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犬の嘔吐に注意!白い泡を吐く理由と対処法を解説

愛犬が白い泡を吐くなんて・・・多くの飼い主さんが心配になりますよね。犬の嘔吐は、体から発せられた重要なSOSサインであり、早期の対応が必要です。

この記事では犬が白い泡を吐く原因と対処法についてお伝えします。愛犬の健康を守るために、しっかりと知識を身につけましょう。

犬が白い泡を吐く原因

犬が嘔吐する原因は病的なものと非病的なものの2つに分けられますが、白い泡の場合にはほとんどのケースが生理的な反応であり、病的なものではありません。

詳しく見ていきましょう。

空腹が原因

犬が白い泡を吐くのは、空腹時に見られることが多いです。白い泡と一緒に黄色い液が混ざっていることもありますが、これは胃液や胆汁なので心配する必要はないでしょう。

しかし、犬が何らかの異物を吐いた場合や嘔吐以外にも下痢や元気消失などの症状が見られる場合には、注意深く観察する必要があります。

乗り物酔いが原因

犬も人間と同じように車や電車などで「乗り物酔い」をすることがあります。乗り物酔いによって口から白い泡を吐くことがありますが、一般的に乗り物酔いの場合は、乗り物から降ろして犬を落ち着かせると、症状が緩和されるケースがほとんどです。

熱中症が原因

高温や湿度の高い環境下では「熱中症」になることもあります。犬が白い泡を吐いた場合、それは熱中症の兆候かもしれません。犬の体温が上昇していないか確認し、熱中症の症状が見られる場合は、直ちに涼しい場所に移動させ、濡らしたタオル等で体を冷やしましょう。

熱中症は非常に危険な症状です。嘔吐以外に下痢や「けいれん」といった重度の症状が見られたり、犬がぐったりしている場合にはすぐに動物病院に連れて行く必要があります。

病気が原因

もし犬が白い泡を吐いた後に食欲がなくなり、同時に元気がない場合は、病気が原因である可能性も考えられます。他の症状がないか観察してみましょう。犬に発熱や下痢があるかどうか、よだれが増えていないかなどです。

また、吐いた物がネバネバしていたり、繰り返し嘔吐が起こっていたりする場合は、脱水症状が生じているかもしれません。嘔吐を繰り返すことによって水分や体液を失い、脱水状態になるからです。

これらの症状が見られる場合は早めに獣医師に相談し、診察を受けることが重要です。

嘔吐した白い泡がネバネバしているのはなぜ?

犬が吐いた白い泡がネバネバしているのは、「泡」が胃液や唾液が混ざったものだからです。空腹の状態が続くと空っぽになった胃から胃液が逆流し、白い泡として吐かれることがあります。

空腹による胃液や胆汁の吐き出しは、一般的に健康に大きな問題を引き起こすことは考えにくく、一種の生理現象のようなものなので心配することはありません。

対処法は犬が過度な空腹状態にならないよう、食事の回数や量を調整することです。十分な栄養摂取が必要なので、定期的な食事や適切な食事量を与えましょう

犬が白い泡を吐いた時の対処法4選

犬が白い泡を吐いた後、飼い主さんはどのように対応したら良いのでしょうか。ここからは犬が白い泡を吐いてしまった後に行いたい4つの対処法について解説していきます。

1.食事の量を調整する

嘔吐後しばらくの間、ドッグフードやおやつは少量を与えるようにしましょう。通常1日1回の場合は1日2回に、1日2回の場合は1日3回にするなど、食事回数を増やすことで「空腹状態」を緩和します。

一度に大量に食べ物を与えると胃を刺激してしまい、嘔吐を引き起こすこともあるので注意が必要です。

2.食事のタイミングを調整する

愛犬が特定の時間帯に空腹になりやすいのであれば、その時間帯に追加で食事を与えるように調整してみましょう。例えば、夜寝る前に食事を与えることで朝までの空腹を防ぐことができます。

