コラム

【愛犬が嘔吐・下痢】元気あるけど…どうするべき?│正しい対処法を徹底解説

愛犬が嘔吐や下痢をした場合には、飼い主さんが正しい対処法を早めに実践してあげることが重要です。嘔吐や下痢をした後に「元気そうだな」と感じたとしても、自己判断だけで軽く考えてしまうのは非常に危険です。

本記事では、愛犬が嘔吐や下痢を起こす可能性となる原因とそれに対する適切な対処法について詳しく解説します。アナタの行動で愛犬の健康を守りましょう。

ぜひご一読ください。

犬が下痢になってしまう原因は?

下痢になってしまう原因は、異物の摂取や食べ物の中毒、重篤な疾患や感染症といった緊急性の高い要素から、食物アレルギーや細菌感染、環境変化などの注意すべき要素までさまざま考えられます。

正確な原因を特定して適切な対処をするためには、日頃から愛犬の様子を注意深く観察することが大切です。

食事

食事が原因で犬が下痢になることがあります。食べ過ぎや食事の変化などが原因です。下痢の症状が1〜2日で改善せず、加えて嘔吐などの他の症状が見られる場合には、動物病院を受診する必要があります。

また、特定の食事や食材によって繰り返し下痢が起こる場合は「食物アレルギー」の可能性が考えられます。獣医師に相談してみてください。

ストレス

ストレスが原因で犬が下痢になることがあります。長期の留守番や近隣での工事、ペットホテルの利用などのストレスを感じる状況が続くことで、下痢になるケースもあるのです。

もし思い当たる節がある場合には、可能な限りそのストレスを取り除いてあげましょう。

通常、下痢の症状は1〜2日で改善しますが、続く場合や嘔吐などの他の症状が見られる場合は、動物病院を受診する必要があります。

異物誤飲や誤食

犬が異物や食べ物以外のものを誤食した場合、下痢が起こることがあります。人用の薬やサプリメントの誤食、ゴミ箱や三角コーナーからの傷んだ食べ物の盗食などが一因です。

誤食の場合は嘔吐も伴いますし、誤食してしまった物によっては早急な対処が必要となる場合もあります。早めに動物病院を受診し、獣医師の指示に従って適切な処置を行いましょう。

ウイルス

ウイルス感染によって犬が下痢を起こすことがあります。

主なウイルスには、

・パルボウイルス
・コロナウイルス
・犬ジステンパーウイルス

といったものがあります。

特に免疫力の弱い子犬や高齢犬はウイルス感染が重症化しやすい傾向があるため、注意が必要です。これらのウイルス感染を予防するためには、適切な時期にワクチン接種を行うことが重要です。

定期的なワクチン接種によって犬の免疫力を高め、ウイルス感染による下痢や他の病気を予防することができます。獣医師と相談して適切なワクチンスケジュールを組んでください

寄生虫

寄生虫感染によって犬が下痢を起こすこともあります。

主な寄生虫は以下の通りです。

・回虫
・鞭虫
・鉤虫
・マンソン裂頭条虫
・ジアルジア
・コクシジウム
・トリコモナス

寄生虫は便に検出される場合が多いので、便が獣医師の診断に役立つ大切な情報源となります。病院を受診する際には「便」を持参すると良いでしょう。獣医師はそれを見て、正確な診断を行い、寄生虫感染に対する適切な治療を提案してくれます。

細菌

細菌感染によって犬が下痢を起こすことがあります。主にクロストリジウムやカンピロバクター、サルモネラや大腸菌などの細菌が原因です。

これらの細菌は健康な犬の便にも存在していますが、腸内で毒素を作り出したり腸内細菌のバランスが崩れることで増殖して、下痢を引き起こすのです。

下痢には血便を伴うこともよくあり、重症な場合は発熱や脱水症状を引き起こす可能性もあります。そのため早めに動物病院を受診し、獣医師の診断と治療を受けることが重要です。

様子を見てもいい下痢は?

