犬の膝蓋骨脱臼のマッサージのやり方は?腿周辺の手順をご紹介!
ワンちゃんが歩きにくそうにしていたり、痛みを感じていたりすると心配になりますよね。その場合、「膝蓋骨脱臼」になっている可能性が考えられます。膝蓋骨脱臼には先天的な原因と後天的な原因があります。マッサージをすることで改善を目指すことができるので、気になる方はぜひお試しください。この記事では、膝蓋骨脱臼の原因やマッサージ方法について詳しくご紹介します。
目次
犬の膝蓋骨脱臼とは?
犬の膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)とは、膝のお皿にあたる膝蓋骨が通常あるべき位置からずれてしまう状態のことです。この状態になると、犬は歩き方がおかしくなったり、痛みを感じたりすることがあります。特に小型犬に多く見られる疾患ですが、大型犬にも起こることがあります。症状の重さは軽度から重度までさまざまで、日常生活に影響を与えることも少なくありません。膝蓋骨脱臼には、先天的な原因と後天的な原因があり、それぞれの特徴について以下で詳しく説明します。
先天的な原因
先天的な原因とは、犬が生まれつき持っている膝蓋骨脱臼の要因のことです。具体的には、大腿骨や脛骨などの骨の形状が通常とは異なっている場合や、膝周辺の筋肉や靭帯に異常がある場合です。これらの異常は、遺伝的な影響を受けることが多く、親犬から子犬に引き継がれることがあります。このような先天的な要因は、犬が成長するにつれて症状が顕著になることがあります。生後数ヶ月の頃には症状が見られない場合でも、成長に伴って膝蓋骨がずれやすくなり、異常な歩き方や足をかばうような仕草が現れることがあります。先天的な膝蓋骨脱臼は早期発見が大切で、定期的に動物病院で診察を受けることで、進行を防ぐことが期待できます。
後天的な原因
後天的な原因による膝蓋骨脱臼は、犬が成長した後の生活環境や事故などがきっかけとなることが多いとされています。例えば、高い場所から飛び降りたときの着地の衝撃や、転倒して膝を強く打った場合、また交通事故などの大きな怪我が原因で膝蓋骨がずれることがあります。また、滑りやすいフローリングの上での生活も、膝関節に負担をかける要因になることも。特にフローリングの床で走ったり急に方向転換をしたりする動きが続くと、筋肉や靭帯が弱くなり、膝蓋骨脱臼を引き起こす可能性があります。さらに、肥満による体重の増加も膝関節への負担を大きくする原因の一つです。後天的な原因を防ぐためには、環境を整えてあげることが重要です。例えば、滑りにくいマットを敷いたり、急激な動きを控えさせたりすることで、犬の膝を守ることができます。
犬の膝蓋骨脱臼のマッサージのやり方は?
