するわけではありません。根本的な治療や再発予防のためには、歯磨きや定期的な歯科チェックが大切です。

皮膚炎

犬の皮膚に赤みやかゆみ、フケ、ただれなどの症状が見られる時、細菌性の皮膚炎が疑われます。皮膚のバリアが弱ったところに細菌が入り込み、炎症を引き起こしている場合、抗生物質が処方されることがあります。薬は内服薬や塗り薬の形で使われ、症状を和らげ、感染の広がりを防ぎます。治療と並行して、アレルギーやシャンプーの頻度など、皮膚炎の背景にある原因を見つけて改善していくことも大切です。

膀胱炎

犬が何度もトイレに行く、尿が少しずつしか出ない、血が混じるといった症状が見られる時は、膀胱炎が考えられます。特に細菌が原因となっている「細菌性膀胱炎」の場合、抗生物質による治療が必要です。薬は体内の感染を抑え、排尿時の痛みや炎症を和らげます。膀胱炎は再発しやすいため、治療後もしっかりお水を飲ませたり、排尿の様子を観察したりと、ずっとケアをしていくことが大切です。

傷口感染

犬がケガをしたとき、表面はきれいに見えても、皮膚の奥で細菌が繁殖してしまうことがあります。特に、出血をともなう切り傷や擦り傷は、細菌感染のリスクが高まります。傷口が赤く腫れたり、熱をもっていたりする場合、抗生物質が使われることがあります。感染を抑えて、傷の治りを助けるためです。

呼吸器系の感染症

犬がせきをしたり、鼻水やくしゃみが続いたりする場合、呼吸器系の感染症が考えられます。細菌が原因の気管支炎や肺炎、上気道感染などでは、抗生物質の治療が効果的です。薬によって炎症がやわらぎ、呼吸が楽になることが期待されます。症状が似ていてもウイルス性の場合は抗生物質が効かないこともあるため、診断は獣医師の判断が欠かせません。

犬の抗生物質の副作用は?

抗生物質は犬の健康を守るために使われる一方で、副作用が出ることもあります。よくあるのは下痢や嘔吐などの消化器症状です。

また、まれに発疹やかゆみなどのアレルギー反応が出ることも。体調の変化には十分注意し、気になることがあればすぐに動物病院に相談しましょう。

ここでは、具体的な副作用についてご紹介します。

消化器系の症状

犬に抗生物質を使った時によく見られる副作用が、消化器系のトラブルです。具体的には、下痢や嘔吐、食欲の低下などがあげられます。これは、抗生物質が体内の悪い菌だけでなく、腸内にいる良い菌も一緒に減らしてしまうことで、腸内環境が乱れてしまうからです。

その結果、うんちがゆるくなったり、吐き気を感じたりすることがあります。場合によっては、よだれが増えたり、元気がなくなってしまったりする子もいます。こうした副作用を和らげるために、抗生物質と一緒に整腸剤を処方することもあります。副作用の程度には個体差があるので、異変を感じたら早めに動物病院へ相談しましょう。

アレルギー反応

抗生物質を使った後に、犬の体にかゆみや発疹、腫れなどが現れた場合は、薬に対するアレルギー反応かもしれません。これは抗生物質そのものだけでなく、薬に含まれる添加物や基材に体が反応して起こることもあります。まれに発熱や興奮といった全身的な反応が出ることもあり、症状の現れ方には幅があります。点眼薬や塗り薬などの外用薬でも、皮膚に異常が出たり、使い続けることで耐性菌ができてしまう可能性があるため注意が必要です。どんな薬でも「合う・合わない」がありますので、薬を使い始めてから愛犬に少しでも違和感を感じたら、すぐに使用を中止して獣医師に相談してください。

犬の抗生物質はどれくらいで効果が現れる?

早い子では1〜2日で症状の改善が見られることもあります。ただし、感染の種類や重症度、犬自身の体調によって回復のスピードは変わってきます。一般的には3〜5日ほどで元気が戻ってくることが多いですが、数日経っても変化がない、むしろ悪化しているように感じた場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。薬が体に合っていない可能性や、違う種類の菌が関係していることもあります。

抗生物質の副作用でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!

この記事では、犬に抗生物質を使うシーンや副作用などについて詳しくご紹介しました。

犬の健康を守るうえで、抗生物質は大切な薬です。細菌が原因の感染症にはしっかりと効果を発揮し、回復を助けます。ただし、副作用が出ることもあるため、使う時は獣医師の指示をきちんと守ることが大切です。薬の効果を最大限に活かすためには、決められた期間を最後まで使い切ることも忘れずに。

もし現在、抗生物質の副作用でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。副作用を和らげることも可能なので、一緒にワンちゃんの健康を守っていきましょう。