以下のような状況の場合、一般的に緊急性は低いと考えても良いでしょう

・下痢の頻度が少ない
・血便ではない
・嘔吐がない
・元気や食欲はある

もし下痢以外に特に問題がなく、フードやおやつの変更や食べ過ぎ、ストレスなどの思い当たる節がある場合にはそれらの原因を取り除き、1〜2日間の安静を保ちながら様子を見てみましょう

※ただし嘔吐や他の症状が見られたり、下痢がなかなか改善しない場合には、早めに動物病院を受診することが重要です。少しでも不安を感じたら獣医師に相談しましょう。

犬が嘔吐する原因

犬が嘔吐する原因は大きく2つあります。

1つ目は「一時的な要因」です。

・食べ過ぎ
・環境の変化
・乗り物酔い

などが該当します。

これらの場合、嘔吐の原因は明らかで、犬の行動や状態に直接関連しています。したがって、嘔吐する前の犬の行動や状態について振り返り、何か異常がなかったかを確認することが重要です。

2つ目はより注意が必要な「病気が原因」のケースです。

・膵炎
・胃炎
・臓の病気
・腎臓の病気
・腫瘍
・ウイルス性または細菌性の感染症
・寄生虫感染

によっても、嘔吐が起こることがあります。

一時的な要因」では吐かれた物が未消化のものが多いのに対し、「病気が原因」では消化物が吐かれることが多いのが特徴です。嘔吐の原因を正確に見極めるためには、獣医師の診察を受けましょう。

嘔吐と吐出は「原因」が違う

獣医師は「嘔吐」と「吐出」を明確に区別しています。なぜなら、両者の原因が異なるため、それに応じた治療が必要だからです。犬の嘔吐は主に胃や腸に起因することが多い一方で、吐出の原因は食道にあります。

吐かれる内容物にも違いがあります。嘔吐の場合、吐物は一定程度消化されていますが、吐出の場合は、食べ物が消化器に到達する前に食道から戻されるので、消化されていない状態です。

また、吐き方にも違いがあります。嘔吐の場合は下に向かって吐きますが、吐出では力強く前方に吐き出すような動作をすることが多いです。

下痢と嘔吐が同時に起こる場合

もしも愛犬が下痢と嘔吐を同時にしているようなら、何らかの病気が関係している可能性があります。以下の病気では下痢と嘔吐が同時に起こることがあり、愛犬にとってかなりの負担となります。

早めに病院で処置を受けるようにしてください。

胃腸炎

胃や腸の炎症によって引き起こされる病気です。胃腸炎では、下痢と嘔吐が同時に起こることがあります。犬はお腹が痛くなるため、頭を下げてお尻を上げるような姿勢をとることがあります。

パルボウイルス腸炎

パルボウイルスに感染することで引き起こされる危険な病気です。他の犬の便を介して感染するため、外出時やドッグランでは注意が必要です。

嘔吐から下痢へと症状が進行し、血液の混じったドロドロの便に変化することがあります。この病気は急速に進行するため、早めの受診が必要です。ワクチン接種によって予防することが可能です。

【まとめ】飼い主の正しい行動が愛犬を救う

愛犬が嘔吐や下痢といった消化器病に特徴的な症状を示した場合、飼い主の方はまず『何が原因だろうか』と考えることが重要です。これは消化器病に限らず、他の病気についても言えることです。

例えば、中毒や異物の摂取の可能性がある場合、飼い主の情報がないと獣医師は原因を特定するためにさまざまな検査を行わなければなりません。原因を早く見つけて適切な対処をしなければ、危険な状況になる可能性もあります。

もし飼い主が原因について全く思い当たることがない場合、愛犬は深刻な病気に罹っている可能性も考えられます。言葉を話せない動物の代わりに、飼い主が細心の注意を払い観察する必要があることを、常に心に留めておいてくださいね。