犬の膝蓋骨脱臼に対するマッサージは、筋肉の緊張を和らげたり、血流を促進するために効果的な方法です。正しい手順で行うことで、犬の負担を軽減し、症状の悪化を防ぐことが期待できます。ただし、犬の症状によってマッサージ方法が異なる場合があるので、必ず獣医師に相談してくださいね。ここでは、一例としてマッサージの方法をご紹介します。
温熱パックで温める
温熱パックを使って膝周りを温めると、筋肉がリラックスしやすくなり、マッサージの効果がより高まります。使用する際は、必ず飼い主が温度を確認し、犬がやけどをしないように注意しましょう。理想的な温度は、人肌より少し暖かい程度で、熱すぎないことが大切です。直接肌に当てると犬が不快に感じたり、皮膚にダメージを与えたりする可能性があるため、温熱パックは必ず薄手のタオルなどで包んでから使用してくださいね。
温める部位は膝周辺や腿の筋肉など、膝関節を支える部分が適しています。片側ずつ、2~3分を目安に温熱パックを当て、犬の様子を観察しながら進めます。犬が気持ちよさそうにしている場合は、温熱パックが冷めるまでそのまま当て続けても問題ありません。一方で、犬が嫌がったり、落ち着かない様子を見せる場合は無理に続けず、一度中止してあげてください。
また、マッサージは犬がリラックスしているときがおすすめです。遊んだ後や寝る前など、犬が静かな状態で行うと効果が高まるでしょう。
腿の前・後ろを温める
温熱パックを使った温めは、腿の前と後ろの筋肉に対しても行うのがおすすめです。まず、腿の前側に温熱パックを片側ずつ当てて、2~3分を目安に温めていきましょう。犬が気持ちよさそうにしている場合は、温熱パックが冷めるまでそのまま当て続けても大丈夫です。次に、腿の後ろ側も同じように温めていきます。この際、犬がリラックスしているかどうかを確認しながら、優しく進めてください。腿を温めることで、膝関節を支える筋肉がほぐれやすくなり、後のマッサージがより効果的になります。無理に押さえつけたりせず、犬が安心できる状態で行いましょう。
マッサージを行う
ここからは、いよいよマッサージを行っていきます。ただし、無理に行ったり、犬が嫌がる場合はすぐに中止してくださいね。マッサージは強く押しすぎず、優しく触れるように行いましょう。それぞれの部位に対して2~3分を目安に行い、犬の様子を観察しながら進めてください。温熱パックによって犬の体を温めた後に、以下のマッサージ方法をお試しください。
腿の前のマッサージ
腿の前側の筋肉をマッサージすることで、膝関節への負担を軽減できます。親指と人差し指で腿の筋肉を優しく挟むようにして、膝の方向へ向かって滑らせるようにしごいていきます。力を入れすぎず、犬がリラックスできる程度の圧を意識してください。筋肉をしごく動作を繰り返すことで、血流が良くなり、筋肉が柔らかくなります。左右の足を順番に行い、それぞれ2~3分を目安に進めましょう。犬が気持ちよさそうにしていれば、少し長めに続けても構いません。
腿の後ろのマッサージ
腿の後ろ側の筋肉をほぐすマッサージは、筋肉の繊維と逆方向にさするのがポイントです。具体的には、お腹側からお尻に向かって、手のひらを使って優しく撫でるようにさすっていきます。この動作を繰り返すことで、筋肉の緊張を解き、膝関節の動きをサポートできます。犬が緊張している場合は、優しく声をかけたり、リラックスできる体勢を整えてあげてくださいね。左右の足を交互にマッサージし、それぞれ2~3分を目安に行いましょう。
腿の内側のマッサージ
腿の内側のマッサージは、坐骨のすぐ下にある筋肉をほぐすことが目的です。お尻の中心から外側へ向かって、筋肉の繊維とは逆の方向にさするように行います。この部分は繊細なので、優しく行いましょう。内側の筋肉をほぐすことで、膝関節をより自然な位置に保つことを目指します。犬がリラックスしていることを確認しながら、こちらも左右交互にそれぞれ2~3分ずつ行いましょう。犬が疲れてきた様子が見られる場合は無理をせずに、時間を短縮するか後日に行うようにしましょう。
(参考動画: 【膝蓋骨脱臼の犬】足を動きやすくするマッサージとストレッチ Massage & Stretch Routines for Dogs with Luxating Patella )
犬の膝蓋骨脱臼でお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
この記事では、犬の膝蓋骨脱臼の原因やマッサージ方法などについて詳しくご紹介しました。膝蓋骨脱臼を発症すると、ワンちゃんが歩きにくそうにしていたり、痛みを感じていたりすることが多いので、早めに獣医師に相談するようにしてくださいね。また、マッサージで改善されることがあるので、ぜひお試しください。もし現在、犬の膝蓋骨脱臼でお悩みの方は、大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。ワンちゃんが過ごしやすくなるようにサポートさせていただきます。