3.一日の総摂取カロリーを守る

食事回数を増やす際には、1日の総摂取カロリーがオーバーしないように調整する必要があります。前述した方法は、あくまでも「食事回数を増やすだけ」であり食事量を増やすわけではないので、くれぐれも注意しましょう。

4.食物繊維を含む食材を食事に取り入れる

空腹による胃液の過剰分泌は嘔吐の引き金になる可能性があるため、胃液が過剰に出ることを予防する対策を取ることが効果的です。

例えば、

・消化に時間がかかるフードへの切り替え
・食物繊維を含む食材の摂取


などが有効でしょう。

食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。水溶性食物繊維は、消化に時間がかかり胃内で長くとどまる性質があり、満腹感を持続させ、空腹感を緩和することが可能です。

不溶性食物繊維は、フードの体積を増やして便秘の改善に効果があるとされています。水溶性食物繊維を過剰に摂取すると下痢の原因になることがあるため、与える量には注意が必要です。

少量から始めて効果を確認し、少しずつ増やしていきましょう

犬にガムを与える時の注意点

ガムを愛犬へのおやつとして与えている人は多いですが、与えるタイミングには気を付けなければなりません。ガムを与えるなら「空腹時」を避けましょう

なぜなら、空腹時にガムを与えると犬が勢いよくかんでしまい、喉に詰まらせてしまう危険性があるからです。したがって犬にガムを与える際には、食事の後やお腹が満たされた状態で与えることをおすすめします。

犬がガムを噛む際には飼い主が注意深く見守り、安全を確保することも重要です。

危険な嘔吐との見分け方

「嘔吐」には病気の可能性も考えられます。早急な対応を迫られるケースもあるため、普段から注意深く愛犬の様子を観察し、普段と違う様子が見られたら早めに動物病院を受診するようにしましょう。

下痢や震えがある

嘔吐と共に下痢の症状が見られる場合は、胃炎や腸炎、腎不全や膵炎といった病気が疑われます。さらに、震えの症状も見られる場合は非常に危険な状態かもしれません。

震えの原因はさまざまですが、

・腹痛
・低血糖
・発熱
・低体温
・低カルシウム血症
・高カリウム血症
・甲状腺機能低下症
・副腎皮質機能亢進症


などが考えられます。

これらの症状が確認できた場合は早めに獣医師の診断を受け、処置を行うことが大切です。愛犬の健康は飼い主さんにかかっていると言っても過言ではありません。

血が混ざっている

犬の吐しゃ物に赤い血が混ざっていたり、コーヒーのような色をしている場合は「胃の疾患」が疑われます。

胃潰瘍や腸の腫瘍といった胃関連の疾患は、嘔吐の他にも下痢や腹痛、便が黒くなったり血便などの症状も見られることがあります。これらの症状がある場合には迅速な治療が必要です。

ぐったりしている

もし犬が白い泡を吐いただけでなく元気がなく、ぐったりしている場合には何らかの病気のサインかもしれません。

嘔吐を引き起こす病気には、

・細菌やウイルスの感染症
・腫瘍
・ホルモン関連の病気
・胃腸や肝臓、腎臓の疾患
・胃拡張
・胃捻転


などがあり、急を要する病気の疑いもあります。気になる症状があった場合には早めに獣医師に相談してください。

犬の嘔吐に注意!白い泡を吐く原因と対処法を解説【まとめ】

犬が白い泡を吐くのは、長時間の空腹時におこる「犬の胃液の過剰分泌」が原因です。この問題に対処するための対策は2つあります。

1つ目は犬の空腹時間を短くすることです。定期的に小さな食事やおやつを与えることで、胃液の分泌を抑えることができます。

2つ目は胃液が過剰に出ない食事対策を行うことです。特に「水溶性食物繊維」を含む食事を与えることが良いでしょう。これにより胃の動きが促進され、胃液の過剰分泌を抑える効果が期待できます。

不安な点があった場合は獣医師のアドバイスを仰ぎながら、犬の健康を保つために適切な食事管理を行いましょう。