犬の核硬化症の原因や症状は?白内障との見分け方も解説!
愛犬の眼が昔と違って白く見えるなんてことはありませんか?その原因は、核硬化症によるものかもしれません。犬は、人間のように明確な訴えをすることができません。愛犬の異変はとても心配や不安な気持ちになりますよね。
今回は、犬の核硬化症について、症状や発症年齢、治療法が存在するのかなどをご紹介します。また、目が白く見えるという同様の症状のある白内障について、核硬化症との違いをご紹介します。
愛犬の眼の変化の原因を突き止める参考にしてみてください。
目次
核硬化症とは?
核硬化症とは、眼の中にある視力に重要な役割を果たしている水晶体の老化現象によって引き起こされるものです。
水晶体は透明で弾力性のある組織です。その中には、「水晶体核」と呼ばれる、水晶体の中心にある硬い部分があります。水晶体の表面は新しい層へと作り変えられていきますが、水晶体核は生まれた時から作り変えられることなく、新しい細胞へと置き換わることもありません。作り変えられる水晶体の軟部組織は、表面からだんだんと後ろへ押し出され、線維化していきます。水晶体核は、後退してきた線維化組織による圧力を受けます。そのため、年齢と共に硬化や変色をしていき、核硬化症となるのです。
核硬化症の眼は、光の加減で青白く混濁して見えるのが特徴です。
では、犬の核硬化症について詳しく解説していきます。
何歳から発症する?
発症年齢は、大型犬や小型犬でも異なる場合があります。
早いと大型犬では7歳前後、小型犬では12歳前後より見られます。
視力は低下する?
核硬化症のみの場合、視力障害を引き起こすことはないと言われています。
ただし、白内障も併発していると視力障害が引き起こされていることもあるので、しっかりと眼科検査をした方が良いでしょう。
犬が核硬化症を発症する原因は?
主な原因は、老化によるものです。また、水晶体の表面が作り変えられていくことによる圧迫や水晶体核の水分の喪失、繊維の密集などが硬化していく原因です。
これらは、年齢と共に蓄積されて引き起こされます。
犬の核硬化症にはどのような症状がある?
肉眼的症状は、眼が青白く濁ったように見えることです。感染の徴候や水晶体自体の混濁はありません。また、視力障害を伴わないため日常生活に影響は及ぼしません。
普段通り変わらない様子で眼が白く見えるのは、核硬化症かもしれません。しかし、その他の病気を疑う必要があるので、安易に捉えず獣医に相談することをおすすめします。
犬の核硬化症の検査・治療方法は?
核硬化症では、スリットランプ検査と呼ばれる検査を行います。スリットランプ検査は、白内障との鑑別にも使用される検査法です。スリット状の光が出る機械を用いて、角膜や虹彩、水晶体、硝子体などの状態を観察することができます。あらゆる眼の疾患の診断にも用いられます。また、眼の顕微鏡で眼の内部を観察することによって、より正確な眼の状態を観察することが可能です。
核硬化症は、老化現象によって起こる肉眼的な所見のみが特徴です。そのため、見た目以上に視力の低下はありません。核硬化症には治療法がないため、経過観察をすることが多いとされています。
犬の核硬化症の予防方法は?
老化現象の一つのため、具体的な予防方法はありません。ですが、眼に異変を感じたら早期に獣医へ相談しましょう。また、好発年齢が近づいていたら定期的に眼の検査を行うようにしましょう。
核硬化症と白内障の区別は肉眼的には難しいとされています。たとえ、核硬化症だとしてもその他の疾患を併発していないか見極めることが重要です。白内障や緑内障を患っていた場合、早期に治療することで進行を抑えたり症状を緩和させたりすることができます。特に緑内障は最悪の場合、眼球を摘出しなくてはならないこともあります。定期的な眼の検査は、白内障や緑内障などの病気を早期発見できるきっかけにもなります。早期発見で愛犬との暮らしを守りましょう。
犬の核硬化症と白内障との見分け方・違いは?
肉眼的には核硬化症と白内障を区別することは極めて困難です。専用の顕微鏡などを用いて、水晶体の状態を観察することで鑑別することができます。
では、肉眼的には区別が難しいこの2つの疾患には、どのような違いがあるのでしょうか。
白内障と核硬化症の違いは以下のとおりです。
・発症原因
・進行スピード
・視力への影響
・炎症の有無
・治療法
核硬化症は老化によって引き起こされますが、白内障は水晶体のたんぱく質が変性することで引き起こされます。また、進行スピードは白内障の方が比較的早く進行していきます。そして、もっとも大きな違いは視力への影響の有無です。核硬化症は視力障害を引き起こしません。一方で、白内障は視力障害を伴うため、物にぶつかりやすくなったり距離感をつかめなくなったりすることがあります。
核硬化症が原因で炎症を引き起こすことはほとんどありません。しかし白内障の場合では、進行と共に炎症を起こしやすくなり、緑内障などの他の疾患を併発する恐れもあります。
この2つの疾患は、治療法も異なります。白内障では、病気の進行を抑制するために目薬での治療をします。日常生活において、支障が大きければ手術という選択肢もあります。核硬化症では、見た目の変化だけのため特に治療法はなく、治療をする必要もありません。
核硬化症を発症しやすい犬種は?
発症しやすい犬種に大きな特徴は特になく、どの犬種にも起こり得ます。
また、あくまでも老化現象の一つのため室内屋外などの飼育環境にも関係なく核硬化症になる可能性はあります。
犬の目の異変にお悩みの方は大阪梅田ペットクリニックにご相談ください!
核硬化症は、老化現象によって引き起こされる眼の異変です。目が青白く濁ったように見えますが、見た目ほど視力の低下は起きていないのが特徴です。そのため、治療の必要はなく経過観察で過ごすことができます。しかし、肉眼的には白内障との区別が付きにくく、しっかりと検査で見極める必要があります。白内障であった場合、日常生活に支障をきたすことや感染症を併発してしまう恐れがあります。白く見える目は、安易に捉えず検査でしっかり鑑別することをおすすめします。また、好発年齢である7歳以上は定期的な眼の検査をおすすめします。日々の生活の中で異変に気づき対処することも可能かもしれませんが、定期的な検査によって治療が必要な病気であった場合、犬に負担をかけない治療から開始するなど早期的な対処が可能です。
気になる症状がある場合は、ぜひ大阪梅田ペットクリニックにご相談ください。小さな異変から出る大きな不安や心配を払拭して、大きな幸せを手に入れましょう。